2015年2月18日水曜日

バレニクリン治療:即禁煙希望でないばあいでも結果的に禁煙率向上する

バレニクリン(チャンピックス)は、即、禁煙前提。

今すぐ禁煙する決意がないという人には、現時点では、使用不可。
だが、3ヶ月後なら・・・禁煙となればいいかもって場合に、24週間投与すると・・・結果的に禁煙達成確率高まるとのこと


Effect of Varenicline on Smoking Cessation Through Smoking Reduction A Randomized Clinical Trial
Jon O. Ebbert, et. al.
JAMA. 2015;313(7):687-694. doi:10.1001/jama.2015.280.

意義 即刻禁煙する状況・準備段階にない人が喫煙者がいるが、禁煙目標のためまず減煙しようとする場合がある。

目的  喫煙量減少を通して禁煙率増加するためにバレニクリンを使用することの有効性・安全性を検討。

デザイン、セッティング、被験者 ランダム化対照化国際的臨床トライアル 24週間治療と28週間フォローアップ(2011年7月21日〜2013年7月、10ケ国、61センター)。1510名の被験者・喫煙者で、禁煙に乗り気でない、翌月禁煙可能状況でないが、喫煙量減らしたい、あるいは3ヶ月後にはやめたいとする被験者。被験者は広告で募集。

介入  バレニクリン24週間1mg/日とプラシーボを喫煙量を4週間までに50%減少、8週間までに75%以上、12週間までに禁煙達成を目標。

主要アウトカム・測定  Primary efficacy end point は、15−24週間目の一酸化炭素確認自己報告禁煙。セカンダリアウトカムは、21−24週間目、21−52週間目のやはり一酸化炭素確認禁煙自己報告。

結果 バレニクリン群(760名)は、プラシーボ群(750名)に比べ、15−24週間持続的禁煙率効率 (32.1% for the varenicline group vs 6.9% for the placebo group; risk difference (RD), 25.2% [95% CI, 21.4%-29.0%]; relative risk (RR), 4.6 [95% CI, 3.5-6.1])
バレニクリン群は、21−24週間において継続禁煙率高い  (37.8% for the varenicline group vs 12.5% for the placebo group; RD, 25.2% [95% CI, 21.1%-29.4%]; RR, 3.0 [95% CI, 2.4-3.7]) 、また21−52週間においても同様 (27.0% for the varenicline group vs 9.9% for the placebo group; RD, 17.1% [95% CI, 13.3%-20.9%]; RR, 2.7 [95% CI, 2.1-3.5])

重篤な副作用は、バレニクリン群  3.7% 、 プラシーボ群 2.2%   (P = .07)
結論・知見 喫煙希望なし・次月まで禁煙不可能とする喫煙者で、3ヶ月目までには減煙もしくは禁煙しようとする場合、バレニクリン24週間投与は、プラシーボ投与に比べ、3ヶ月時点で、治療最終時点での禁煙率有意に増加し、1年後も継続する。
バレニクリンは、臨床ガイドライン推奨である即時禁煙に着眼しない場合でも喫煙者の治療オプションとなり得る可能性あり

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