2015年5月21日木曜日

アセトアミノフェン:妊婦一定期間以上服用で男性胎児テストステロン減少:停溜睾丸・不妊など副作用の可能性

アセトアミノフェンと言えば、かぜ薬などにも含まれ、日本でも処方用量が欧米同等に近くなりその臨床的有用性再評価されたばかりなのだが・・・


アセトアミノフェンを妊婦が一定期間以上使用すると男性胎児の血中テストステロン減少をもたらすらしい


Prolonged exposure to acetaminophen reduces testosterone production by the human fetal testis in a xenograft model
Sander van den Driesche1, et. al.
Sci Transl Med 20 May 2015:  Vol. 7, Issue 288, p. 288ra80 Sci. Transl. Med. DOI: 10.1126/scitranslmed.aaa4097


多くの男性生殖器疾患は、胎児期低テストステロンと関連するとされるが、胎児期テストステロン抑制の要因は多くは知られてない。妊娠期アセトアミノフェン長期使用はその子供・男児の停留睾丸と関連するが、胎児期テストステロン産生について影響は不明であった。

アセトアミノフェンの臨床的投与量・レジメンによるヒト胎児精巣暴露異種実験モデルで検証。7日間アセトアミノフェン治療量暴露で、ヒト胎児精巣異種組織所有去勢宿主マウスで、血中テストステロン45%減少、p= 0.025。精巣重量18%減少。しかし、1日程度の暴露ではパラメータ変化無し。
宿主マウス最終投与1時間後血中濃度は治療経口投与量後のヒトのそれ以下であった。

ラットの子宮暴露研究で、鍵となるステロイド原性酵素、Cyp11a1, Cyp17a1の発現減少からテストステロンの減少が生じた。

アセトアミノフェン1週間継続投与で、胎児テストステロン産生を抑制し、副作用を生じる可能性がある

さらなる研究が必要で、用量依存的なのか、治療期間との関係など、最大許容量、治療期間が明らかになってほしい

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