死亡前1年の”身体障がい程度経過軌跡”による入院状況
死亡前1年間において、障がいの進行過程が重要で、障がいが壊滅的進行型の経過を辿る場合かなり入院回数が多くなる。障害の程度が持続あるいは進行する高齢者が、1年内死亡半数超に相当し、これらの患者は、緩和ケアについて検討する必要があるという筆者等の意見
The role of intervening hospital admissions on trajectories of disability in the last year of life: prospective cohort study of older people
BMJ 2015; 350 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h2361 (Published 20 May 2015) Cite this as: BMJ 2015;350:h2361
754名の地域住民コホートの552名の故人 、70歳以上、本来、入浴、衣服着脱、歩行、移動の4つの日常生活活動性必須項目で障がいなしの対象
主要アウトカム測定: 入院発生及び障がい重症度(0−4)、15年超の月毎インタビュー確認
死亡前1年間にて、6つの明確な区分けされる、障がい軌跡が同定された。
・一貫無障がい型:no disability 95 名(17.2%)
・障がい壊滅的進行型:catastrophic disability 61 (11.1%)
・障がい加速悪化型:accelerated disability 53 (9.6%)
・障がい軽度限定進行型:progressively mild disability 61 (11.1%)
・障がい重度進行型:progressively severe disability 127 (23.0%)
・障がい重症持続型:persistently severe disability155 (28.1%)
故人552名の障がい程度推移軌跡
最低1回入院 392 (71.0%)、複数回入院 248 (44.9%)
いくつかの寄与要素を含む多変量モデルセットで、一定月間入院は、障がいの重症度がつよい独立した影響を及ぼし、それは相対的にも絶対的にもであった。
最大絶対的影響は、catastrophic disabilityで認められ、障がいスコア1.9(95% 信頼区間, 1.5 to 2.4) 毎に、1回の入院、相対的効果である発生比あたりでは2.0 (95% 信頼区間, 1.5 to 2.7)であった。
障がい変化軌跡による、死亡前1年間の入院数頻度分布
緩和ケアを、癌・AIDSなどに限定する日本の医療施策は間違いだと思う。心不全・COPDや老衰症例などに、集約的積極的ケアをしなければ許さないという日本の社会情勢は有害性が大きいと思う。 医療費増大だけではなく、医療関連、患者家族への心的・経済的・時間的負担などを含め・・・
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