2018年6月15日金曜日

2型糖尿病と息切れ・拘束性肺障害、線維化間質性肺病変の関連性

2型糖尿病患者において原因不明の息切れに多く遭遇するのは私だけ?・・・と思ってたが、どうも普遍的な現象が存在するのかもしれない




Breathlessness and Restrictive Lung Disease: An Important Diabetes-Related Feature in Patients with Type 2 Diabetes
Respiration https://doi.org/10.1159/000488909
https://www.karger.com/Article/Abstract/488909

糖尿病前症・2型糖尿病(T2D)患者において、拘束性肺障害(RLD)および間質性肺疾患(ILD)の発生率解析し、T2Dでは息切れ、RLD有病率高いことが示され、糖尿病と線維性ILDとの関連性示唆


糖尿病でない対照 48名、糖尿病前症 68名、心筋診断T2D 29名、長期T2D 110名比較
代謝コントロール、糖尿病県連合併症、息切れ、肺機能比較
MDCT、6分間歩行距離(6MWT)を各々5名ずつ検討

糖尿病前症・T2Dでは有意にRLD併存下時、息切れ増加
RLD有病率、糖尿病前症患者 9%、新規診断T2D 20%、長期T2D 27%で存在
RLDのリスク増加は長期T2Dで多く観察  (OR 5.82 [95% CI 1.71–20.5], p < 0.01)

RLDと糖代謝・アルブミン尿との相関性が示された p < 0.01
さらに、腎症の存在がRLDリスク増加と関連 (OR 8.57 [95% CI 3.4–21.9], p < 0.01) vs 非糖尿病

MDCTにおいて、ILDは4名の患者に存在し、6MwTはILDの広がりと相関し、T2D患者では線維化ILDの存在と相関する







米国では息切れの訴えは一般診療において25%程度、冠動脈性心疾患や心不全など心疾患由来は11%程度、他、急性慢性肺疾患が主な息切れの理由となる。主に喫煙原因のCOPDに加え、拘束性肺障害(restrictive lung disease : RLD)、例えば線維化間質性肺炎:fibrosing ILDがその原因として10万人年あたり19.36−34.34とされ比較的稀ははず。
デンマークでは非特異的線維性病変は 一般住民で7.5%も存在するとされ、定義や検査法などばらつきがあり、頻度報告もバラバラというのが実態だろう。
結合織疾患や過敏性肺臓炎、特発性間質性肺炎など原因がある。特発性肺線維症などは線維化を導く炎症性プロセス活性化を伴う持続性の上皮微小障害が病態の一つで、糖尿病関連プロセスでも存在する変化で、実際、T2Dにおける特発性肺線維症の予後悪化が報告されている。

参考:Front Med (Lausanne). 2017; 4: 123.
Case–control analyses performed in Japan, Mexico, and the U.K. estimated the prevalence of DM type 2 to be 10–33%, among individuals with IPF, which was significantly higher than that of matched control populations (18, 93, 113). These findings persisted after exclusion of individuals treated with systemic corticosteroid therapy, which is known to alter glucose levels (18, 93). Outcome data were not reported in these studies, so it remains unclear whether the presence of DM influences survival in patients with IPF.

肺機能上の拘束性障害だけでなく、息切れにまで検討拡大したことが意義深い報告だと思う

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