ただウィルス培養がなされてないため、RT-PCR陽性すなわち、virulenceやpathogenicity、伝播性を意味しないわけで・・・解釈は困難
トイレ周りの環境は意外と見逃されてるかも
とくに、不特定多数の利用する環境のトイレなど注意が必要かも
Air, Surface Environmental, and Personal Protective Equipment Contamination by Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 (SARS-CoV-2) From a Symptomatic Patient
Sean Wei Xiang Ong, et al.
JAMA. Published online March 4, 2020. doi:10.1001/jama.2020.3227
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2762692
2020年1月24日から2月4日まで、3名の患者が、シンガポールにあるSARS-CoV-2アウトブレイク・センターへ空気感染隔離室(1時間に12回換気する部屋、控え室と浴室あり)へ入室、26ヶ所の表面環境サンプル採取。
病室入室医師からのPersonal protective equipment (PPE)も採取
消毒加湿咽頭スワブを用いた
空気サンプリングを SKC 大学ポンプを使用し2日施行(37 mm フィルターカセットと 0.3-μmポリテトラエチレンフィルター 4時間 5L/分)を部屋と控え室で行い、室外で Sartorius MD8 microbiological sampler (gelatin membrane filterを用い15分 6 m3/h) 使用
RNA-dependent RNA polymerase and E genesターゲットのreal-time reverse transcriptase–polymerase chain reaction (RT-PCR) でSARS-CoV-2検出
サイクル閾値、すなわち、で、抗ウィルス付加を示唆するより低値として定量化したRT-PCRの閾値を横断する蛍光シグナルを必要とするサイクル数
サンプルは2週間のうち5日採取。
1名の病室はルーチン・クリーニング前に採取し、2名の患者の病室はルーチンクリーニング後採取
高度接触エリアの1日2回のクリーニングを sodium dichloroisocyanurate 5000ppmで施行
床は1000 ppmで毎日クリーニング
臨床データ(症状、罹病日数、RT-PCR結果)とクリーニングのタイミングを収集し、サンプリング結果と相関する
陽性比率を環境スワブ陽性の部屋として計算
より多施設となる研究の一部となることを施設のレビューボードがインフォームドコンセントを承認済
結果:
患者Aの部屋は罹病日day 4、day 10でサンプル採取し、この間はルーチンのクリーニング後、有症状。すべてのサンプルでは陰性。
患者Bはday 8で有症状、day 11では無症状;これら2日でクリーニング後採取したサンプルは陰性
患者Cはルーチンのクリーニング前に採取し結果陽性で、部屋の15ヶ所のうち13ヶ所(87%)で陽性で、5ヶ所のトイレットの場所の内3ヶ所(toilet bowl、シンク、ドア・ノブ)(60%)
控え室や廊下は陰性。患者Cは肺炎ではないが下気道症状あり、2回の便サンプルでSARS-CoV-2 RT-PCR陽性で、下痢症状はなかった。患者Cはウィルス排出大きく、サイクル閾値は鼻咽頭サンプルで 25.69、対して 患者A 31.31、患者B 35.33であった
shoe front 表面から、Personal protective equipment (PPE) swab1つのみ陽性他の全てのPPEでは陰性
すべての空気サンプルは陰性
ディスカッション:
軽度の上気道病変を伴う1人のSARS-CoV-2患者による広範な環境汚染がありました。便器と手洗い台のサンプルは陽性であり、便中のウイルス排出が伝播の潜在的な経路である可能性が示唆された。洗浄後のサンプルは陰性であり、現在の汚染除去対策で十分であることを示唆しています。
環境汚染の程度にもかかわらず、空気サンプルは陰性でした。排気口から採取された綿棒は陽性であり、ウイルスを含んだ小さな液滴が気流によって置き換えられ、通気口などの機器に堆積する可能性があることを示唆しています。靴のカバーはPPEの推奨事項の一部ではないため、陽性のPPEサンプルは驚くことではありませんでした。準備室と清潔な廊下での否定的な結果が示すように、汚染された履物から伝染するリスクは低い可能性があります。
この研究にはいくつかの制限があります。まず、生存率を示すためにウイルス培養は行われませんでした。第二に、アウトブレイク中の運用上の制限により、方法論に一貫性がなく、サンプルサイズが小さかった。第三に、サンプリングされた空気の体積は総体積のごく一部に過ぎず、室内の空気交換は空気中のSARS-CoV-2の存在を希釈することになります。これらの予備的な結果を確認するには、さらなる研究が必要です。
SARS-CoV-2患者による呼吸器の飛沫や糞便による著しい環境汚染は、環境が感染の潜在的な媒体として示唆されており、環境および手指衛生の厳格な遵守の必要性をサポートしています。
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