保険適用では「インターロイキン-6(IL-6): 全身性炎症反応症候群の患者(疑われる患者を含む。)の重症度判定の補助を目的として測定した場合に、一連の治療につき2回に限り算定する。」
故に、日本では
以下の4項目のうち2項目以上を満たすときSIRSと診断する。臨床的で簡便であり迅速に診断が可能であるため,重症患者のスクリーニングとして広く浸透している。①体温<36℃または>38℃。②脈拍>90回/分。③呼吸数>20回/分,あるいはPaCO2<32 Torr。④白血球数>12,000/mm3,あるいは<4,000/mm3,または10%を超える幼若球出現。
これが現状適応となる
Baseline IL-6 is a biomarker for unfavourable tuberculosis treatment outcomes: a multisite discovery and validation study
Akshay N. Gupte, et al.
European Respiratory Journal 2022 59: 2100905; DOI: 10.1183/13993003.00905-2021
https://erj.ersjournals.com/content/59/4/2100905?rss=1
【背景】 新薬やレジメンの開発を促進するために、結核治療の予後不良を示すバイオマーカーが必要とされている。血漿中サイトカインレベルが結核治療の好ましくない結果を予測できるかどうかは不明である。
【方法 】インドの薬剤感受性肺結核の成人患者において、事前に選択した20種類の血漿炎症マーカーと治療失敗、再発、全死亡という好ましくない治療成績との関連を明らかにし、内部で検証した。インドと南アフリカの主に糖尿病とHIVに感染した結核患者の2つの独立したコホートにおいて、それぞれこれらの知見を外部で検証した。
【結果】】発見解析では、治療前のインターフェロンγ、インターロイキン(IL)-13、IL-6が治療失敗と関連していた。内部検証では、治療失敗例では対照と比較して治療前のIL-6濃度が高いことが確認された。糖尿病の結核患者を主な対象とした外部検証では、治療前のIL-6濃度とその後の再発および死亡との間に関連性が認められた。同様に、主にHIVに感染している結核患者の外部検証では、治療前のIL-6濃度とその後の治療失敗および死亡との間に関連があることがわかった。
インドと南アフリカの検証コホートの結核患者 363 例のプール解析では,治療前の IL-6 濃度が高いことは,失敗(調整済み OR(aOR)2.16,95% CI 1.08-4.33,p=0.02), 再発(aOR 5.36,95% CI 2.48-11.57,p<0.001) および死亡(aOR 4.62,95% CI 1.95-10.95,p<0.001 )のリスクの上昇に関連することが示された.低体重指数,高塗抹標本グレード,空洞からなるリスク予測モデルにベースラインのIL-6を追加すると,モデルの性能が15%向上した(C-statistic 0.66 vs 0.76;p=0.02).
【結論】 治療前のIL-6は、好ましくない結核治療成績のバイオマーカーである。今後の研究では、ポイントオブケアでのリスク予測に最適なIL-6濃度を特定する必要がある。
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