2012年2月16日木曜日

痙攣重積:病院収容前ミダゾラム筋注 vs ロラゼパム静注比較

病院収容前に、パラメディックスの手によるベンゾジアゼピン剤静注により痙攣停止をさせておくことが、 患者のアウトカム改善と相関する。RCTとして、Prehospital Treatment of Status Epilepticus (PHTSE) trial (ClinicalTrials.gov number, NCT00004297)により、ジアゼパム、ロラゼパム、プラシーボ比較にて、収容前治療の有効性が示された(N Engl J Med 2001; 345:631-637)。ベンゾジアゼピンのプラシーボ比較の優秀性が示され、収容前痙攣終了比率は、静注ロラゼパム 59%、 静注ジアゼパム 42.6%、プラシーボ21.1%でった。

EMSでは、静注より筋注の方が治療開始が早くて済む。ミダゾラム投与の普及している。


ということで、病院収容前ミダゾラム筋注 vs ロラゼパム静注比較トライアルということらしい


Intramuscular versus Intravenous Therapy for Prehospital Status Epilepticus

Robert Silbergleit, M.D., Valerie Durkalski, Ph.D., Daniel Lowenstein, M.D., Robin Conwit, M.D., Arthur Pancioli, M.D., Yuko Palesch, Ph.D., and William Barsan, M.D. for the NETT Investigators

N Engl J Med 2012; 366:591-600 (February 16, 2012)

ベンゾジアゼピン剤投与で、遷延したけいれんを早期停止することでアウトカム改善をもたらす。
病院収容前でのパラメディックスによる迅速・確実な筋肉注射投与が増加している。

二重盲検非劣性トライアル:パラメディックス処置痙攣重積状態に対する、ミダゾラム筋注 vs ロラゼパム静注

5分を超え、さらにパラメディックス到着時痙攣状態持続時

プライマリアウトカムは、ED到着時のレスキュー治療必要なし痙攣がないこと
セカンダリアウトカムは、気管内挿管、痙攣再発、重積終了に対する治療のタイミング

ED受診時、レスキュー治療なしの痙攣は
ミダゾラム筋注 329 / 448  (73.4%) vs ロラゼパム静注 282 / 445 (63.4%)
(絶対差, 10 %; 95% 信頼区間, 4.0 to 16.1; P<0.001 for both noninferiority and superiority).


2つの治療群は、気管内挿管必要性  (ミダゾラム筋注 14.1%、ロラゼパム静注 14.4%) と、痙攣再発 (11.4% and 10.6%).で同等。

ED到着前痙攣終了例のうち、積極治療までの時間中央値は、ミダゾラム筋注群で1.2分、ロラゼパム静注群4.8分、痙攣終了までの時間中央値はそれぞれ、3.3分、1.6分

副作用イベントは2群同等。


痙攣重積状態でのミダゾラム筋肉内投与は、静注ロラゼパムと同等に、安全で・有効。






日本に於ける、てんかん痙攣発作に対する、救急救命士によるプレホスピタル処置・・・

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