2012年4月6日金曜日

医療過誤訴えに対応するコスト:defense cost 診療科間比較

医療訴訟、即、医療側敗訴=医療側支払いってわけではない。訴えられた時点で、民事訴訟では敗訴側が裁判コストを弁済するといっても、医療側も、間接・直接コストが生じる。

米国の場合なので、詳細は不明だが、医療過誤訴えがあった場合、それに対応するコストを、勝訴・敗訴ともに分析


 Defense Costs of Medical Malpractice Claims
N Engl J Med 2012; 366:1354-1356 April 5, 2012

 Mean Defense Costs of Paid and Unpaid Malpractice Claims, According to Physician Specialty.
 医療過誤訴訟の訴え、則ち、defense costに関し、米国内データは少ない。
専門家毎のばらつきに関しても未知だった。このdefense costは米国内では医療コスト引き上げと直結していることは米国内では明らか。


訴えに対し、支払いコストと無支払いコストを分けて、防御コストとして表記。
平均(±SD)コストは$22,959±41687。
医療側敗訴(支払いあり)と医療側勝訴(支払い無し)場合、それぞれ、$45,070 vs. $17,130, P<0.001

損害賠償を求められなかった場合の平均defense costはあらゆる分野で少なかったが、それでも、分野によりばらつき、腎臓では$7,283から産科の$25,073までばらつきがある。
損害賠償有責有無間の相関は少ないが相関性あり (0.39).

損害賠償支払いとなった場合のコストは高いが、結果的には、損害賠償がないとされた場合もかなりのコストに登っている。さらに、専門科目毎のコストのばらつきがあり、過誤訴えの頻度、サイズは必ずしも同様でない。

このコストを減らすことは、保険者、医師にとっても、節約になる。






日本では、曖昧なままにされているが、間接的なコスト増加となっている。たとえば、産科事故に対する異常なまでの批判は、結果的に産科医療を衰退させ、産科医の寡少性を進行させ、人材コストの高騰をまねている。

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note