2012年6月27日水曜日

減量効果比較: 標準行動介入 vs 段階的ケア介入

標準的行動減量介入:standard behavioral weight loss intervention (SBWI)と、段階的ケア減量介入: stepped-care weight loss intervention (STEP)の減量介入効果比較


SBWIに比べ、STEP安価で効果的な減量介入できそうだという結論


Effect of a Stepped-Care Intervention Approach on Weight Loss in AdultsA Randomized Clinical Trial
John M. Jakicic,  et. al.
JAMA. 2012;307(24):2617-2626. doi:10.1001/jama.2012.686

stepped-care weight loss intervention (STEP) 
vs
standard behavioral weight loss intervention (SBWI) 


STEP 群は、接触回数・接触法種類、他の減量戦略を3ヶ月間の減量到達度に応じて修正
減量目標は3ヶ月で5%、6ヶ月で7%、9ヶ月で10%、12、15、18ヶ月時点で10%



363名の過体重・肥満成人(BMI 25超-40まで、非白人33%、18-55歳、83%女性)をランダム化

SBWT:n=165、STEP:ん=198

363名をランダム化
18ヶ月間平均体重測定可能 260(71.6%)

18ヶ月介入
SBMI群: 93.1 kg (95% CI, 91.0~95.2 kg) → 85.6 kg (95% CI, 83.4~87.7 kg) (P < .001)
STEP群:92.7 kg (95% CI, 90.8~94.6 kg) → 86.4 kg (95% CI, 84.5~88.4 kg)(P < .001)

ベースラインから18ヶ月のパーセント変化はSBWI群 −8.1% (95% CI, −9.4%~−6.9%) in the SBWI group (P < .001)で、STEP群  −6.9% (95% CI, −8.0%~−5.8%) (P < .001)


18ヶ月体重群間差は有意差なし (−1.3 kg [95% CI, −2.8~0.2 kg]; P = .09)だが、群×時間 interaction effectに有意差有り  (P = .03)
登録者あたりのコストは、SBWI群 $1357 (95% CI, $1272~$1442)、STEP群 $785 (95% CI, $739~$830) (P < .001)

両群とも有意で、比較可能な、安静児心拍の改善、血圧の改善、運動能力の改善が観られた


Transition Across Weight Loss Steps in Stepped-Care Weight Loss Intervention



体重減少分布





こういう報告をみると思うのだが、日本でも、メタボ検診などで、減量介入するなら当然コスト解析すべきなのだろう。役人さんたちや学者さん達の策定した行政施策 ってことごとく、リアルな人的コストや個別負担をむしして、アウトカム分析恣意的におこなったものだらけで、税金や国民負担分を垂れ流しする・・・

2012年6月26日火曜日

2009年新型インフルエンザ死亡数はじつは15倍多い、28万人

2009 H1N1インフルエンザパンデミック死亡数は、従来報告されていた1万8500名より多い15倍多い28万名であることが分かったと、CDCの研究者たちの報告。


Estimated global mortality associated with the first 12 months of 2009 pandemic influenza A H1N1 virus circulation: a modelling study
Fatimah S Dawood , et. al.
The Lancet Infectious Diseases, Early Online Publication, 26 June 2012

【メタアナリシス】 スタチン二次予防:女性では卒中、全原因死亡率減少効果認めず

スタチンは男女で同様に、心血管と同様、脳血管イベントや全死亡率に予防効果があるか?

・・・答えは No!


このエビデンスを臨床実地上、どのように適応するかは、議論が必要だが、
女性においては、二次予防でさえ、卒中・全死亡率に関してその臨床的意義認めないということは、女性において、一次予防を含め、スタチンのあり方を再構築する必要があるのでは?


スタチンの心血管イベント抑制作用は確立しているが、男女で同等なのかは不明。
この目的は男女で心血管イベント再発に関して同等なのか検討。

スタチンは心血管イベント二次予防としては、男女同等だが、女性において、卒中と全原因死亡率でのベネフィットは認めない。

Statin Therapy in the Prevention of Recurrent Cardiovascular EventsA Sex-Based Meta-analysis
Jose Gutierrez, et. al.
Arch Intern Med. 2012;172(12):909-919. 
Review Article  June 25, 2012

心血管イベント二次予防のためのスタチン評価ランダム化二重盲検プラシーボ対照化トライアル

11トライアル、43193名の患者で検討。

スタチン治療は、心血管イベントリスク減少と相関
女性:relative risk [RR], 0.81 [95% CI, 0.74-0.89])
男性:RR, 0.82 [95% CI, 0.78-0.85]


しかし、女性vs男性での全原因死亡減少認めず RR, 0.92 [95% CI, 0.76-1.13] vs RR, 0.79 [95% CI, 0.720.87]) 、卒中でも認めず (RR, 0.92 [95% CI, 0.76-1.10] vs RR, 0.81 [95% CI, 0.72-0.92])。





図2 全心血管イベント (心 and/or 脳血管疾患).
Risk ratios are based on the fixed Mantel-Haentzl test analysis.



図3 全原因死亡率



図4 全卒中(致死的 or 非致死的)


2012年6月25日月曜日

シムビコート:SMART法 維持・発作時同一製剤使用法 解禁

シムビコート(ブデソニド:BUD/ホルメテロール:FOM)の用量自家判断戦略 SMART
Budesonide/Formoterol Maintenance Plus Reliever Therapy
A New Strategy in Pediatric Asthma
Hans Bisgaard, et. al. 
CHEST December 2006 vol. 130 no. 6 1733-1743

参考: シンビコート発売記念:シンビコート vs アドエア 2009年 11月 27日



Review  : Single maintenance and reliever therapy (SMART) of asthma: a critical appraisal
Thorax doi:10.1136/thx.2009.128504 
二重盲検トライアルでは、SMART法によるBUD/FOM治療でBUD単剤より喘息アウトカム良好で、BUD/FOM治療投与量を少なくできることが示された。
SMART治療患者の喘息アウトカムは不良で、SMART法でコントロールされた率は17.1%とかなり比率は少ない。6-12ヶ月管の7つのトライアルで、 quick reliever 使用荷重平均回数は、0.92吸入/日で、7-10日に1回喘息症状自覚(荷重平均日数比 11.5%)、半日以上喘息症状有り(荷重比率 54.0%)、重症増悪比率は、年間5人に1人(加重平均 重症増悪 0.22/人・年)。アウトカムが悪いのは、重症患者の登録が多いことを反映している。
ベースラインからの改善は 電子デバイスを検討しておらず、コンプライアンスと自家調整との関連も検討されてない。
しかし、現時点で、時々刻々変わる症状に基づくICS/LABA使用が果たして、通常の、医師主導モニター&補正ICS/LABAに比較して治療アウトカムが優秀かどうかは不明。
まだまだ、課題の多い使用法だと思う



思いつくだけで・・・
・ 患者の自覚症状にすべてお任せして治療を決める危険性
・ 最大吸入量に「保険上のしばり」のため、重症ほどレスキュー使用許容量少ない、軽症ほどレスキュー使用許容量多いという矛盾、そして、重症患者投与量である1日8吸入量では レスキュー使用分存在市内という矛盾
・ この薬剤を、レスキュー使用だけを行う危険性
・ コントローラーとレスキュー使用の概念崩壊
SMART療法を根拠とする患者群は比較的重症である。故に、重症患者にしぼってSMARTを認めるのが論理的と思うのだが・・・上記ごとく実は使用できないという矛盾

いったい、このへんな用法用量どうすんだよ





シムビコートタービュヘイラー30吸入/シムビコートタービュヘイラー60吸入

効能・効果

気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)

**効能・効果に関連する使用上の注意

本剤は吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用による治療が必要な場合に使用すること。

**用法・用量

通常、成人には、維持療法として1回1吸入(ブデソニドとして160μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として4.5μg)を1日2回吸入投与する。なお、症状に応じて増減するが、維持療法としての1日の最高量は1回4吸入1日2回(合計8吸入:ブデソニドとして1280μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として36μg)までとする。
維持療法として1回1吸入あるいは2吸入を1日2回投与している患者は、発作発現時に本剤の頓用吸入を追 加で行うことができる。本剤を維持療法に加えて頓用吸入する場合は、発作発現時に1吸入する。数分経過しても発作が持続する場合には、さらに追加で1吸入 する。必要に応じてこれを繰り返すが、1回の発作発現につき、最大6吸入までとする。
維持療法と頓用吸入を合計した本剤の1日の最高量は、通常8吸入までとするが、一時的に1日合計12吸入(ブデソニドとして1920μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として54μg)まで増量可能である。


 


処方例を考えてみた(この通り処方しても支払機関が認めるかどうかは知らないけど・・・)


ちょっと、注意したいのは、 定期吸入と屯用吸入は、別途処方記載が必要という説明を受けた



14/15日間処方
Rx)
 定期吸入:1日2吸入例
・ シムビコートタービュヘラー30吸入 1本 1日2回1吸入
・ シムビコートタービュヘラー30吸入 1本~3本(シムビコートタービュヘラー60吸入 2本という選択も?) 発作時1吸入(1日6吸入まで)

定期吸入:1日4吸入例
・ シムビコートタービュヘラー30吸入 1本 1日2回2吸入
・ シムビコートタービュヘラー30吸入 1本(シムビコートタービュヘラー60吸入 1本という選択も?) 発作時1吸入(1日4吸入まで)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
30日間分処方する場合

 定期吸入:1日2吸入例
・ シムビコートタービュヘラー60吸入 1本 1日2回1吸入
・ シムビコートタービュヘラー60吸入(状況によってはシムビコートタービュヘラー30吸入) 1本~3本 発作時1吸入(1日6吸入まで)

定期吸入:1日4吸入例

・ シムビコートタービュヘラー60吸入 2本 1日2回2吸入
・ シムビコートタービュヘラー60吸入(状況によっては、シムビコートタービュヘラー30吸入) 1本~2本 発作時1吸入(1日4吸入まで)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Rescue useを最大限認めると、定期吸入使用量を凌駕することとなる。
 アストラゼネカ/アステラスの配付資料には実際その通り書いてあるし・・・



シムビコートSMART法導入には、喘息治療の概念を患者・家族がしっかり理解する必要がある 。
もちろん、処方する医師側の理解が大事なのはいうまでもないが・・・

喉頭下降: laryngeal descentは閉塞型無呼吸と関連

日本人無呼吸症候群:無呼吸は喉頭の位置が低くなるほど重症 2011年 10月 21日

声帯までの気道長:ALVC(airway length to vocal cord )

論文の図1に測定項目が図示されている(著作権上のうんぬんがあるので・・・ご容赦)

ALVCは、"Hard palateからVolcal cord"まで。プレーンのレントゲンで十分評価できる。

Is Laryngeal Descent Associated With Increased Risk for Obstructive Sleep Apnea?
Yoshihiro Yamashiro, et. al.
CHEST June 2012 vol. 141 no. 6 1407-1413 
喉頭部がより低位(尾側)になるほど上気道虚脱区間が長くなる。
閉塞型無呼吸リスク増加と関連性に関する仮説。
上気道を上気道から声帯までを測定と、SVT(声帯気道)の水平・垂直面セグメントを多スライスCTで評価

airway length (AL)
airway length to vocal cord (ALVC)
ALVC-AL, horizontal segment of SVT (SVTH)
vertical segment of SVT (SVTV)


男性は、女性より、ALVが長く、AL、ALVC、SVTRは有意に年齢とAHIに相関。
ロジスティック解析にて、ALVC > 0.24(OR 4.2;CI、2.3-7.5)、BMI>25(OR、4.8;CI、2.7-8.5)は、AHI>30の予測要素となる。

BMI補正後のALVCの影響は残存。

図3のALVC、AHI分布図をみるとばらつきが大きい様に思う。

電子タバコ(e-Cigarette)は即時的に、気道へ生理的悪影響を与える



電子タバコ(e-Cigarette)は即時的に、気道へ生理的悪影響を与える。


Short-term Pulmonary Effects of Using an Electronic Cigarette
Impact on Respiratory Flow Resistance, Impedance, and Exhaled Nitric Oxide
Constantine I. Vardavas, et. al.
CHEST June 2012 vol. 141 no. 6 1400-1406 


方法: 30名の健康喫煙者(19-56歳、14名男性)被験者
カートリッジつきの電子タバコをアドリブ使用5分 (実験群, n=30)とデバイス除去使用(対照群, n=10)評価

結果: 電子タバコ5分単回使用で、FEnoは2.14 ppb減少(P=0.005)するが、対照群では減少せず(P=0.859)
総呼吸インピーダンス(5Hz)では実験群で0.033kPa(L/s)増加(P<.001)、フロー呼吸レジスタンス(5Hz、10Hz、20Hz)は共に増加。


ベースライン指標補正回帰分析

Feno 減少
 
インピーダンス増加 :  0.04 kPa/(L/s) (P = .003)

呼吸抵抗 
 5 Hz  0.04 kPa/(L/s) (P = .003),
10 Hz 0.034 kPa/(L/s) (P = .008)
20 Hz 0.043 kPa/(L/s) (P = .007)

全末梢気道抵抗  (β, 0.042 kPa/[L/s]; P = .024)




電子たばこ:インターネットによる急速普及と問題点 2010年 11月 02日

”電子たばこ”を有害性の説明無くメディアで扱って良いのか? 2008年 12月 08日

FDAは電子タバコを”たばこ”として規制をかけるつもりらしい 2011年 04月 26日

2012年6月23日土曜日

糖尿病の有無より、CKDの存在は、心筋梗塞発症に対する影響が大きい

CKDの有無は冠動脈リスクとして 糖尿病に匹敵か、それ以上という結論


Risk of coronary events in people with chronic kidney disease compared with those with diabetes: a population-level cohort study
Marcello Tonelli, et. al.
The Lancet, Early Online Publication, 19 June 2012

eGFR・蛋白尿測定住民ベースコホート研究
フォローアップ中央値48ヶ月(IQR 25-65ヶ月)で、 11 340 / 1 268 029 名(1%) が心筋梗塞入院 
心筋梗塞非補正発生率は、心筋梗塞既往者で最も多い(1000人年あたり 18.5、95%信頼区間 17.4-19.8)


心筋梗塞既往の無い場合、心筋梗塞発生率は糖尿病患者(CKD無し)では、CKD患者比較で少ない (糖尿病無し ; 5·4 per 1000 人年, 5·2—5·7, vs 6·9 per 1000 人年, 6·6—7·2; p<0·0001)

糖尿病患者心筋梗塞発生率は、CKD(eGFR< 45 ml/min/1.73m2 ・重症蛋白尿症例)に比べ、実質的に少ない(6·6 / 1000 人年, 6·4—6·9 vs 12·4 / 1000 人年, 9·7—15·9)

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note