2013年9月10日火曜日

死亡前2年間の介助必要身体障害頻度:高齢ほど多く、女性に多い

米国は人口減少・高齢化の問題を移民で薄めてはきたものの、やはり、高齢者の介助必要状況の問題が浮かび上がってきている。
http://newoldage.blogs.nytimes.com/2013/07/08/high-disability-rates-persist-in-old-age/?_r=0





Disability During the Last Two Years of Life
Alexander K. Smith, M , et. al.
JAMA Intern Med. 2013;173(16):1506-1513. doi:10.1001/jamainternmed.2013.8738.

死亡前2年間の、着衣・脱衣、入浴、食事、移動・移乗、居室内移動、トイレ移動といった日々の生活に手助け必要する状況である障害の状況報告

米国内調査で、8232名、平均年齢 [SD] 79[11]、女性 52% 
死亡前2年間の障害出現比率は28%(95% CI, 24%-31%)
死亡前1ヶ月間の頻度は56%(95% CI, 52%-60%)

高齢死亡では、死亡前2年間の、より障害頻度多く、50−69歳 14%、 70−79歳 21%、 80−89歳 32%、 90歳以上 50% p < 0.001 
年齢補正後、女性で、死亡前2年間の障害頻度が多い ( 32% [ 95% CI, 28-36%] vs 21% [95%CI, 18%-25%] p < 0.001)


障害と死亡率の関連性は相互的であり、死亡前の身体状況では、自立に対し手助けが必要な状況となる蓋然性は高い。そのための介護保険ではあるが、日本では認知症に特化した、いびつな介護判定と給付の矛盾を感じることが多い。


骨粗鬆症椎体骨折への脊椎強化治療への効果報告は選択バイアスが多く、効果不明

spinal augmentation、脊椎強化治療で、具体的には、椎骨形成術(kyphoplasty)や椎体形成術(vertebroplasty)のこと

骨粗鬆症椎体骨折への脊椎強化治療への効果報告は選択バイアスが多く、効果不明

Major Medical Outcomes With Spinal Augmentation vs Conservative Therapy
Brendan J. McCullough,  et. al.
JAMA Intern Med. 2013;173(16):1514-1521. doi:10.1001/jamainternmed.2013.8725.

【重要性】
骨粗鬆症椎体圧迫骨折へのspinal augmentation (vertebroplasty or kyphoplasty) の症状へのベネフィットは議論様々。医療支払い住民ベース研究にて保存治療に比べ、spinal augmentationによる死亡率有意減少の報告がある。しかし、非ランダム化状況であり、選択バイアスの可能性があり、結果に影響を与えていると考えられる。

【目的】  骨粗鬆症椎体骨骨折治療としてのspiral augmentationと保存治療の重大医療アウトカム比較。付加的に、施行前アウトカムを用いた選択バイアスの評価及びpropensity score analysisを行った。

【デザイン・セッティング・被験者】   椎体骨骨折新規診断のメディケア報酬請求後顧的解析(2002-2006 年)、30日、1年アウトカムを比較
・spinal augmentation (n = 10 541)
・保存治療 (control group, n = 115 851)
アウトカム比較は、患者住民統計指標補正・合併症状況補正の従来の多変量解析
9017対マッチ化propensity scoreを検討し、同じアウトカムを比較

【介入暴露】   Spinal augmentation (vertebroplasty or kyphoplasty) vs 保存治療

【主要アウトカム・測定項目】   死亡率、 重大合併症、医療リソース利用

【結果】   既存共役因子補正後、対照群より、augmented群で、有意に、死亡率低い (5.2% vs 6.7% at 1 year; ハザード比, 0.83; 95% CI, 0.75-0.92)
しかし、介入する以前のaugmented群患者群、すなわち、施行前サブグループ群と呼び、この群では、医学的合併症率が、対照群に比べ、骨折後30日間で少ない (6.5% vs 9.5%; odds ratio, 0.66; 95% CI, 0.57-0.78)、これは、医学的重症度が元々低かったことを意味する。

より選択バイアス斟酌したpropensity score後、1年死亡率は両群で有意差認めなくなる。
さらに、1年後重大医学合併症は2群同様で、医療リソース(入院、ICU利用、高次ナーシング施設)利用は増える。

【結論・知見】  選択バイアス斟酌後、spinal augmentationでは、死亡率改善認めず、重大医学的アウトカム改善も認めない。それどころか、医療リソース利用が増加する。
これは、診療報酬要求データ解析にて、認知されてない寄与要素補正後ミスリーディング結論に着眼した結果の報告である。



日本の診療報酬体系もこれくらいの寄与要素補正したデータで検討しなきゃ・・・

整形・運動系機能的疾患治療・診断にも、選択バイアスが深く関与した知見が多い

離乳補助食品って・・・意味が無い

4ヶ月齢以降を狙いとした甘味・ソフト・スプーン食が、英国の乳児食マーケットとして跋扈しているらしい。これらは栄養の密度増加されておらず、味覚・内容も乳幼児食としてはふさわしくないという結論。

甘み強調され、栄養的付与ベネフィットは少ない。
400を超える補完固形食の検討の結果
ソフト・スプーン食 79%
甘みづけ 65%
母乳と同様のエネルギー密度(282KJ/100G VS 283 KJ/G)

さらに、製品取り扱いの会社は、4ヶ月での付与宣伝しているが、実際には離乳期であり、意味が無い。既成離乳食は栄養付加の意味がなく、単に年齢に応じて離乳を勧めるべきと研究者。

Garcia AL, et al "Nutritional content of infant commercial weaning foods in the U.K." Arch Dis Child 2013; DOI: 10.1136/archdischild-2012-303386.
http://press.psprings.co.uk/adc/september/adc303386.pdf


乳がん検診:若年推奨へ?

現行・米国では、高リスク以外では、50歳以降の女性に、50−74歳女性に対し隔年と推奨となっている。

ハーバード大学、 Blake Cadyらは、7301名の乳がん症例、2007年までフォロー
死亡例509名のうち、71%が定期乳がん検診を受けてなかった。50歳未満で50%が乳がん死し、13%が70歳以降。診断年齢中央値は49歳で、他のがんの診断年齢中央値は72歳。

40歳以上で毎年定期マンモグラフィー検査うけることが最大のベネフィットをもたらすという主張。

the Journal Cancer誌 9月9日オンライン掲載

ただ、米国癌学会Press Releaseにも書かれてない

U.S. study urges more breast cancer screenings in younger women
English.news.cn   2013-09-10 05:37:35
http://news.xinhuanet.com/english/health/2013-09/10/c_125354919.htm


foxnews:
http://fox4kc.com/2013/09/09/study-suggests-mammograms-for-women-under-50/


日本のマスメディアってのは、暴走するのが定番。TBSの映画宣伝が一番ひどかったが、若年女性でも乳がん検診推奨しているかのごとき、テレビ番組が続いていた。検診若年化がた年齢層別化の話全くなく、質の低い情報の垂れ流しが続くテレビ・ラジオ・・

総務省がちゃんと仕事してないから

2013年9月9日月曜日

肺機能急激減少例はCOPDリスク要素で、ACE阻害剤で防御的?

ACE阻害剤は咳嗽という副作用があるが、一秒量減少に対して防御的に働き、心血管疾患・高血圧・糖尿病合併の場合ほどのその防御効果朗かというのは興味ぶかい。一つの可能性は左室機能障害への好影響であるが、この報告では、FVC減少とは相関無く、一秒量との関連性のみ示されており、非閉塞性肺疾患への影響ではない。Angiotensin IIが肺で高濃度で有り、何らかのproinflammatoryな影響を与えている可能性がある。


Rapid Lung Function Decline in Smokers is a Risk Factor for COPD and is Attenuated by ACE Inhibitor Use
Hans Petersen,  et. al.
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-0799

喫煙はCOPDの最も重要な原因だが、ホスト要素に関しては、FEV1急激減少との関係、COPD発症リスクに関係は不明。FEV1減少例と他の例でCOPDリスクを比較し、急激減少者への薬物の影響を検討する

最低3年繰り返しスパイロメトリー施行長軸的Lovelace Smokers Cohort、平均フォローアップ5.9年間

急激低下( > 30 ml/年)、 通常減少 (0-29.9 ml/年)、 無減少(>0 ml/年)で分類


急速低下例、32%。
ベースラインでスパイロメトリー異常のない喫煙経験者において、FEV1急激低下群は、COPD発症のリスク増加と相関。

ベースラインでのACE阻害剤使用は、急激減少に予防的影響有り、特に、心血管疾患、高血圧、糖尿病合併の場合(OR 0.48; 0.48-0.12; p 0.02以下)

電子タバコ:禁煙補助具としての優越性はっきりせず ・・・ 

電子タバコ e-cigaretteに関する話題を見聞きするようになった。米国では、喫煙者5名に1人がこれを使用しているという状況。日本でも、軽薄なマスコミやお笑い吉本タレントが当初禁煙補助としてあおったことがあり、確実にひろがってる印象をもつ。

E-Cigs: Is It Safe to Vape?
http://www.medscape.com/viewarticle/809967
米国FDAのデータから、電子タバコ上記にはpolyethylene glycolが含まれ、これは、発がん性・毒性化学物質であり、すくなくとも2種の電子タバコから検出されている。さらに、Tabacco Cotrol誌上の報告では、通常タバコに比べ9−450倍低レベルだが毒性物質が含まれる。CDCは電子タバコが禁煙補助道具となり得るかは不明としている。
・Goniewicz ML, Knysak J, Gawron M, et al. Levels of selected carcinogens and toxicants in vapour from electronic cigarettes. Tob Control. 2013 Mar 6. [Epub ahead of print]

Lancetの報告でもやはり電子タバコの禁煙補助としての優越性は不明のままであった。

なぜか、Medpageでは、禁煙補助に役立つかもしれないという肯定的コメントになっているが、原文では決して肯定的ではない!

Electronic cigarettes for smoking cessation: a randomised
controlled trial
Published OnlineSeptember 7, 2013
 http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(13)61842-5
http://download.thelancet.com/flatcontentassets/pdfs/PIIS0140-6736(13)61842-5.pdf
18歳以上、禁煙希望者へのプラグマティック・ランダム対照化優越性トライアル
人種・性別・ニコチン依存レベル層別化
ニコチン 16mg、電子タバコ、ニコチンパッチ 4 : 4 : 1とプラシーボ電子タバコ(ニコチン含有せず)
プライマリアウトカムは、生化学的に6ヶ月間禁煙状態確認(eCO < 10 ppm)
647名をランダム化
・ニコチン入り電子タバコ 289
・ニコチンパッチ 295
・プラシーボ電子タバコ 73
ITT解析にて、禁煙状態確認比率 それぞれ 7.3%(21/289)、 5.8%(17/295)、 4.1%(3/73)
(risk difference for nicotine e-cigarette vs patches 1·51 [95% CI –2·49 to 5·51]; for nicotine e-cigarettes vs placebo e-cigarettes 3·16 [95% CI –2·29 to 8·61])
筋0,
対ニコチンパッチ・プラシーボ電子タバコ比較しての、ニコチン電子タバコの禁煙達成率の優越性、検出パワー必要未満で、十分な優越性を見いだせなかった。
副事象に関する有意差認めず(137 vs 119 vs 36)


結論としては、電子タバコは、ニコチン含有有無関連無く、禁煙補助効果はあるものの限定的。短期的副作用は少ない。たばこコントロール状の電子タバコ使用に関して意義いまだ明確でない。包括的ベネフィットや有害性を個別・集団レベルで検討が必要。



某禁煙学会のなんたら長とよばれるひとが、電子タバコを禁煙補助具としてまぁいいじゃないかという、エビデンスに基づかない主張をしてるのを目にしたことがあるが・・・この「学会」ってホントに・・・

2013年9月8日日曜日

胸水:滲出性診断 LDH → SF-A → SF-P



Improving the predictive accuracy of identifying exudative effusions
Carlos E. Kummerfeldt, et. al.
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1142


多変量解析にて
・ LDH (odds ratio 14.09 [95% CI, 2.25 〜 85.50])
・ SF-A (odds ratio 7.16 [95% CI, 1.24 〜 41.43])
・ SF-P gradients (オッズ比 6.83 [95% CI, 1.56 〜 27.88])
 AUC of 0.92 (95% CI, 0.85 to 0.98)


HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...