2014年1月7日火曜日

瞑想:システマティック・レビュー&メタアナリシス:臨床医は、臨床上その限界とともに、効果も認識しておく必要がある

瞑想といっても、エビデンスレベルで検討できるのは、マインドフルネス瞑想プログラムが主なようだ。

マインドフルネスやacceptance-based therapy
参照:http://kiui.jp/pc/clinical/kiyou/data/pdf2010/02_2.pdfといったアプローチは、無欲思想への非判断的姿勢、回避や変化を求めないであるがままに経験すること( nonjudgmental attention to unwanted thoughts feelings, and bodily experiences without attempting to avoid or change them )といったことの重要性をadvocateするもの。

サティ(パーリ:sati、サンスクリット:smṛti、漢訳:「念」、英語:mindfulness)は、仏教の瞑想の実践における重要な概念のひとつ。対象に価値判断を加えることなく、中立的な立場で注意を払うことを意味し、仏教における瞑想の主要な技術の一つである。;参考wiki
マルティン・ハイデッガー(Martin Heidegger)執筆「マインドフルネス(Mindfulness)」は1938/39年で、Friedrich Wilhelm von Herrmannにょり編集され、歴史的にも長い間検討された手法。


うつ、不安、疼痛へは一定程度のエビデンスが示されている。

Meditation Programs for Psychological Stress and Well-being
A Systematic Review and Meta-analysis
Madhav Goyal,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online January 06, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2013.13018

【研究意義】  多くのヒトは、心理学的ストレスとストレス関連医療問題軽減のために瞑想をする。適切に家運セルするため、臨床家は、エビデンスによる瞑想の健康ベネフィットの記載を知っておく必要性がある。

【目的】  ストレス関連アウトカム(不安、うつ、ストレス/distress、陽性気分、メンタル健康関連QOL、注意、薬物使用、食事習慣、睡眠、疼痛、体重)改善目的の瞑想プログラムの有効性検証を様々な臨床上の成人を対象に検証

【エビデンスレビュー】 プラシーボ効果をactive controlとしたランダム化臨床トライアルを同定(November 2012 from MEDLINE, PsycINFO, EMBASE, PsycArticles, Scopus, CINAHL, AMED, the Cochrane Library,  hand searches)

2名の独立したレビューアが引用をスクリーン、データ抽出。 4つのドメイン(bias risk、precision、 directness、consistency)を使用しエビデンス強度を分け、ベースラインからの変化を群別の相対的差として計算し、有効性の強度と方向性とする。
可能なら、標準化平均値差(SMD)を用い、メタアナリシスし、95%信頼区間のeffect sizeを推定。 

【結果】  18,753引用後、47トライアル3515名登録者。

マインドフルネス瞑想プログラム
・中等度のエビデンス(effect size)
  • 不安:8週後 0.38 [95% CI, 0.12-0.64]、  3〜6ヶ月後 0.22 [0.02-0.43] )
  • うつ:8週後 0.30 [0.00-0.59] 、 3から6ヶ月後 0.23 [0.05-0.42]
  • 疼痛: 0.33 [0.03- 0.62])
・低エビデンスでは、ストレス/distress改善、メンタルヘルス関連QOLの改善

陽性気分、注意、薬物使用、食習慣、睡眠、体重に関しては、効果のエビデンス少ないか、不十分なエビデンス

瞑想プログラムが、他のactiveな治療(例:薬物、運動、行動療法など)より良好であるというエビデンスは存在しない

【結論と知見】  臨床医は瞑想プログラムは多次元的なネガティブな次元の心理的ストレス軽減のため、軽度から中等度の効果を認めるということを認識すべき。
心理的ストレスに着眼した瞑想プログラムはありえる存在で、その役割を患者に話す準備をしておくべき。より強固なデザインの研究で、瞑想プログラム効果がメンタルヘルスやストレス関連行動への陽性次元への改善をもたらすか決定する必要がある。


HPV(子宮頸がん)ワクチンを妨害する要因のシステマティック・レビュー

 前に記載したが、基本的にワクチン行政に疎いくせに情緒的に施策をごり押しした結果、ワクチン行政が正しく行われなくなってしまう事例となった「子宮頸がんワクチン」行政

 この国では、「ワクチン接種禍」というキャンペーンにより、ワクチン“乳児大腿四頭筋短縮症/大腿四頭筋萎縮症”後遺症問題以来、反行政プロパガンダに用いられてしまっている。これには(比較的行政より報道をくりかえす傾向のある)読売・日経なども関与していた(る)。毎日・朝日は昔からどうしようもないが・・・。ところが、子宮頸がんワクチンに関しては例外と思える、肯定的スタンスを各新聞とっていた。が、一転・・・


 この国の障壁はさておき・・・


 HPVワクチンを妨害する要因のシステマティック・レビュー

医療専門家・両親が、性的活動盛んになる前にHPVワクチン接種することの重要性を確認することが重要。医療専門家は、両親や被接種者の子供にHPVを推奨し続けることのベネフィットは明らか。医療機関と関わるとき、医療機関は、その努力を行うことで、HPVワクチン機会を逸することを提言。さらに、住民内のサブグループ単位で特異的努力も必要だろう。ワクチンのシステムレベルの障壁に着眼し、HPVワクチン受容性を増加させる努力が必要・・・という趣旨の結論


Barriers to human papillomavirus vaccination among us adolescents: A systematic review of the literature"
Holman DM, et al
JAMA Pediatr 2014; 168(1): 76-82. 

・経済的関心、親の態度/関心を医療専門家たちはその理由としている
・親は、ワクチン前の情報提供をより多く欲している
・親の関心は、性行為でのワクチンの有効性、HPV感染のリスクの自覚の低さ、社会的影響、イレギュラーな予防ケア、ワクチンのコストなどが共通する寄与障壁であった


子供が男の子の場合、直接のベネフィットが自覚できないため、ワクチンを受け無いと述べてる親が一定数いる。


医療専門家推奨に同意する親が、子供のワクチン接種意思決定にとって最も重要な要素である。


麻疹ワクチンがそうであったように、 反ワクチン運動による弊害
これと同じように、反子宮頸がんワクチン運動の弊害は、10年後以降明らかになるはず・・・かれらはその責任を負うだろうか?麻疹に関する態度と同様、黙りだろう。


遅すぎるHPVワクチンは意味が無い:18歳以上・細胞診異常有する場合、意味が無いかもしれない

子宮頸がんワクチンなどという表現自体がおかしいわけで、「ヒトパピローマウィルスに対するワクチン:HPVワクチン」と正しく表現すべき。でなければ、前がん状態である子宮頚部異形成への効果などを無視してしまうことになる。医師資格をもつ大臣を含め、衆参議員がフェミニズムのうち表層的部分を突出させ、「子宮頸がんワクチン」をごり押しした結果が、いまの日本のHPVワクチンの現状であろう。


カナダからの報告では、18歳未満もしくは子宮頸部に病変みとめる場合では、前がん病変発症予防効果認めない報告がなされた。






18歳までにあるいはすでに子宮頸部異形成を有しながらHPVワクチン接種をした女性は、ワクチン非接種女性では、子宮頸部異形成発生率は同等。

一方、子宮頸部病変を有さない18歳以上の女性では、高度扁平上皮内病変:HSIL(high-grade squamous intraepithelial lesion(s))リスクを、HPVワクチン接種群では、非ワクチン接種群に比べ23%減少する。

子宮頸部病変を有する女性では、4価ワクチンでは、HSIL予防効果認めない。


Effectiveness of the Quadrivalent Human Papillomavirus Vaccine Against Cervical Dysplasia in Manitoba, Canada
alaheddin M. Mahmud, et. al.
JCO published online on January 6, 2014; DOI:10.1200/JCO.2013.52.4645.


【目的】 子宮頸部異形成への4価HPVワクチン(QHPV)の有効性は住民ベース個別レベルデータとしては推定さえされてない。QHPVワクチンの子宮頸部異形成への有効性(VE)をマニトバ・ルーチン集積データを用いて検討 

【方法】 15歳以上、QHPVワクチン接種女性(マニトバ、between September 2006 and April 2010 privately (n = 3,541) を、3非ワクチン接種群(n = 9,594)と年齢マッチ化比較。Cox回帰モデルにて、3つのアウトカムハザード比を推定: atypical squamous cells of undetermined significance (ASCUS)、low-grade squamous intraepithelial lesions (LSILs)、 high-grade SILs (HSILs)

【結果】 15〜17歳までで、補正VE推定値は、それぞれに対し、ASCUS 35% (95% CI, −19% to 65%)、 LSILs 21% (−10% to 43%)、HSILs −1% (−44% to 29%)


登録後Papスメアを最低1回行った群において、それぞれの補正VE推定値はより高値 になる (46% [0% 〜 71%]、 35% [10% 〜 54%]、 23% [−8% 〜 45%])


QHPVワクチンは、18歳以上・細胞診異常病歴無し群では、HSILリスクを 23% (−17% to 48%) 減少。しかし、病歴を有する一群では予防効果認めず (−8% [−59% to 27%]。


【結論】 18歳以上か、すでに細胞診異常を有する女性では、予防効果は認めないかもしれない。ワクチン接種されても、性的活動性ある場合には、スクリーニングプログラムの必要性を過小評価してはならない。HPV暴露前にワクチン接種することが必要。

JNC-8ガイドライン撤回せよ・・・という主張

Joint National Committee on Prevention, Detection, Evaluation, and Treatment of High Blood Pressure-8 (JNC-8) guidelines
JAMA:http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1791497
(参考:http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/12/jnc8.html)

エビデンスに基づかず、医学的に有害で経済的にも有害という主張。

http://www.kevinmd.com/blog/2014/01/call-retract-jnc8-hypertension-guidelines.html



  •     “The evidence review did not include observational studies, systematic reviews, or meta-analyses, and the panel did not conduct its own meta-analysis based on prespecified inclusion criteria. Thus, information from these types of studies was not incorporated into the evidence statements or recommendations.”
  •      “Although adverse effects and harms of antihypertensive treatment documented in the randomized controlled trials (RCTs) were considered when the panel made its decisions, the review was not designed to determine whether therapy-associated adverse effects and harms resulted in significant changes in important health outcomes.”


今までは、ガイドライン発表後、従順な解説に終始することが多かった医療系ITメディア

流れが変わってきたのか?


わるいことではないと私は思う。

2014年1月6日月曜日

小児:急性喘息治療 全身ステロイドにブデソニド・ネブライザー付加治療

2歳から12歳児童、中等症重症喘息、二重盲験プラシーボ対照 トライアル

Budesonide Nebulization Added to Systemic Prednisolone in The Treatment of Acute Asthma in Children: Double-Blind, Randomized, Controlled Trial
Abdullah A. Alangari, et. al.
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.13-2298

マラリア:経皮的診断可能に? 耳内光音響検出装置

photoacoustic device:光音響装置を用いマラリア診断という夢のような話

非侵襲的、すなわち、採血などの検査を必要とせず、経皮的に検出可能となる?
medpage解説では、耳内光音響検出装置として解説している。

生体内存在するマラリアに特異的な“   skin tiny vapor nanobubbles ”を同定



Hemozoin-generated vapor nanobubbles for transdermal reagent- and needle-free detection of malaria
www.pnas.org/lookup/suppl/doi:10.1073/pnas.1316253111/-/DCSupplemental.


マラリア特異的ナノバブルの音響的信号により、非侵襲的迅速に、マラリア感染検出可能となる。動物では、0.00034%ほどの成分。



赤外線スペクトラム上の短波長(ピコ秒)単位のレーザーパルス暴露で蒸散された、ナノサイズの生体結晶であるヘモゾイン(hemozoin)が累積する。in vitro研究では、Plasmodium感染赤血球は、音響波を形成するほどの微小バブルまで沸騰するヘモゾイン結晶となる。
 Lapotko らは、レーザーピコパルスを照射し、音響シグナルを検知するデバイスを作成。
マウスの耳内で感染赤血球を検知した。



ホントなら、このシステムは、防疫にもつかえるかも


参考: http://www.biken.osaka-u.ac.jp/biken/BioScience/page26/index_26.html
マラリア原虫はその赤血球内分裂期においてヘモグロビンを消費し、遊離ヘムをポリマーの状態にしたヘモゾインという代謝産物を産生する。ヘモゾインは赤血 球内にて合成され原虫(シゾント)と共に血中に放出され、その後網内系で主にマクロファージなどに貪食され細胞内に蓄積する。

バイスタンダーCPRは蘇生関与者多いと蘇生の質が上がる

あらためてウェブ検索すると、by-stander CPR (BCPR)は、そのまんま、バイスタンダーCPRって訳すのが王道? あらためて調べるとして、心肺停止時近くの人が心肺蘇生するBCPRは関与する人が多いほどその質が高まるという報告。
この場合のCPRの質とは、救急隊員場面評価で、胸部圧迫術が標準推奨に従っているかで、適切な位置、回数、深さで行われたかどうか(具体的には、圧迫術に関して成人では手の位置、乳幼児において指の位、回数が1分あたり100最低でもおこなわれたか、最低2インチかもしくは前後径1/3)。

金沢大学大学院医学保健学総合研究科の稲葉英夫教授(救急医学)らの報告

ただ、長期神経学的アウトカムに関して優劣有意差示されてない部分も検討必要と思う。


Medpageで紹介されている。
http://www.medpagetoday.com/EmergencyMedicine/EmergencyMedicine/43638

原著:Factors Associated with Quality of Bystander CPR: the Presence of Multiple Rescuers and Bystander-initiated CPR without Instruction
Inaba H., et. al.,
Resuscitation 2013; DOI: 10.1016/j.resuscitation.2013.12.019.


病院外心肺停止症例のうち、CPRの質は、バイスタンダー心肺蘇生開始の蘇生関与者数が多数だとそのオッズ比増加する( OR 2.8 ; 95% CI, 1.5 〜 5.6)
中心部、都市部でオッズ増加( OR 2.1, 95% CI, 1.3 〜 3.3)
バイスタンダー開始心肺蘇生でオッズ増加( OR 2.7, 95% CI, 1.1 〜 7.3) →私には意味が分からない
蘇生時間長いほどオッズ増加( OR 1.1, 95% CI 1.0 〜 1.1)



家族からなされた場合は、そのオッズ低く( p = 0.0001)
高齢者バイスタンダーでも低い ( p = 0.0005)
自宅でも低い( p , 0.0001)


しかし、神経学的に良好なアウトカムかどうかのイベント1年後評価では、蘇生の質の良否で有意差を認めない ( 2.7% vs 0% p= 0.14)
・・・これが意義ある検討数やサンプル評価されてるかどうかが問題と思う






HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...