2014年1月18日土曜日

なぜ、統計学的有意なものだけが発表されることが問題か?

有意な結果だけが選択的パブリッシュされる現状は、科学性と相矛盾している。

メタアナリシスで特に問題になり、Funnel Methodなど出版バイアスを表記するツールが存在するわけで・・・


選択的発表と全発表の優越性検証モデル


Why Publishing Everything Is More Effective than Selective Publishing of Statistically Significant Results
Marcel A. L. M. van Assen, et. al.
PLOSone Published: January 17, 2014DOI: 10.1371/journal.pone.0084896

平均(実践)と平均±メタアナリシス1標準誤差:ランダムエフェクト:全公表と選択的出版比較


 Results of 5,000 runs of meta-analyses under the publishing everything and selective publishing approaches.



メタアナリシスも、巨大資本が必要なわけで、少数研究者でってわけにいかなくなってきた。それを全数検討となると、ますます個別検討は無理。科学研究全般に、曲がり角はとうの昔にあったわけで、ほとんどの医科学関係者がそれを直視しないでいるのが現状。・・・と、えらそうに田舎の開業医は思う。

冠動脈性心疾患:音楽による不安軽減効果

たしかに、音楽というのは、診療や処置への不安軽減には効果があるだろう。金属音が響く環境下でびくびくしながら診療や処置・療法を受けるのに比べれば・・・。しかもコストがかからないし・・・。

モーツアルト効果など音楽は医学上のテーマとなっている。だが、どうもこういうのは効果があってほしいという一部の連中がいて、科学性と乖離して一人歩きすることがある。

だが、認知症に対するミュージックテラピーってのは、【Music & Memory】が代表的。だが、それで、飯食おうとしてる人が多いようで、利益最優先で、科学的エビデンス乏しい現状(Ten studies were included. The methodological quality of the studies was generally poor and the study results could not be validated or pooled for further analyses.)と乖離してなんだか混沌としているなぁと思う日本の現状
e.g. 典型的結論先にありき解説→(http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03033_04)。日本の認知症ガイドラインには確立したエビデンスがあると馬鹿な記載がなされてるし・・・


冠動脈疾患における研究は、そういう表層的な状況にならないよう願いたい。

Music for stress and anxiety reduction in coronary heart disease patients
Joke Bradt1,et. al.
Editorial Group: Cochrane Heart Group;Published Online: 28 DEC 2013
Assessed as up-to-date: 4 DEC 2013
DOI: 10.1002/14651858.CD006577.pub3

・冠動脈性心疾患を有する患者の心理的ディストレスに対する小さいベネフィット効果があり、研究横断的に認められる (MD = -1.26, 95% CI -2.30 to -0.22, P = 0.02, I² = 0%)


・CHD患者の不安へは、中等度効果みとめるも、研究ばらつき有り (SMD = -0.70, 95% CI -1.17 to -0.22, P = 0.004, I² = 77%)


・心筋梗塞患者では、中等度の音楽による不安減少効果を認め、不安化粧効果は平均5.87(20−80ポイント範囲) (95% CI -7.99 to -3.75, P < 0.00001, I² = 53%).


・患者選択音楽使用により、より効果がみられることは研究一致性あり (SMD = -0.89, 95% CI -1.42 to -0.36, P = 0.001, I² = 48%)


・音楽傾聴は、心拍減少 (MD = -3.40, 95% CI -6.12 to -0.69, P = 0.01)、呼吸数減少(MD = -2.50, 95% CI -3.61 to -1.39, P < 0.00001) 、収縮期血圧減少 (MD = -5.52 mmHg, 95% CI - 7.43 to -3.60, P < 0.00001)に寄与する。


・2つ以上の音楽セッションを含む研究では、軽度だが、一致した苦痛軽減効果 (SMD = -0.27, 95% CI -0.55 to -0.00, P = 0.05)


・音楽傾聴は、心臓処置・手術後の睡眠の質改善する (SMD = 0.91, 95% CI 0.03 to 1.79, P = 0.04)

2014年1月17日金曜日

心筋損傷への生分解性微小粒子注入治療

オーストラリアの科学者たちからの心臓発作後の心臓ダメージ軽減のためのimmune-modifying microparticles (IMPs)を用いた新手法を報告

単核球誘導炎症性エフェクター細胞が無数の炎症性疾患の病態に重要な働きをするが、これへの特異的調整治療オプションはなかった。心筋ダメージは、炎症細胞が、阻血・低酸素部位集中する。生(物)分解性微小粒子注入後、心臓病変のサイズは50%に半減する。poly (lactic-co-glycolic) acid(PLGA) microparticleを用い、炎症性単核球にて細胞死をクリーンアップし生存細胞を傷つける酵素や化学物質を除去する。ダメージ細胞に結合する微小粒子は、炎症性単核球と結合し、脾臓へ運ばれ、処理される。
polyはFDAに承認済み。

NANOBIOLOGY
Therapeutic Inflammatory Monocyte Modulation Using Immune-Modifying Microparticles
Sci Transl Med 15 January 2014: 
Vol. 6, Issue 219, p. 219ra7 
Sci. Transl. Med. DOI: 10.1126/scitranslmed.3007563


【小児肥満・体重増加】ファストフードは真犯人じゃない! 

ファストフード:定義
easily prepared processed food served in snack bars and restaurants as a quick meal or to be taken away:
(どう聞いたって、ファーストフードではない! ・・・ 和製英語が日本をだめにする! ・・・ マスゴミが主犯)

”スナックバーやレストランで提供される食品” という定義なら、ファストフードだけ食べてたら、それが主因だろうが、一般にはそうではないわけで・・・

4466名の2−18歳の米国子供の横断研究

The association of fast food consumption with poor dietary outcomes and obesity among children: is it the fast food or the remainder of diet?
First published October 23, 2013, doi: 10.3945/​ajcn.113.071928 
Am J Clin Nutr January 2014 ajcn.071928 


米国内の子供の半数がファストフード購入比率
・ファストフード低比率(エネルギー比率 30%以下) 39.5%
・ファストフード高比率(エネルギー比率 30%超) 10.5%


残りの摂食内での西洋的食事パターン摂取オッズ比は、ファストフード低比率群 (OR: 1.51; 95% CI: 1.24, 1.85)、高比率群(OR: 2.21; 95% CI: 1.60, 3.05) ではファストフード未摂取比較で高くなる。


ファストフード外食事こそが、過体重/肥満と独立して関連 (β: 5.9; 95% CI: 1.3, 10.5)、一方、ファストフード摂取では相関性認めず。
ファストフード以外の部分の方が、ファストフード摂食分より食事の質プアな部分の摂取量と強く関連する。

コロイデレミア(先天性脈絡膜欠如)遺伝子治療

 コロイデレミア; 先天性脈絡膜欠如

X染色体上CHM遺伝子変異を原因とする遺伝性進行性失明疾患

35−63歳の6名、網膜・視覚異常への治療
有害事象無く、視力回復を認めた
このことは、この疾患だけでなく、慢性網膜変性症への治療可能性も示唆する研究とLancet


Retinal gene therapy in patients with choroideremia: initial findings from a phase 1/2 clinical trial
The Lancet, Early Online Publication, 16 January 2014




遺伝子治療、失明治療に有望性示すhttp://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303919304579323832157165164.html?dsk=y

内分泌系スマートフォン・アプリ:糖尿病管理向け主体だが、医師向けも・・・

スマートフォン・アプリは、一般には患者利用が普通だが、医師が仕事上利用できる存在のもの(10番目、11番目)


11 Endocrinology Apps for Docs' Toolboxes
Published: Jan 16, 2014 | Updated: Jan 16, 2014
http://www.medpagetoday.com/Endocrinology/GeneralEndocrinology/43837


以上がFDA承認アプリとの紹介

6. Lenny: 1型糖尿病:ライオンが友達となる
7. GoMeals: Sanofi 謹呈
8. MyFitnessPal: 糖尿病非限定、食事・ライフスタイル変容プログラム
9. MediSafe Virtual Pillbox: 糖尿病非限定だが、大多数糖尿病対象


For Clinician Use:
10. Endo Tools: 内分泌専門医ニーズにテーラー化したスマートフォン向けレファレンス。臨床計算機や甲状腺がんステージングツールを含む。(無料:それなり ;Sigil→iBooks書籍化で個別作成可能な程度)

11. Endocrinology & Endocrine Emergencies: 内分泌フェロー向け。POC、診断・治療・病態生理・ガイドライン・フォロー中心。(有料:現行600円でレファレンスとしては良いと思うのだけど、金出すほどの価値あるかは?)


のぞいてみたが、いろいろ工夫の必要あると思う
アプリ開発するならもうちょっと工夫があっても・・・


レファレンスだけなら、SigilなどでiBooksで読めるようできる訳だし・・・



例えばこんな感じ・・・



これで、iPad/iPhoneで読める


ダイエット飲料は肥満者・総摂取カロリー増加に寄与!

過体重・肥満成人では、正常体重成人よりダイエット飲料を多く摂取し、固形食品カロリー多く、総カロリー摂取が結果的に糖加飲料摂取過体重・肥満成人より多くなるという矛盾


現象記載に過ぎず、メカニズム考察が必要だが、肥満・体重増加者では、ダイエット・ペプシやダイエット・コーラなどは、減量につながらない。


Diet-Beverage Consumption and Caloric Intake Among US Adults, Overall and by Body Weight. 
Sara N. Bleich, Julia A. Wolfson, Seanna Vine, and Y. Claire Wang.  (2014). 
(Am J Public Health. Published online ahead of print January 16, 2014: e1–e7. doi:10.2105/AJPH.2013.301556)

成人に於ける、体重と、食事・飲料とカロリー摂取の関連性検討(24時間食事内容回想調査):National Health and Nutrition Examination Survey 1999–2010 data (adults aged ≥ 20 years; n = 23 965)

健康体重:11%、 過体重:19%、肥満22%で、ダイエット飲料使用

総カロリー摂取としては、ダイエット飲料使用者より糖加飲料(SSB: sugar-sweetened beverage)使用者で多い(2351 vs 2203 kcal/day; p=0.005))

しかし、健康体重成人だけで、その差は有意(2302 kcal/day vs 2095 kcal/day; P <  .001)

ダイエット飲料摂取の過体重・肥満成人では、固形食品からの摂取カロリーが多い(過体重: 1965 kcal/day vs 1874 kcal/day; P = .03; 肥満: 2058 kcal/day vs 1897 kcal/day; P < .001).

ダイエット飲料摂取毎日の固形食品ネット摂取量増加は、過体重成人で88kcal、肥満成人で 194kcal


HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...