2014年2月6日木曜日

視床皮質系(TC)相互的補完現象:難聴は視覚鋭敏に、視覚低下は聴覚鋭敏に・・・普遍的現象である

Stevie Wonder や Ray Charles などの盲目のミュージシャンたちは、なぜ、感覚が都護済まされるのか、この現象の研究。


残存感覚である、聴覚を、研ぎ澄まさせる ことを約1週間暗環境にて、種々音で確認。


視床皮質シナプス強化は、視覚喪失で聴覚強化、聴覚喪失で視覚機能強化というcrossmodalな現象は一般的とされる。


解説:Simulated blindness can lead to recovery of lost hearing, researchers say
Latarsha Gatlin / February 5, 2014
Posted in Health, Science+Technology
http://hub.jhu.edu/2014/02/05/blindness-hearing-loss


Crossmodal Induction of Thalamocortical Potentiation Leads to Enhanced Information Processing in the Auditory Cortex
Emily Petrus, et. al.
Neuron Volume 81, Issue 3, 5 February 2014, Pages 664–673

感覚系は単独で機能してるわけではない、その相互作用を示した報告。視覚機能喪失したときに、プライマリの聴覚皮質(A1)機能的促進をもたらす。視覚喪失動物でのA1ニューロンの音刺激反応を通常動物対照に比較。A1ニューロンのパフォーマンス量的、強度判別性パフォーマンス改善効果が示された。さらに、in vitroにおいて、成人視覚喪失で、A1の視床皮質(TC)シナプス強化が示されたが、プライマリ視覚皮質ではシナプス強化は示されない。V1のTCシナプスの難聴下強化現象は、A1では示されず、crossmodal TC強化は成人大脳皮質の一般特性であると考えられる。



人工手:感覚フィードバックにてより精密な手指機能に



Restoring Natural Sensory Feedback in Real-Time Bidirectional Hand Prostheses
Stanisa Raspopovic, et. al.
Sci Transl Med 5 February 2014:  Vol. 6, Issue 222, p. 222ra19 Sci. Transl. Med. DOI: 10.1126/scitranslmed.3006820

 理想的双方向性手人工装具は、ユーザーの意図の確実なdecodingと、残存求心的感覚を通したほぼ自然な感覚的フィードバックの提供であり、リアルタイムに、同時に働くことである。しかし、現行の人口手装具はこれらの条件に達してない。これは感覚系フィードバックの能力不足による。

この方コックは、横断的多チャンネル内在束性電極にて正中・尺骨神経刺激し、人工手からの感覚を伝える方法。 このフィードバックにて、握力調整が、手・聴覚フィードバック無しで可能となった。


大量ビタミンC非経口投与:抗がん剤化学療法感受性増加・化学療法毒性軽減効果




ヒト・マウス卵巣ガン細胞の死滅を助け、正常細胞を害することがすくないという、非臨床的研究結果。





High-Dose Parenteral Ascorbate Enhanced Chemosensitivity of Ovarian Cancer and Reduced Toxicity of Chemotherapy
Yan Ma1, et. al.
Sci Transl Med 5 February 2014: Vol. 6, Issue 222, p. 222ra18 Sci. Transl. Med. DOI: 10.1126/scitranslmed.3007154

 アスコルビン酸(ビタミンC)は、尋常的治療では無く、安全的側面を強調し、逸話的にベネフィットのみを強要する治療法である。実際、経口投与では、飼う種トライアルにおいて、その効果は示されてない。だが、最近、非経口投与で治療合理性示唆報告がなされてきた。非経口投与で、10−3 mol/dm3単位、すなわちミリモル単位だと、H2O2形成を開始局所オキシダント促進効果を示し、ガン細胞死滅へ向かわせる可能性。
アスコルビン酸誘導細胞死のdownstream mechanismを研究。 ミリモル単位のアスコルビン酸は、pro-oxidantとして働き、DNA損傷、そして細胞内ATP欠乏をもたらし、ATM(ataxia telangiectasia mutated)/adenosine monophosphate–activated protein kinaseAMPK系活性化、mTOR( mammalian target of rapamycin)阻害し、卵巣ガン細胞死へ導く。
通常抗がん剤、カルボプラチン+パクリダキセルとの併用は、協調的に、マウス卵巣ガンを阻害し、化学療法毒性抑制となる。


臨床実験ではありませんけどね・・・

2014年2月5日水曜日

カナダ:透析開始基準を拡大

新しいカナダのガイドラインでは、慢性腎臓病患者の透析開始基準を 10-12mL/minから、15 mL/minとする基準となった。 6mL/minや症状悪化まで待ってはならないとした。


Guidelines
Canadian Society of Nephrology 2014 clinical practice guideline for timing the initiation of chronic dialysis
Gihad E. Nesrallah,  et. al.
CMAJ February 4, 2014 vol. 186 no. 2 
doi: 10.1503/cmaj.130363

http://www.cmaj.ca/content/186/2/112.full.pdf

根拠は、IDEAL トライアル(A Randomized, Controlled Trial of Early versus Late Initiation of Dialysis N Engl J Med 2010; 363:609-619)

でも、これって、早期透析介入で、生存率や臨床的アウトカム改善につながらないって話だったはず・・・

GFR : 10.0 to 14.0 ml per minute (early start) vs estimated GFR was 5.0 to 7.0 ml per minute (late start)


崖に落ちてから、助けても・・という発想らしい

マウス実験:胃腸がん JAK阻害剤治療 可能性

骨髄線維症治療薬 JAK阻害剤が、胃がん・腸がん治療に役立つ可能性

JAK阻害剤は、白血病、リンパ腫、ループス、関節リウマチなどの病態に臨床トライアル研究中だが、これらの研究チームは、がん細胞生存延長・増殖に関わる分子研究にてターゲットとしてのJAKの果たす役割を解明。表題の期待が寄せられた。


http://www.wehi.edu.au/uploads/MR_2014_02_04_WEHI_Existing_medicines_show_promise_for_treating_stomach_and_bowel_cancer.pdf


Therapeutic Inhibition of Jak Activity Inhibits Progression of Gastrointestinal Tumors in Mice
Emma Stuart ,et. al.,


三次喫煙:多臓器的障害マウスモデル報告

朝日、毎日で、三次喫煙記事有ったようだ
http://goo.gl/yPv9F6


ホテルは部分的禁煙では効果無い。部分的禁煙ではニコチンだけでなく発がん性物質も暴露させる。  2013/05


ヨーロッパ呼吸器学会で、0-13歳の気道感染オッズ倍へ、そして、居宅内喘鳴発生頻度倍化報告など三次喫煙報告

Hutchinson S, et al "Third-hand tobacco smoke exposure and respiratory complaints in children: A cross-sectional study" ERS 2013; Abstract P4332.
解説:Third-Hand Smoke Impacts Kids' Breathing
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ERS/41558


あらたに、カリフォルニア大学からの報告で、マウス研究により、複数臓器障害を生じる可能性
Cigarette Smoke Toxins Deposited on Surfaces: Implications for Human Health
Manuela Martins-Green ,et.al.
PLOSone Published: January 29, 2014    DOI: 10.1371/journal.pone.0086391

セカンドハンドスモーク(SHS)は、喫煙本人より有害性内在の可能性有り、さらに、サードハンドスモーク(THS:三次喫煙)は、小児への影響が示唆されてきている。
THS暴露マウスは、多臓器へ影響し、タバコ特異的発がんバイオマーカー(tobaco-specific carcinogen biomaker):NNALの濃度は、SHS暴露児と同様の影響をもたらすことが判明。

肝臓内で、THSにより、脂質レベル増加、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)をもたらし、肝硬変、ガンのprecursorとなり、心血管疾患寄与要素となる。

肺内では、THSは、過剰な膠原線維産生、炎症性サイトカイン高濃度をもたらし、線維化の可能性、COPDや喘息のような炎症性起因疾患への影響を示唆。

外傷性皮膚疾患では、THS暴露マウスの治癒は喫煙者手術切開創に於ける多くの特徴を持つ。

行動研究によれば、THS暴露マウスは、過反応となるという、SHS/THS暴露小児の問題行動出現は、その長期暴露に起因し、より重度の神経学的疾患発症リスクを有意に高める。

これらの結果は、ヒトTHSの毒性的影響に関する研究のベースとなり、THS非意図的暴露予防に役立つ可能性がある




善玉はいつも善玉ではない: PGC-1αは筋内では善行を、糖尿病血管内では悪行を・・・

なぜ、糖尿病は微小血管合併症を発症するのか、結果、眼や腎臓、神経系だけで無く、潰瘍や、慢性炎症を生じ、下肢切断などもきたし、透析・失明などの状況を生み出す。


一つの機序が明らかに
Endothelial PGC-1α Mediates Vascular Dysfunction in Diabetes
Cell Metabolism, Volume 19, Issue 2, 246-258, 4 February 2014



解説:
Research reveals why diabetes patients are at risk for microvascular complicationsA metabolic molecule is found to inhibit blood vessel growth in patients with diabetes, leading to impaired wound healinghttp://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-02/bidm-rrw013114.php
以下、意訳・略訳
PGC-1αを10年来研究し、多機能的役割が見られ、特に、循環量少ない危機的体内で、PGC-1αは筋肉内での酸素低下、栄養低下を感知し、新しい血管増殖を阻害、すなわち血管新生プロセスを促進(spur)する。筋内において、PGC-1αは、pro-metabolicで、血管新生の重大な調整要素。だが、血管新生に反応する鍵となる細胞は、血管内に存在する血管内皮細胞である。糖尿病での血管内皮細胞内のPGC-1αの役割を検討。

一連の細胞培養実験で、血管内皮特異的遺伝マウスモデルも用い、PGC-1αの血管内皮での役割は糖尿病で誘導され、血管内皮migration・血管新生を強く阻害し、結果、血管機能障害を生じる。

これらの発見は驚くべきもので、PGC-1αの血管内皮での役割は筋細胞内のそれと真逆ということ。 
筋肉内ではpro-metabolic的働きを示し、より血管を増加させ、血管不足のため飢餓状態に陥った損傷・乏血管状況の回復もたらす役割をしている。しかし、血管内皮では、糖尿病状況において血管造生を阻害し、治癒抑制する働き。

同じ分子が、働く組織・細胞において異なる働きをするということで、興味深いという側面もある。薬物治療に関しても、やはり、単一の実験系で、都合の良い効果があるとしても、別の臓器ではとんでもない方向へ機能が働くことさえ有るわけで、そういう面でも教訓的研究結果となる。

[善玉]というラベリングは科学・医学の世界ではとくにリスキー

PGC-1αは善玉という認識が一般的に有るようだが、重篤な血管新生へ悪影響をもたらす状況も存在する。逆手をとって治療に結びつくかもしれない。





HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...