2015年7月9日木曜日

Weekend effect, Friday effect : 緊急入院や手術は曜日により死亡率異なる

いわゆる‘weekend effect’とは、近年の多くの報告で、「ウェークエンド入院での死亡率が高い」現象を示すことで、時には、手術だけに特化して、「緊急手術患者でウィークエンド手術はウィークデイ手術より死亡率高い」現象をサス場合もある。

"Friday effect":待機手術患者で金曜日手術は月曜手術より死亡率高い


国毎パターンは異なるようだが、治療施行・入院曜日により死亡率増加ばらつきがある。
週末入院・治療施行は予後悪いのは一貫しているようだ。



今回の検討は、”In-hospital deaths within 30 days of emergency admission or of elective surgery"をアウトカムとするもので、緊急入院もしくは待機手術に於ける院内死亡率を検討



The Global Comparators project: international comparison of 30-day in-hospital mortality by day of the week
Milagros Ruiz, et. al.
BMJ Qual Saf doi:10.1136/bmjqs-2014-003467


イギリス・オーストラリア、UAA、オランダのinternational dataset from the Global Comparators (GC) project のデータ使用


入院カルテ 2 982 570の検討

週末緊急入院による30日死亡補正オッズ比は高い
英国11病院 (OR 1.08, 95% CI 1.04 to 1.13 on Sunday)、USA 5病院   (OR 1.13, 95% CI 1.04 to 1.24 on Sunday)、 オランダ 6病院  (OR 1.20, 95% CI 1.09 to 1.33 on Saturday)


上段: 待機処置施行曜日毎補正オッズ比
下段: 入院曜日毎死亡補正オッズ比


オーストラリア6病院の緊急入院では、補正30日死亡率の日差変動認めないが、 7日後のED受診において weekend効果を認めた  (OR 1.12, 95% CI 1.04 to 1.22 on Saturday)


weekend 待機患者は全て、30日術後補正死亡率オッズ比高く、待機患者の'Friday effect'(月曜に比べ金曜施行の待機手術では33%死亡率増加)をオランダ6病院で認めた


無責任な”医療評論家”たちは全てを医療機関のせいにするかもしれないが、緊急性の高い状況のまま通常の診療を受けぬまま、土日に救急入院となれば予後悪くなる傾向になるとはおもう。
待機的手術のFriday effectの方も含め、踏み込んだ検討が必要だろう







2015年7月7日火曜日

COPD患者は、寒いとき、曇天・雨天、ウィークエンドは動きたがらない

気候・大気汚染のCOPD患者の身体活動性への影響


COPD患者を動かすには、気温22.5度前後が ベストなようだ・・・


Influence of weather and atmospheric pollution on physical activity in patients with COPD
Ayedh D. Alahmari et. al.
Respiratory Research 2015, 16:71  doi:10.1186/s12931-015-0229-z
http://www.respiratory-research.com/content/16/1/71


序文
気候と大気汚染の身体活動性への影響について情報集積は無く、身体活動性を活発化させるときに影響があるのではないか?

研究方法日々の日記カードにおける73名の安定COPD患者記録
呼吸器症状悪化、PEF、自宅外時間、1日歩数
歩数計を16千478日記録、患者あたり平均267日間(29-658日間)
PM10とオゾン(O3)の日々データを Bloomsbury Square, Central London from the Air Quality Information Archive databasesで獲得
日々の天候データを London Heathrow from the British Atmospheric Data Archiveから入手


研究結果
22.5度未満のより寒冷では、摂氏1度下がる毎、1日43.3歩  (95 % CI 2.14 to 84.4; p = 0.039) 減少。



晴れた日より雨の日にActivity低下  (p = 0.002)
曇天は晴天よりActivity低下  (p  <   0.001)

1日歩数は、土曜より日曜で 434歩減少 (p <  0.001) 、 金曜より土曜が  353 歩減少 (p < 0.001)

これらの影響考慮後、O3濃度は活動性を週全体で活動性低下 (-8 歩/ug/m3; p = 0.005)し、ウィークエンドでも低下  (-7.8 歩/ug/m3; p = 0.032).

 一方、PM10は、州全体としては活動性減少させる (p = 0.018) が、ウィークエンドでは影響ない



結論
COPD患者の活動性低下は、寒気、湿潤・曇天で影響大きく、週末に影響あり
この研究は、高濃度大気汚染と独立した影響。

クロストリジウム・ジフィシル最重症感染:VCM経口・メトロニダゾール注射併用

クロストリジウム・ジフィシル重症感染患者のベスト管理は、単剤より併用が望ましいかもしれない

後顧的研究のため今後の検討が必要だが・・・


The Addition of Intravenous Metronidazole to Oral Vancomycin is Associated With Improved Mortality in Critically Ill Patients With Clostridium difficile Infection
Clin Infect Dis. (2015)doi: 10.1093/cid/civ409
First published online: May 29, 2015

単一施設後顧的観察比較研究・クライテリア(アルブミン 2.5g/dL未満、 心拍 90超、平均動脈圧 60mm水銀柱未満、白血球数1万5千/μL、 年齢60歳超、sCr 正常上限1.5倍異常、体温100.4華氏以上)の3つ以上合致
バンコマイシン投与開始48時間以内 IV メトロニダゾール併用開始
18歳未満あるいは関連しない消化器疾患は除外

プライマリアウトカムは、院内死亡率
患者はAPACHIIスコアでマッチ化


結果: 88名を登録し、44名を各群に割り振り。
患者特性は併用群でや腎疾患やや多い
死亡率は、単剤群 36.4% vs  併用群 15.9%  (P = .03)


臨床上成功、入院期間、ICU滞在期間のセカンダリアウトカムは群間同等



結論: このデータでは、経口バンコマイシンとメトロニダゾール注射使用がCDI患者重症患者使用を支持する結果。しかし、前向きランダム化研究が必要。





サンフォード熱病だと・・・

より重症:
VCM 125mg経口1日4回・10~14日
Fidaxomicin 200mg経口1日2回・10日 
重症で中毒性巨大結腸を伴う場合:
結腸切除が唯一の治療手段となることがある.
他の治療法:ループ式回腸造設+VCMによる順行性浣腸+MNZ静注(Ann Surg 254: 423, 2011)
重症で生命の危険のある患者でのFidaxomicinの有効性についてはデータがない. 
手術後,重症:
MNZ 500mg静注6時間ごと+VCM 500mg6時間ごと経口またはNGチューブ(または経鼻-小腸チューブ)で注入±(禁忌でない場合)VCM 500mgを100mLの生食水に加え,6時間ごとに停留浣腸(Clin Infect Dis 46(Suppl 1): S32, 2008)または逆行性盲腸カテーテルで注入.

メトホルミン以外を第一選択薬にすると・・・次の強化薬剤追加確率が少なくなる

JAMA Internal Medicine誌掲載の報告だが、日本の糖尿病ガイドラインの状況と反する内容である。


日本の糖尿病ガイドラインでは第一選択薬を作らなかった。欧米のガイドラインもこの方向性を追随している」と
メーカー後援の講演会で私が良く批判している糖尿病診療のおえらいさんが述べていた

・・・何、いってんだか!


こういう輩を学会のトップに据え続けてる、日本の医療医学界

大学教授様たちの臨床診療ってのは実はかなり偏った患者様たちを診療しているわけで昔の教授様たちと違い、「聴診や理学所見だけで手術判断」することもなく、論文作成と学会内外の政治活動で金を以下に引き出すかがその手腕の評価となる。
まぁかれらが、エキスパート・オピニオンという隠れ蓑を使い、自分勝手な論理でガイドラインを偏らせる・・・代謝疾患の学会に多いこの偏り



高価な薬剤使用を煽動し、日本の医療費浪費にミスリードし、そのあげく、製薬メーカーから直接間接の便宜をもらってる連中が存在する。


Initial Choice of Oral Glucose-Lowering Medication for Diabetes Mellitus: A Patient-Centered Comparative Effectiveness Study
Seth A. Berkowitz, et. al.
JAMA Intern Med. 2014;174(12):1955-1962.

【序文】経口血糖降下薬には使用承認された多くのクラスが存在するが、糖尿病治療に対して第一選択として、比較対照エビデンスは乏しかった

【目的】第一選択経口血糖薬剤クラスの、その後の治療強化への影響、短期副作用臨床イベントへの影響を検討


【デザイン】 後顧的研究、Aetna (a large national health insurer)完全被保険メンバー患者、経口血糖降下剤 2009年7月1日〜2013年6月30日まで処方対象
同じクラスの医薬品の2回目処方をフィルした経口血糖降下剤の新規処方患者で、初回処方最終日数90日内WHO定義量以上の処方患者。経口血糖降下薬暫定処方除外

【暴露】メトホルミン、SU剤、チアゾリジンジオン、DPP4阻害剤

【主要アウトカムと測定】 二次経口血糖降下薬もしくはインスリン追加までの時間、各コンポーネント午後、低血糖、他の糖尿病関連ED受診、心血管イベントまでの時間

【結果】登録クライテリア一致総数 15516名の患者、うち 8964名、57.8%がメトホルミンにて治療開始
非補正解析にてメトホルミン外の医薬品使用は、経口血糖降下剤単独、インスリン単独、二次薬剤もしくはインスリン使用追加リスク増加と関連 (P < .001 for all)

propensity score と multivariable-adjusted Cox proportional hazards modelsにおいて、SU剤、チアゾリジンジオン、DPP4阻害剤はそれぞれ強化治療増加リスク (ハザード比 [HR]、 1.68; 95% CI, 1.57-1.79、1.61; 95% CI, 1.43-1.80、1.62; 95% CI, 1.47-1.79) 

メトホルミン代替使用は、低血糖、ED受診、心血管イベント減少と相関せず

【結論・新知見】 57.8%のみがメトホルミン治療開始し、ほぼ全てがガイドラインを遵守しているわけではない。メトホルミンで治療開始することは、次の強化治療を必要とすることが少なく、他薬剤開始と比べ、低血糖や他の副作用臨床イベント率の差もない。
QOLや医薬品コストでも有意な影響有り


2015年7月6日月曜日

遺伝的多様性は、高身長、知性向上の方向へ


遺伝的多様性は、高身長、知性向上へ、しかし、高血圧、高コレステロール血症などには多様性は影響を与えてない。


エジンバラ大学の個別entire genetic make-upで、個人の祖先関連指標である、母もしくは父からの遺伝子部分の遺伝的同定的コピー指標としてのインスタンスをピンポイント検討。 

Directional dominance on stature and cognition in diverse human populations
Peter K. Joshi, et. al.
Nature (2015) doi:10.1038/nature14618


Homozygosity:ホモ接合性は稀だが、影響が大で、メンデル疾患と関連

35万4千224名の102コホート16の健康関連定量的Traitを用い、ホモ接合性を検討

身長、1秒量、全般認知機能、教育到達度の4つのTraitで統計学的有意相関
(p < 1 × 10 -300、 p < 2.1 × 10 -6、 p < 2.5 × 10 -10、 p < 1.8 × 10 -300

ホモ接合性増加する毎、Trait値減少と相関し、例えば身長1.2cm、教育レベル10ヶ月少ないことと相関する。

すなわち、遺伝的多様性背景をもつ人は、背が高い・成長が早く、認知機能すなわち知性が高い

逆に言えば、ヒトは、より知性的に、そして高身長へと進化しているのであると・・・



 
私には進化の過程が間に合わなかったようだ・・・

CPE遺伝子異常と肥満・2型糖尿病との関連性

MC4R遺伝子は重症肥満の20名に1人に関係し、食行動と関連しているが、あらたな知見で、”common FTO [fat mass and obesity-associated] polymorphisms”といったweak population-based associationとは異なる、はっきりした、肥満遺伝関連性の知見。


Carboxypeptidase Eは、ポリペプチドのC末端アルギニンもしくはリジン残基の分離を触媒する酵素で、CPE遺伝子でエンコードされ、CPEは多くのニューロペプタイド、ペプタイドホルモン


インスリンや、ニューロペプタイド全般の生成に関連するため、CPD遺伝子の変異と肥満の関連性は重要なのかもしれない。



血縁家族からの肥満女性で、 Exome Sequencing CPE遺伝子の短い遺伝子産物(truncating mutation) (c.76_98del; p.E26RfsX68)



Truncating Homozygous Mutation of Carboxypeptidase E (CPE) in a Morbidly Obese Female with Type 2 Diabetes Mellitus, Intellectual Disability and Hypogonadotrophic Hypogonadism
Suzanne I. M. Alsters , et. al.
PLOSone Published: June 29, 2015DOI: 10.1371/journal.pone.0131417












GWAはやりだが、はっきりした劣性・優性遺伝の形の単一遺伝子異常もまだ見逃されているのかも

2015年7月4日土曜日

COPD患者:脳fMRI mPFC、ACC活動性と「脅威に対する心理的な警戒状態」との関連性


「cue」や「vigilance」という心理学用語は、「脅威に対する心理的な警戒状態」に関連する用語と解釈すれば良いと思う。



COPD患者の重要な障害の原因は、呼吸困難で有ることは間違いないが、上り階段など環境要素が呼吸困難自覚を示し、身体活動以前に呼吸困難を訴える状況になる。呼吸困難を引き起こすきっかけ、すなわち「cue」に関連する脳の活動がCOPDと健康対照で違うのではないかという仮説を証明。


COPD患者において、脳のemotional circuitryは呼吸困難関連cueを患者自身がどうとらえるかと関係し、鬱、疲労、vigilance(警戒感)に影響される。

顕著なclueへの反応高まれば、慢性疼痛・喘息の症状知覚亢進と関連。こういった所見はCOPDにとって上記ごときメカニズムが著明となるのかもしれない。



Dyspnea-related cues engage the prefrontal cortex:
Evidence from functional brain imaging in COPD
Mari Herigstad,  et. al.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.15-0416 

COPD患者 41名 と 健康対照 40名マッチ化

fMRIタスクにて、COPD患者では、mPFC(内側前頭前皮質)とACC(前帯状皮質)の活動性が、言語CueによるVAS反応と相関していた。
この割創は、患者報告アンケートによるうつ、疲労、呼吸困難のvigilance(警戒感)と相関。
前部島皮質、外側PFC、楔状部はVAS呼吸困難スケールと相関していたが、アンケートとは相関せず



運動指導するときに、この心理的メカニズムを理解しておかないといけないのだろう。Cueに対する不安感・・・

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...