2016年9月1日木曜日

小児喘息 VESTRI研究:アドエア vs フルタイド 安全性検討:重大喘息<入院>イベント非劣性、急性増悪減少有意差無し

重症喘息イベント:シムビコート(ICS/LABA併用)はICS単独に比べ重大喘息イベント発生抑制 2016/9/1

こちらは小児限定だが、ほぼ同様の安全性非劣性の結果
しかしプライマリではないが急性増悪予防効果に有意差認めなかった


長時間作用性β作用薬:LABAは成人では喘息関連死、小児では喘息関連入院リスク増加の懸念あり
LABAのICSへのadd-on治療の安全性検討



Safety of Adding Salmeterol to Fluticasone Propionate in Children with Asthma
David A. Stempel, et. al.., for the VESTRI Investigators
N Engl J Med 2016; 375:840-849September 1, 2016 


小児(4-11歳)の連日喘息治療必要な症例、26週間の検討

プライマリアウトカムは、重症喘息急性増悪 (定義: deterioration of asthma leading to the use of systemic glucocorticoids (tablets, suspension, or inject ion) for at least 3 days (up to 10 days) or a single depot glucocorticoid injection.);微妙に「シムビコート vs パルミコート」と違う



6208名のうち重大喘息関連イベント(全例:入院)
アドエア:フルチカゾン-サルメテロール 27
フルタイド:フルチカゾン 21
ハザード比 1.28 (95% 信頼区間 [CI], 0.73 to 2.27)
非劣性 (P=0.006)


重大喘息急性増悪
アドエア:フルチカゾン-サルメテロール 265 例 (8.5%)
フルタイド:フルチカゾン 309例(10.0%)
(ハザード比, 0.86; 95% CI, 0.73 to 1.01)




・・・小児はICS単独優先すべきという議論に向かうのか?


重症喘息イベント:シムビコート(ICS/LABA併用)はICS単独に比べ重大喘息イベント発生抑制

2009年、FDAは市販後調査からLABA含有薬剤の安全性への懸念が呈された。アストラゼネカから宿題提出ということらしい

同様に、アドエア(フルチカゾン+サルメテロール) vs フルタイド(フルチカゾン)の宿題提出は

Safety of Adding Salmeterol to Fluticasone Propionate in Children with Asthma
David A. Stempel, et. al.., for the VESTRI Investigators
N Engl J Med 2016; 375:840-849September 1, 2016 
DOI: 10.1056/NEJMoa1606356



喘息死自体はICS/LABA(ブデソニド・ホルメテロール)で出現しているが、ICS(ブデソニド)単独では出現していない。5千名以上のサンプルなので統計学的な有意性は示されてない。そもそも、のかなりの重症喘息なので、リスキーな被検者たちということなのだろう。


一方で、こういう論文の結語が採用されると言うことは、言い換えれば、喘息治療目標は、死なないための治療とともに、<一定期間ステロイド治療や入院必要なほどの>重症喘息イベントを起こさせにくい治療ということなのだろう。



Serious Asthma Events with Budesonide plus Formoterol vs. Budesonide Alone
Stephen P. Peters, et. al.
N Engl J Med 2016; 375:850-860September 1, 2016DOI: 10.1056/NEJMoa1511190


多施設二重盲験26週間研究
12歳以上、持続性喘息(連日喘息治療) 、直近1年間1-4喘息急性増悪:但し生命危機発作例を除く

プライマリエンドポイントは初回重症喘息関連イベント(死亡、挿管、入院を含む;本文中記載は、3日以上全身ステロイド投薬必要な状況、喘息による入院、結果としてステロイド投与必要となった救急部受診):time-to-event analysis



ランダム化:11,693例

  • ブデソニド/フォルメテロール群 5846
  • ブデソニド群 5847


重症喘息関連イベント

  • ブデソニド/フォルメテロール群 43
  • ブデソニド群 40

 (ハザード比, 1.07; 95% 信頼区間 [CI], 0.70 to 1.65]); ブデソニド/フォルメテロール群はブデソニド単独比較非劣性

2例の喘息関連死、両群ともブデソニド/フォルメテロール群:1例は喘息関連挿管施行

喘息急性増悪のリスクは、ブデソニド単独よりブデソニド/フォルメテロールで16.5%少ない (ハザード比, 0.84; 95% CI, 0.74 to 0.94; P=0.002)





今日は、夏休みの宿題提出日ですね。夏休みぼけで、手ぶらで9月1日学校に行ったことのある人→私

COPDの合併症としての心房細動

COPD患者において、心房細動はコモンな合併症で、下記報告を参考にすると、1割強に合併していることとなる。

コントロールとしては抗血栓と心拍コントロール、他心不全対策となるのだろうが・・・

厳格に言えば、アーチスト(カルベジロール)の禁忌は「気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者[気管支筋 を収縮させることがあるので喘息症状の誘発、悪化を 起こすおそれがある。]」であり、COPDのみでは禁忌とはならない。喘息合併:ACOSなどの問題点からやはりβ遮断剤処方忌避することとなるのだろう。メインテート(ビソプロロール)の禁忌項目に喘息/気道攣縮認めない。

COPD患者の心房細動治療不十分が示唆される


Impact of Chronic Obstructive Pulmonary Disease on Prognosis in Atrial Fibrillation: A Report from the EURObservational Research Programme Pilot Survey on Atrial Fibrillation (EORP-AF) General Registry
Marco Proietti, et. al. , on behalf of EORP AF Investigators
AHJ American Heart Journal, 08/31/2016

EORP-AF Registry Pilot Phase登録患者の検討

AF患者のうち、COPD診断 339(11.0%) 
COPDのうちAFはリスク要素/合併症 burden多い、例えば、糖尿病、うっ血性心不全(p < 0.001)
COPD患者においてβ遮断薬処方少ない (p=0.0007)

COPD/AF患者はCV死亡、全原因死亡高リスク( p <  0.0001)、同様に、血栓塞栓/出血/CV死亡組み合わせアウトカムリスク増加 (p=0.0003)

Cox regression analysis にて COPDは全原因死亡リスク増加と独立して関連 (ハザード比1.55, 95%CI 1.05–2.28; P = .0269)





atrial fibrillation (HR 1.6).として表示されている





http://journal.copdfoundation.org/jcopdf/id/1022/Defining-COPD-Related-Comorbidities-2004-2014

2016年8月31日水曜日

CAD:肺結核診断補助

あらゆる分野で野心的であった昭和30-40年の日本なら、医療の現場を巻き込んで開発迅速に進んだのだろう。物を作ろうとしないのが普通になったバブル以降。大手フィルム会社の読影システムの値段見たら単純胸部レントゲンでの比較読影システムは*千万円これじゃ、どこも導入しないだろと・・・




胸部レントゲン(CXR)読影に於けるinter-reader reliabilityの問題克服に期待される、‘computer-aided detection’、すなわち、CAD技術を肺結核同定のため使用

  


Computer-aided detection of pulmonary tuberculosis on digital chest radiographs: a systematic review
Pande, T. et. al.
The International Journal of Tuberculosis and Lung Disease, Volume 20, Number 9, 1 September 2016, pp. 1226-1230(5)

CAD4TBだけ?
http://www.delftimagingsystems.com/computer-aided-detection-for-tuberculosis-(cad4tb)---delft-imaging-systems.html









閾値設定に難儀?

メトホルミン:1型糖尿病 心血管予防効果 循環中血管内皮細胞と血管内皮前駆細胞数

1型糖尿病(T1DM)は心血管疾患(CVD)リスク増加と関連、血管内皮前駆細胞(血管幹細胞): endothelial progenitor cells (EPCs) の数が血管内皮修復能力低下やCVDの発症にpivotalな役割を果たすと考える
メトホルミンのCVD予防的効果は、このc(循環)EPCsの増加、pro-angiogenic cell(PAC)sの増加、cEC(血管内皮細胞)sの減少を介したもので、血糖コントロール不変でも生じる効果
仮説検証



Metformin improves circulating endothelial cells and endothelial progenitor cells in type 1 diabetes: MERIT study
Fahad W. Ahmed, et. al.
Cardiovascular Diabetology201615:116
DOI: 10.1186/s12933-016-0413-6©  The Author(s) 2016
Received: 3 April 2016Accepted: 20 June 2016Published: 26 August 2016

オープンラベル・標準治療平行研究:33名のT1DM患者・CVD明確な合併無し

ベースラインで、治療群は、健康ボランティア群(HC)に比べ、cEOCs、PACs、CFU-Hillコロニー、PACs adhesion低値(p < 0.001)、secs高値 (p=0.03)


メトホルミンでは、HbA1cや血糖変数(平均血糖、血糖標準偏差、mean amplitude of glycemic excursions (MAGE):血糖値のピークとそれに続く底値 (nadir) との差、continuous overall net glycaemic action and area under curve)は不変だが、健康対照ボランティアと比べ、cEPCs、PACs、CFU-Hill colony数、sECs、PACsadhesionを改善 (p < 0.05 ;全ての変数に対し)


標準治療(SG)では変数変化認めず
CFU-Hillコロニーと、sECsの逆相関





2型糖尿病関連の心血管疾患予防効果基礎研究多く存在
AMPK関連が多い印象だが・・・

e.g.)
https://www.researchgate.net/publication/51624535_The_cardioprotective_effects_of_metformin






2016年8月30日火曜日

DPP-4阻害剤:アジア人 vs 白人の効果同等だがHOMA-β劣る 

文献上のT2DMへのDPP-4阻害剤をメトホルミン(MET)にadd-onしたときの人種差比較



併用におけるT2DMに対して安全性有効性は確認され、アジア人、コーカシアンにとって血糖降下作用は同様だが、HOMA-βはアジア人では低下効果劣る


Efficacy, safety and impact on β-cell function of dipeptidyl peptidase-4 inhibitors plus metformin combination therapy in patients with type 2 diabetes and the difference between Asians and Caucasians: a meta-analysis
Journal of Endocrinological Investigation  September 2016, Volume 39, Issue 9, pp 1061–1074


2000年1月1日から2016年4月14日までの文献:T2DMのDPP-4阻害剤+メトホルミンのRCT
27のRCT


メトホルミン単独投与に比べ、DPP-4阻害剤併用は

以下減少有意

  • HbA1c [−0.61 %, −0.69 to −0.52]
  •  FPG [−1.10 mmol/l, −1.29 to −0.92]
  • TC [−0.11 mmol/l, −0.20 to −0.02]
  • TG [−0.21 mmol/l, −0.33 to −0.10]
  • HOMA-IR [−0.19, −0.36 to −0.02]
  • 胃腸副作用 [OR 0.86, 0.77–0.97]
以下は増加
  • HOMA-βは増加 [10.21, 7.73–12.69]



HbA1c(−0.05 % (−0.30, 0.20; P = 0.69))、FPG( 0.17 mmol/l (−0.52, 0.85; P = 0.62))、体重(−0.15 kg (−0.64, 0.35; P = 0.53))、HOMA-IR(0.27 (−0.98, 1.53; P = 0.64))のアジア人とコーカシアンの群間有意差認めず



アジア人とコーカシアンで、HOMA-β有意差あり −7.68 (−14.95, −0.42; P = 0.04)
アジア人にとって、HOMA-βの効果は劣性





インスリン分泌促進効果堕ちるのに他の効果は同等とは・・・これ如何に?




CE-MARC 2 研究:心血管MRにて無駄な心血管造影オッズ減らすこと可能、心筋シンチも同等の価値

序文から:冠動脈性心疾患は世界的にも死亡・障害の主要因。冠動脈性心疾患診断、血管再建必要性判断、リスク層別化の上に、いくつかの検査方法が試みられている。心筋潅流シンチグラフィ(MPS)は世界的に用いられて、予後評価に関するエビデンス豊富である。次第に、心血管MR(CMR)の診断の正確性、予後評価が高まっている。


心血管MR検査が、ガイドラインベースの直接検査より優れているのではないかと仮説
その検証


Effect of Care Guided by Cardiovascular Magnetic Resonance, Myocardial Perfusion Scintigraphy, or NICE Guidelines on Subsequent Unnecessary Angiography Rates
The CE-MARC 2 Randomized Clinical Trial
John P.
Greenwood, et. al. ; for the CE-MARC 2 Investigators
JAMA. Published online August 29, 2016. doi:10.1001/jama.2016.12680


 英国6病院の多施設3平行群RCT:pragmatic comparative effectiveness design
 1202名の有症状、CHD疑い症例
 CHD 試験前尤度 10%〜90%

 主要アウトカム・測定:12ヶ月以内の事前設定不必要冠動脈造影(正常fractional flow reserve >0.8 or 定量的冠動脈評価(QCA):直径2.5mm以上の冠状動脈血管全て:1view 70%以上、2直交viewで50%以上)
二次エンドポイント:血管造影陽性所見、重大副事象心血管イベント(MACEs)、検査関連合併症

結果:
1202有症状患者(年齢平均 56.3歳[SD 9.0]、 女性 564 [46.9%]、平均CHD 検査前尤度 49.5 % [SD 23.8%)
12ヶ月後侵襲的冠動脈造影施行数、NICEガイドライン群 102 (42.5% [95% CI, 36.2%-49.0%])]、CMR群 85 (17.7% [95% CI, 14.4%-21.4%])、MPS群 78 (16.2% [95% CI, 13.0%-19.8%])

研究定義不要冠動脈造影
NICEガイドライン群: 69 (28.8%)
 CMR群: 36 (7.5%)
 MPS群: 34 (7.1%)
; 不要冠動脈造影補正オッズ比 : CMR group vs NICE guidelines group, 0.21 (95% CI, 0.12-0.34, P < .001); CMR group vs the MPS group, 1.27 (95% CI, 0.79-2.03, P = 0.32)

血管造影陽性比率
NICEガイドライン群: 12.1% (95% CI, 8.2%-16.9%; 29/240 patients)
CMR群: 9.8% (95% CI, 7.3%-12.8%; 47/481 patients)
MPS群;  8.7% (95% CI, 6.4%-11.6%; 42/481 patients)


MACE(最低12ヶ月間)
NICEガイドライン群: 1.7%
CMR群: 2.5%
MPS群: 2.5%
 (adjusted hazard ratios: CMR group vs NICE guidelines group, 1.37 [95% CI, 0.52-3.57]; CMR group vs MPS group, 0.95 [95% CI, 0.46-1.95])







 結論:12ヶ月以内評価による不要とされる冠動脈血管造影検査は、NICEガイドラインによるガイダンスより、心血管MR(CMR)による検討の方が不要な検査尤度を減少可能である
心血管MR(CMR)心筋潅流シンチグラフィ(MPS)戦略では統計学的有意差認めず
 MACE率に差を認めず






コスト効果など他側面の検証も必要だろう

noteへ実験的移行

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