2016年9月6日火曜日

Salford Lung Study:COPD中等症/重症急性増悪発生減少効果 レルベア・エリプタ(ICS/LABA) vs 通常ケア

Salford Lung Study


  • ランカルボン酸フルチカゾン(吸入ステロイド:ICS)+ビランテロール(長時間作用β2アゴニスト:LABA)の合剤である、レルベア・エリプタ
  • 対照:通常ケア


なにかと批判の多い、吸入ステロイドのCOPDへの処方・使用



European Respiratory Society (ERS) International Congress
関連:Medpage Today

Effectiveness of Fluticasone Furoate–Vilanterol for COPD in Clinical Practice Jørgen Vestbo,et. al., for the Salford Lung Study Investigators
New Engl. J. Med. September 4, 2016DOI: 10.1056/NEJMoa1608033


同時発表


GP 75、2799名の、1日1回吸入レルベア治験

プライマリアウトカム:中等症/重症急性増悪 1年以内経験
セカンダリアウトカム:プライマリケア・コンタクト率(GP、看護師、他の医療職業者コンタクト)、セカンダリケア・コンタクト率(入院、専門家外来、ED受診)、COPD初期治療変更、3年内急性増悪患者のうち急性増悪率、time-to-event analysis分析


COPD患者の中等症/重症急性増悪を8.4% (95% 信頼区間 : CI, 1.4 - 14.9 , p=0.02)減少
COPD関連プライマリケア・コンタクト、セカンダリケア・コンタクト年間発生率に有意差なし

time-to-event analysisにおいて、初回中等症/重症急性増悪率、初回重症急性増悪発生率に有意差無し

エリプタ群に関する、肺炎に関する超過副事象認めず

他の重症イベント数は群間差認めず










好酸球、eosinophilの記載見当たらない・・・

2016年9月2日金曜日

COPDにおける肥満のインパクト

COPDにおける肥満のインパクト

Obesity is Associated with Increased Morbidity in Moderate to Severe COPD
Allison A.
Lambert, et. al.
Chest. 2016. doi:10.1016/j.chest.2016.08.1432



多施設前向きコホート研究:3631名 COPDGene

肥満35%、class I (BMI 30-34.9kg/m2)肥満 21%、 Class II(BMI 35-39.9kg/m2) 肥満 9%、 class III  (BMI ≥ 40kg/m2)肥満 5%

併存症数は肥満class増加とともに増加  (p<0 .001="" p="">
肥満class増加は、呼吸器特異的QOL、全般QOL悪化と相関 (QOL; St. George’s Respiratory Questionnaire score 、Short Form-36 score v2)、6分間歩行距離 (6MWD)低下、呼吸困難 (modified Medical Research Council score of ≥2)増加と相関、COPD重症急性増悪(AECOPD)オッズ増加

肥満とアウトカム悪化の関連性は併存症から独立
例外はSF-36と重症急性増悪症例





東洋人にはありえない肥満だから・・・参考にならない? 逆に、肥満不耐性のアジア人だから参考になる?

2016年9月1日木曜日

小児喘息 VESTRI研究:アドエア vs フルタイド 安全性検討:重大喘息<入院>イベント非劣性、急性増悪減少有意差無し

重症喘息イベント:シムビコート(ICS/LABA併用)はICS単独に比べ重大喘息イベント発生抑制 2016/9/1

こちらは小児限定だが、ほぼ同様の安全性非劣性の結果
しかしプライマリではないが急性増悪予防効果に有意差認めなかった


長時間作用性β作用薬:LABAは成人では喘息関連死、小児では喘息関連入院リスク増加の懸念あり
LABAのICSへのadd-on治療の安全性検討



Safety of Adding Salmeterol to Fluticasone Propionate in Children with Asthma
David A. Stempel, et. al.., for the VESTRI Investigators
N Engl J Med 2016; 375:840-849September 1, 2016 


小児(4-11歳)の連日喘息治療必要な症例、26週間の検討

プライマリアウトカムは、重症喘息急性増悪 (定義: deterioration of asthma leading to the use of systemic glucocorticoids (tablets, suspension, or inject ion) for at least 3 days (up to 10 days) or a single depot glucocorticoid injection.);微妙に「シムビコート vs パルミコート」と違う



6208名のうち重大喘息関連イベント(全例:入院)
アドエア:フルチカゾン-サルメテロール 27
フルタイド:フルチカゾン 21
ハザード比 1.28 (95% 信頼区間 [CI], 0.73 to 2.27)
非劣性 (P=0.006)


重大喘息急性増悪
アドエア:フルチカゾン-サルメテロール 265 例 (8.5%)
フルタイド:フルチカゾン 309例(10.0%)
(ハザード比, 0.86; 95% CI, 0.73 to 1.01)




・・・小児はICS単独優先すべきという議論に向かうのか?


重症喘息イベント:シムビコート(ICS/LABA併用)はICS単独に比べ重大喘息イベント発生抑制

2009年、FDAは市販後調査からLABA含有薬剤の安全性への懸念が呈された。アストラゼネカから宿題提出ということらしい

同様に、アドエア(フルチカゾン+サルメテロール) vs フルタイド(フルチカゾン)の宿題提出は

Safety of Adding Salmeterol to Fluticasone Propionate in Children with Asthma
David A. Stempel, et. al.., for the VESTRI Investigators
N Engl J Med 2016; 375:840-849September 1, 2016 
DOI: 10.1056/NEJMoa1606356



喘息死自体はICS/LABA(ブデソニド・ホルメテロール)で出現しているが、ICS(ブデソニド)単独では出現していない。5千名以上のサンプルなので統計学的な有意性は示されてない。そもそも、のかなりの重症喘息なので、リスキーな被検者たちということなのだろう。


一方で、こういう論文の結語が採用されると言うことは、言い換えれば、喘息治療目標は、死なないための治療とともに、<一定期間ステロイド治療や入院必要なほどの>重症喘息イベントを起こさせにくい治療ということなのだろう。



Serious Asthma Events with Budesonide plus Formoterol vs. Budesonide Alone
Stephen P. Peters, et. al.
N Engl J Med 2016; 375:850-860September 1, 2016DOI: 10.1056/NEJMoa1511190


多施設二重盲験26週間研究
12歳以上、持続性喘息(連日喘息治療) 、直近1年間1-4喘息急性増悪:但し生命危機発作例を除く

プライマリエンドポイントは初回重症喘息関連イベント(死亡、挿管、入院を含む;本文中記載は、3日以上全身ステロイド投薬必要な状況、喘息による入院、結果としてステロイド投与必要となった救急部受診):time-to-event analysis



ランダム化:11,693例

  • ブデソニド/フォルメテロール群 5846
  • ブデソニド群 5847


重症喘息関連イベント

  • ブデソニド/フォルメテロール群 43
  • ブデソニド群 40

 (ハザード比, 1.07; 95% 信頼区間 [CI], 0.70 to 1.65]); ブデソニド/フォルメテロール群はブデソニド単独比較非劣性

2例の喘息関連死、両群ともブデソニド/フォルメテロール群:1例は喘息関連挿管施行

喘息急性増悪のリスクは、ブデソニド単独よりブデソニド/フォルメテロールで16.5%少ない (ハザード比, 0.84; 95% CI, 0.74 to 0.94; P=0.002)





今日は、夏休みの宿題提出日ですね。夏休みぼけで、手ぶらで9月1日学校に行ったことのある人→私

COPDの合併症としての心房細動

COPD患者において、心房細動はコモンな合併症で、下記報告を参考にすると、1割強に合併していることとなる。

コントロールとしては抗血栓と心拍コントロール、他心不全対策となるのだろうが・・・

厳格に言えば、アーチスト(カルベジロール)の禁忌は「気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者[気管支筋 を収縮させることがあるので喘息症状の誘発、悪化を 起こすおそれがある。]」であり、COPDのみでは禁忌とはならない。喘息合併:ACOSなどの問題点からやはりβ遮断剤処方忌避することとなるのだろう。メインテート(ビソプロロール)の禁忌項目に喘息/気道攣縮認めない。

COPD患者の心房細動治療不十分が示唆される


Impact of Chronic Obstructive Pulmonary Disease on Prognosis in Atrial Fibrillation: A Report from the EURObservational Research Programme Pilot Survey on Atrial Fibrillation (EORP-AF) General Registry
Marco Proietti, et. al. , on behalf of EORP AF Investigators
AHJ American Heart Journal, 08/31/2016

EORP-AF Registry Pilot Phase登録患者の検討

AF患者のうち、COPD診断 339(11.0%) 
COPDのうちAFはリスク要素/合併症 burden多い、例えば、糖尿病、うっ血性心不全(p < 0.001)
COPD患者においてβ遮断薬処方少ない (p=0.0007)

COPD/AF患者はCV死亡、全原因死亡高リスク( p <  0.0001)、同様に、血栓塞栓/出血/CV死亡組み合わせアウトカムリスク増加 (p=0.0003)

Cox regression analysis にて COPDは全原因死亡リスク増加と独立して関連 (ハザード比1.55, 95%CI 1.05–2.28; P = .0269)





atrial fibrillation (HR 1.6).として表示されている





http://journal.copdfoundation.org/jcopdf/id/1022/Defining-COPD-Related-Comorbidities-2004-2014

2016年8月31日水曜日

CAD:肺結核診断補助

あらゆる分野で野心的であった昭和30-40年の日本なら、医療の現場を巻き込んで開発迅速に進んだのだろう。物を作ろうとしないのが普通になったバブル以降。大手フィルム会社の読影システムの値段見たら単純胸部レントゲンでの比較読影システムは*千万円これじゃ、どこも導入しないだろと・・・




胸部レントゲン(CXR)読影に於けるinter-reader reliabilityの問題克服に期待される、‘computer-aided detection’、すなわち、CAD技術を肺結核同定のため使用

  


Computer-aided detection of pulmonary tuberculosis on digital chest radiographs: a systematic review
Pande, T. et. al.
The International Journal of Tuberculosis and Lung Disease, Volume 20, Number 9, 1 September 2016, pp. 1226-1230(5)

CAD4TBだけ?
http://www.delftimagingsystems.com/computer-aided-detection-for-tuberculosis-(cad4tb)---delft-imaging-systems.html









閾値設定に難儀?

メトホルミン:1型糖尿病 心血管予防効果 循環中血管内皮細胞と血管内皮前駆細胞数

1型糖尿病(T1DM)は心血管疾患(CVD)リスク増加と関連、血管内皮前駆細胞(血管幹細胞): endothelial progenitor cells (EPCs) の数が血管内皮修復能力低下やCVDの発症にpivotalな役割を果たすと考える
メトホルミンのCVD予防的効果は、このc(循環)EPCsの増加、pro-angiogenic cell(PAC)sの増加、cEC(血管内皮細胞)sの減少を介したもので、血糖コントロール不変でも生じる効果
仮説検証



Metformin improves circulating endothelial cells and endothelial progenitor cells in type 1 diabetes: MERIT study
Fahad W. Ahmed, et. al.
Cardiovascular Diabetology201615:116
DOI: 10.1186/s12933-016-0413-6©  The Author(s) 2016
Received: 3 April 2016Accepted: 20 June 2016Published: 26 August 2016

オープンラベル・標準治療平行研究:33名のT1DM患者・CVD明確な合併無し

ベースラインで、治療群は、健康ボランティア群(HC)に比べ、cEOCs、PACs、CFU-Hillコロニー、PACs adhesion低値(p < 0.001)、secs高値 (p=0.03)


メトホルミンでは、HbA1cや血糖変数(平均血糖、血糖標準偏差、mean amplitude of glycemic excursions (MAGE):血糖値のピークとそれに続く底値 (nadir) との差、continuous overall net glycaemic action and area under curve)は不変だが、健康対照ボランティアと比べ、cEPCs、PACs、CFU-Hill colony数、sECs、PACsadhesionを改善 (p < 0.05 ;全ての変数に対し)


標準治療(SG)では変数変化認めず
CFU-Hillコロニーと、sECsの逆相関





2型糖尿病関連の心血管疾患予防効果基礎研究多く存在
AMPK関連が多い印象だが・・・

e.g.)
https://www.researchgate.net/publication/51624535_The_cardioprotective_effects_of_metformin






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