2012年5月4日金曜日

静脈血栓塞栓:妊娠中圧迫超音波検査陰性なら安全にイベント発生除外可能


妊娠・出産後 216名女性の前向き研究で、単回の近位・遠位側圧迫超音波検査(comlete compression ultrasonography)による静脈血栓症(DVT)イベント率は、非妊娠中女性研究における観察範囲と同様に思われる。すなわち、これらのデータは、単回のcomplete compression ultrasonography陰性では、DVT診断を安全には除外できると結論づけ。



Diagnostic value of single complete compression ultrasonography in pregnant and postpartum

women with suspected deep vein thrombosis: prospective study
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e2635 (Published 24 April 2012) Cite this as: BMJ 2012;344:e2635

【目的】 深部静脈血栓症除外のための、妊娠・出産後女性での単回comlete compression ultrasonographyによる安全性評価
【デザイン】 Prospective outcome study.
【セッティング】 フランスとスイスの血管医学 2つの3次センターと18のプライベート施設
【被験者】 深部静脈血栓疑いのための、妊娠・出産後女性 226 名
【メソッド】 単一近位・遠位 compression ultrasonography 検査完遂陰性結果のすべての女性は、抗凝固療法受けず、3ヶ月間フォローアップ。
【測定主要アウトカム】 静脈血栓塞栓症症状、2回目のcompression ultrasonography、胸部画像、血栓塞栓イベント、抗凝固療法
【結果】 除外16名で、主に、肺血栓塞栓疑いがその理由。 深部静脈血栓は評価210名中22名(10.5%) フォローアップ中検査陰性にかかわらず抗凝固療法完全量受けたのは10名
深部静脈血栓のないそして抗凝固療法完全量投与してない177名中、フォローアップ中、2名(1.1%、95%信頼区間 0.3%ー4.0%)は深部静脈血栓客観的確定診断 Of the 177







【結論】単回のcompression ultrasonography後の深部静脈血栓率は非妊娠対象者研究で見られる範囲内であるようだ。

これらのデータにより、単回のcompression ultrasonography陰性結果は、この状況での深部静脈血栓診断を安全に除外できる。

2009インフルエンザワクチン:妊娠中接種は胎児死亡増加関連せず

A/H1N1 2009 インフルエンザ・パンデミック以降、妊娠中女性へのユニバーサルワクチンが推奨されている。妊娠中季節型ワクチンへのワクチン接種にかかわらず、ワクチン摂取率は低い。低接種率は、妊娠中のワクチンに対する安全性への疑念が女性、医療スタッフにあることが一因と考えられた。

以下の報告にて、妊娠中ワクチンの安全性エビデンスが加わった。

Vaccination against pandemic A/H1N1 2009 influenza in pregnancy and risk of fetal death:
cohort study in Denmark

BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e2794 (Published 2 May 2012) 
BMJ 2012;344:e2794
【序文】
アジュバント・パンデミック A/H1N1 2009 インフルエンザワクチンの妊娠中接種が胎児死亡リスク増加と関連するかどうかの検討

【デザイン】 Nationwide register based cohort study.

【セッティング】 Denmark.

【被験者】
すべての臨床的に単胎妊娠:2009年11月ー2010年9月
不活化AS03 pandemic A/H1N1 2009 influenza vaccine (Pandemrix) と寄与要素暴露個別データを個別人的特性を用いた研究コホート

【測定アウトカム】
・プライマリアウトカム:胎児死亡リスク(自然流産、死産)、H1N1ワクチンと非ワクチン比較(propensity score補正)
・セカンダリアウトカム:自然流産(7−22週)、死産(22週後)

【結果】
54584妊娠;7062(12.9%)pandemic A/H1N1 2009 influenza ワクチン

胎児死 1818(自然流産 1678、死産 140

H1N1ワクチン暴露は胎児死亡リスク増加と相関せず(補正ハザード比 0.79、95%信頼区間 0.53ー1.73)

セカンダリアウトカムとして、自然流産 1.11、95%CI、 0.71ー1.73、 死産 0.44 95%CI、0.20ー0.94

胎児死亡推定は合併症あり、合併症なしで同様(0.82, 0.44 - 1.53、0.77, 0.47 - 1.25)

【結論】
大規模コホート研究で、胎児司法は、妊娠中アジュバント化A/H1N1 2009インフルエンザワクチン暴露と相関せず。

2012年5月3日木曜日

ωー3不飽和脂肪酸高摂取はAβ42血中濃度低下と関連 ・・・

ω-3不飽和脂肪酸摂取増加と、Aβ42血中濃度低下と相関

アルツハイマー病リスク特性と相関するはず・・・という主張

Nutrient intake and plasma β-amyloid
Neurology WNL.0b013e318258f7c2
http://www.neurology.org/content/early/2012/05/02/WNL.0b013e318258f7c2.

abstract

横断研究
β-amyloid (Aβ)40、 Aβ42と 食事データを1219名の認知機能健常な老人(> 65歳)で、地域ベース多民族コホート
非補正モデルでは、ω3-PUFA高摂取はAβ40低値と相関 (β = −24.7, p < 0.001) 、Aβ42低値 (β = −12.3,
p < 0.001)と相関
補正モデルでは、ω3-PUFAはAβ42の強い予測要素 (β = −7.31, p = 0.02)のまま Aβ40との関連は減弱 (β = −11.96, p = 0.06)
他の栄養素はAβ値と相関せず

2012年5月2日水曜日

9時間以上寝れば肥満遺伝性影響少なくなる、7時間未満だと影響大

多くのメディアで取り上げられている・・・日本でも紹介されるだろう。



 "sleep diet" が、体重増加傾向の遺伝を有する人たちにとって,スリム化をもたらす方法となるかもしれない。9時間超の睡眠は、体重増加遺伝要素を抑制することを示す報告で、睡眠不足は逆の効果を示すとのこと。

同じ遺伝子を有する双生児で環境要素をみたもので、BMIの遺伝性が長期睡眠者に比べ短期睡眠者では2倍ほど影響があるという報告。

7時間未満の睡眠の双生児はの片割れはBMIの影響70%、9時間を越える睡眠の場合は32%の影響。


 Sleep Duration and Body Mass Index in Twins: A Gene-Environment Interaction Sleep VOLUME 35, ISSUE 05 http://www.journalsleep.org/ViewAbstract.aspx?pid=28504



関連:
シフト労働:“睡眠時間短縮”+“概日リズムの乱れ” → 安静代謝低下 年4.5kg体重増加に相当 2012年4月12日木曜日


睡眠薬と死亡率の関連 ;年18回分処方ですら死亡率増加 2012年2月29日

急性肺障害:マクロライド抗生剤使用によりアウトカム改善

急性肺障害 Acute lung injury (ALI)は米国内で年間20万人発症し、死亡率30%-40%の疾患である。低一回換気量人工呼吸の普及で死亡率低下、多数の薬物的介入が試みられているが、死亡率減少に関してはそれ以上の明確な進展が観られない。

マクロライドは、抗菌効果に加え、抗炎症効果もあり、慢性肺疾患、たとえばびまん性汎細気管支炎や嚢胞性肺線維症などにベネフィットがある。ALIでのマクロライドの役割が期待されている。


Acute Respiratory Distress Syndrome Network (ARDSNet) Lisofylline and Respiratory Management of Acute Lung Injury (LARMA) trialのデータを用いての検討

結論としては、共役要素補正後、マクロライド使用はALI患者のアウトカム改善と相関する というもの

Macrolide Antibiotics and Survival in Patients With Acute Lung Injury
Allan J. Walkey and Renda S. Wiener
Chest 2012;141 1153-1159
http://chestjournal.chestpubs.org/cgi/content/abstract/141/5/1153?etoc


トライアル登録24時間以内、235名中47名(20%)で、マクロライド抗生剤投与

マクロライドであるエリスロマイシン投与が最も多く57%、次が アジスロマイシン 40%

登録後マクロライド使用使用期間中央値は 4日間(中間4分位 2-8日間)

死亡比較
マクロライド使用 11/47(23%)
マクロライド無使用 67/188(36%) (P=0.11)

マクロライド投与登録者は、ALIリスク要素としての肺炎合併例が多く、非肺敗血症は少なく、そして、低一回換気量喚起ランダム割り付け群少なく、治験登録前の滞在期間は短かった。


寄与要素補正後、マクロライド使用は180日死亡率低下と相関  (hazard ratio [HR], 0.46; 95% CI, 0.23-0.92; P = .028) 、 機械式人工呼吸離脱成功までの期間短縮と相関 (HR, 1.93; 95% CI, 1.18-3.17; P = .009)

逆に、フルオロキノロン(n=90)とセファロスポリン抗生剤(n=93)はアウトカム改善と関連せず



喘息:LABAによる血管拡張、吸入ステロイドで減弱せず・・・ 気管支拡張作用促進的メカニズムに関与?

気道内には、平滑筋として、気道だけで無く、血管にも存在する。 喘息において、気道平滑筋にばかり目が行きそうだが、血管平滑筋のことも忘れないでください。
ということで、気道内血流(Qaw)をsoluble inert gas uptake methodで測定し、検討した報告。
  



Acute Effects of Salmeterol and Fluticasone Propionate Alone and in Combination on Airway Blood Flow in Patients With Asthma
Eliana S. Mendes, et. al.
Chest May 2012 141:5 1184-1189; published ahead of print October 6, 2011, doi:10.1378/chest.11-0685

14名の中等症喘息、サルメテロール(50μg)、フルチカゾンプロピオン酸(250μg)、サルメテロール/フルチカゾンプロピオン酸(50/250)、プラシーボ比較


airway blood flow (Qaw) を薬剤投与前と投与後240分で測定

サルメテロールとサルメテロール/フルチカゾンプロピオン酸投与後平均Qawは増加、ピークは60分後で、34%、40%それぞれ増加。240分後ベースラインに戻る。

フルチカゾンプロピオン酸単独では平均Qawの一過性減少がある。

Qaw最大変化は、サルメテロールで60%、サルメテロール/フルチカゾンプロピオン酸で67%、フルチカゾンプロピオン酸単独では19%(P<.05)


LABA単独では、安定喘息患者で急性の血管拡張作用を示す。
フルチカゾンプロピオン酸を追加することで、血管収縮を生じるが、サルメテロールによる血管拡張を減衰できない。フルチカゾンプロピオン酸はサルメテロールの血管拡張作用をを促進することを示す。
血管拡張は、血管クリアランス促進作用、気道からのれん縮作用物質を含むメディエータの血管クリアランス促進による臨床的ベネフィットを示すのではないかという考察。

ClinicalTrial.gov 登録 トライアルもまた、小規模研究多く、方法論的にばらつきが大きく、エビデンス構築にふさわしくないトライアルが多い

それ以下の治験で確定的であるかごとく報道する日本のマスコミや研究者達。

それに比べればと、ClinicalTrials.govに登録されているだけでも、ある程度信用してしまうのだが・・・


”Large-Scale Analysis Finds Majority of Clinical Trials Don't Provide Meaningful Evidence ScienceDaily (May 1, 2012) ”と解説がなされ、高品質のエビデンスを構築するには品質に問題がある臨床トライアルが多数であるとのこと。

ClinicalTrials.govに登録された臨床トライアルは少数トライアルが多く、heterogeneityがあり、特に、手法、ランダム化、盲目化、DMCs(データモニタリング委員会)の使用などに、ばらつきがある


Characteristics of Clinical Trials Registered in ClinicalTrials.gov, 2007-2010
Robert M. Califf, et. al.
JAMA. 2012;307(17):1838-1847. doi: 10.1001/jama.2012.3424

ClinicalTrials.gov 登録の介入臨床トライアル データベースの検討

2010年9月27日ダウンロード分

介入臨床トライアル登録数は28881(2004年10月-1007年9月)から40970(2007年10月-2010年9月)と増加、喪失データ要素数減少。

2007-2010間の多くの介入トライアルは少数、被験者100以下が62%

多くの臨床トライアルは単施設  (66%; 24 788/37 520) 、企業やNIHといったものより機構組織基金が多い  (NIH) (47%; 17 592/37 520)

臨床的特異性に基づく報告方法、スポンサー種類、DMC(データモニタリング委員会)報告活用、報告方法、ランダム化、盲目化のheterogeneityは明らか


たとえばDMC活用報告は、企業スポンサー vs NIHスポンサートライアル間(補正オッズ比 [OR], 0.11; 95% CI, 0.09-0.14)、早期相トライアル vs 第Ⅲ相 (補正 OR, 0.83; 95% CI, 0.76-0.91)、精神科疾患トライアル vs 他の2分野間に差がある

同様比較で、ランダム化・盲目化は、早期相トライアル、がん、デバイストライアルでの比率が少ない。

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note