2012年8月20日月曜日

米国FDAアクトス後発品承認 ・・・ 副作用の多い薬剤;日本の安易なジェネリック推進の代償としての副作用情報の欠落

日本に遅れて、米国FDAでも、アクトス・ジェネリック承認

この薬剤、あらためて副作用項目の多い薬剤であることを再認識させられる。

FDA approves first generic Actos to treat type 2 diabetes
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm315951.htm 

安全性情報に関する記載
安全性情報として、Boxed Warningは、特定対象での 心不全悪化 で、十分な観察が必要
1年間を越えて使用する場合膀胱癌リスクと関連する可能性がある。
頻度の多い副作用として 感冒症状、頭痛、副鼻腔感染、筋痛、咽頭痛

FDAも日本と同様の説明、“ the same high quality and strength as brand-name drugs”と、先発品と同等の質と効果があると説明している。


先発メーカーも副事象情報正しく情報提供してるとは思えない。

 JAMA誌: アクトスを安易に使うな!2011年 02月 09日

膀胱癌リスク:アクトス独特? 2012年7月5日

破骨細胞バイオマーカー増加:アクトスなどのTZD系薬剤の女性糖尿病患者への悪影響2010年 02月 01日

アクトスなどの抗糖尿病薬は糖尿病性黄斑浮腫リスク増加させる 2012年6月12日
 が、それ以上に後発メーカーの放置ぶりが気になる

 http://www.nichiiko.co.jp/medicine/seihin_sheet.php?id=01240

副作用情報を含め医薬品情報、現時点で確認する限り 、昨年11月から放置の状況


政府の安易なジェネリック推奨の代償として、薬品安全性情報欠如が生じている。大きな健康被害を生じ、結局、血税から補填ということにならなければ良いが・・・そして、医療関係者も、大きな負債を生じなければ良いが・・・

妊娠第1トリメスター時の母の喫煙は、子供の就学前喘鳴・喘息に、用量依存的に影響を及ぼす

妊娠中喫煙は、就学全児童の喘息発症、喘鳴問題のリスク増加をもたらすことが、2万1千名超の誕生大規模データにてはメイン

1stトリメスターの母体の喫煙量に用量依存的とのこと


SOURCE: American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, news release, Aug. 17, 2012 Last Updated: Aug. 17, 2012

情報ソース: http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=667724
Smoking During Pregnancy May Cause Asthma, Wheezing in Kids
More breathing problems seen in preschoolers even if mothers stopped smoking once they were born
news releaseに掲載されてない 

急性肺障害・ARDSへのPartilatory Support

死亡率影響に関する研究は不充分だが、ICU滞在・人工呼吸期間への好影響、他、生理学的影響は好影響を示した。


Partial Ventilatory Support Modalities in Acute Lung Injury and Acute Respiratory Distress Syndrome—A Systematic Review.
McMullen SM, Meade M, Rose L, Burns K, Mehta S, et al. (2012)
PLoS ONE 7(8): e40190. doi:10.1371/journal.pone.0040190



2つのRCTと、6つの前向きコホート、1つの後顧的コホート、1つの症例対照研究、41の臨床生理学的研究、28のpre-clinical study

死亡率評価判断パワー研究無し、1つのRCTでIUC滞在期間短縮、無人工呼吸日数の増加を示した。

自発呼吸を温存するベネフィットが主に生理学的影響を与え、ガス交換改善、血行動態改善効果をもたらし、肺以外臓器潅流・機能に好影響を与えた。

 

2012年8月17日金曜日

卵は動脈硬化悪化させる; 卵黄×年は心血管リスク増加と相関

“たまごの摂取”に関しては心血管イベントとの関連性明らかでないというのが一般的だったと思う。最下段のごとく、AHAでもたまご制限を推奨してないと思う。

“たまご”の摂取に関しては、“空腹時コレステロール”と指標とする栄養指導と、食事性コレステロールのもたらす副事象影響の混同もあり、クリアカットな指導が難しい現状がある。

そんななか、卵黄が動脈硬化進展性に働くという直接証拠の報告

マスメディアは、卵黄はたばこ並みにやばいhttp://www.cbc.ca/news/canada/windsor/story/2012/08/14/wdr-egg-yolk.html)と表現


Egg yolk consumption and carotid plaque
J. David Spence et. al.
Atherosclerosis Available online 31 July 2012

カナダの心血管予防クリニック患者での total plaque area (TPA)評価
卵黄摂取量と、喫煙(pack-years)の検討

連続患者:ベースラインでTPA(duplex ultrasound)測定

データ:1262名 平均(SD)年齢 61.5(14.8)歳、女性 47%

Carotid plaque area 40歳後線形に増加。しかし、喫煙pack-yearと卵黄年により対数的に増加

プラーク面積
卵 <2個/週(n=388) 125 ± 129 mm2、 vs 3個以上 132 ± 142 mm2 (n = 603)、 (年齢補正後 p<  0.0001)

多変量回帰で、卵黄・年は有意に冠動脈リスク要素と関連性維持


卵黄の定期的摂取は心血管疾患リスク場合、避けるべき


Dietary cholesterol and egg yolks: Not for patients at risk of vascular disease
Can J Cardiol. 2010 November; 26(9): e336–e339.


食事性コレステロールと卵黄摂取の誤解がある
・・・
(卵黄摂取は)食事そのものは空腹時コレステロールと関連しない。
食後コレステロール、飽和脂肪酸、酸化ストレス、炎症への悪影響が考えられ、
空腹時コレステロールだけに専念し議論することは問題を曖昧にしている。
食事由来コレステロールは、酸化LDL、食後脂質異常、飽和脂肪酸に影響を与え、卵黄を含む食事由来コレステロールは血管に有害である。



空腹時コレステロールだけに着眼していては、真の動脈硬化対策とは言えない。
(内外の動脈硬化ガイドラインはまさにそれだけど・・・)


食事性コレステロールへ効果のあるはずののゼチーアが単剤で、硬化退縮性エエビデンス出せないのはなぜ? 


卵そのものに関する制限はAHAは行ってないと思われるが、今後変更される可能性があるかも・・・

卵1個あたりのコレステロール含量が10年で2割減少している  2011年 02月 09日


”American Heart Association guidelines no longer include a recommendation to limit egg consumption, but recommend the adoption of eating practices associated with good health. ”とかかれ、卵食制限は推奨されてない。



にんにく卵黄とか、にんにく玉とかが動脈硬化に役立つような宣伝しているが・・・あれって

Cochraneレビュー: 軽症高血圧への薬物治療ベネフィットに疑問

軽症高血圧に関して、検討数が少ないというのは、問題のレビュー評価の是非にかかわらず、一致した意見である。


Cochraneレビューからの記事
軽症高血圧での心血管イベントプライマリ予防薬物治療とプラシーボ比較の4つのRCT、9000名で、治療ベネフィット認めずという報告(August 15, 2012 in the Cochrane Database of Systematic Reviews ;  Diana Diao (University of British Columbia, Vancouver) らの報告)

いままで十分量の検討がなされてなかったと彼らの言い分。

他の専門家以外は、イベント数がかなり少ないことを問題視、臨床的な意味づけできないと延べ、実地医療家はこの知見を採用すること無かれと警告し、JNC7定義の軽症(stage 1)高血圧:収縮期血圧140-159 mmHg/拡張期血圧 90-99 mmHgでの治療は、より重度高血圧への進展予防に役立つことは強調すべきとしている。
(http://www.theheart.org/article/1434701.do)


Cochraneの論述
Benefits of antihypertensive drugs for mild hypertension are unclear
Diao D, Wright JM, Cundiff DK, Gueyffier F Published Online:  August 15, 2012

http://summaries.cochrane.org/CD006742/benefits-of-antihypertensive-drugs-for-mild-hypertension-are-unclear
 
Pharmacotherapy for mild hypertension.
Cochrane Database Syst Rev 2012; DOI: 10.1002/14651858.CD006742.pub2.
Diao D, Wright JM, Cundiff DK, Gueyffier F.

検討されたRCT
・Australian Therapeutic Trial in Mild Hypertension (ATTMH)—chlorothiazide vs placebo.
・UK Medical Research Council (MRC) trial of drug therapy for mild hypertension—Bendrofluazide and propranolol vs placebo.
・Systolic Hypertension in the Elderly (SHEP)—chlorthalidone and atenolol vs placebo.
・Veterans Administration-National Heart, Lung, and Blood Institute (VA-NHLBI) Evaluation of Drug Treatment in Mild Hypertension—Chlorthalidone vs placebo.

死亡率、CHD、卒中、総CVDイベント減少に有意でなく、イベント数は治療群77 vs プラシーボ群 90など少ない。卒中では一応治療群 10、プラシーボ 20と50%減少だが、数的に十分でない。

2012年8月16日木曜日

重症肺炎のウィルス性感染は細菌性感染と匹敵するほど多い

日本の市中肺炎のガイドラインでは、ウィルス性肺炎に関して記載が少ない。
ICU管理必要な重症肺炎でも細菌性と匹敵するほど、ウィルス性肺炎の頻度は多い。



Viral Infection in Patients with Severe Pneumonia Requiring Intensive Care Unit Admission
Am. J. Respir. Crit. Care Med. August 15, 2012 vol. 186 no. 4 325-332
前向きコホートの後顧的解析:重症CAP患者、HCAP患者

198(CAP 64名、HCAP 134)

BAL 115名(58.1%)、BALFのRT-PCR 104名

鼻咽頭RT-PCR 159名(84.1%)
細菌感染 71名(35.9%)、ウィルス感染 72名(36.4%)

ライノウィルスがもっと最も多く(23.6%)、パラインフルエンザ(20.8%)、human metapneumovirus (18.1%)、RSV(13.9%)

CAP群中、RSVが最も頻度多い(CAP, 10.9%; HCAP, 2.2%; P = 0.01)

細菌感染、ウィルス感染、ウィルス・細菌共感染の死亡率は有意に差は認めなかった (25.5, 26.5, 33.3%; P = 0.82).

結論:ウィルスは、ICU入院必要肺炎患者の気道に頻回に存在し、重症肺炎の原因となる。
ウィルス・細菌感染の死亡率は同程度かもしれない。

FDA安全性情報:小児コデイン使用による急死症例


MedWatch: The FDA Safety Information and Adverse Event Reporting Program
http://www.fda.gov/Safety/MedWatch/default.htm

小児であるが、扁桃腺・アデノイドなどの手術後コデイン使用に関しFDAが警告。
疼痛緩和のための服用後死亡例を受けたもの

睡眠時無呼吸を生じる気道閉塞改善のための手術で、いずれも通常量投与で、医療関係者・親へ注意をコデインのリスクに関して喚起

コデインの急速代謝(コデイン→モルヒネへの代謝): “ultra-rapid metabolizer”は、100名中1から7名で生じ、民族によっては28名ほどに跳ね上がる。


日本人は幸いにして、 “ultra-rapid metabolizer”比率少ないようだ。だが、ゼロではないので配慮は必要。

コデインはフェナントレン環のフェノール環のメトキシ基のため,初期通過効果を強く受けることはなく,生体内利用率は 40%とされている.健康成人に 60 mg を内服させた時の Cmaxは 121±30 ng(1.2±0.8 時間後),半減期は 2.3±0.4 時間である.コデインはその約 10% が肝薬物代謝酵素CYP2D6 により脱メチル化されモルヒネに変換される.このモルヒネが鎮痛作用を発揮すると考えられている.30~40%は肝臓でグルクロン酸縫合され,7~9%はノルコデイン,4~13%がモルヒネとして尿中に排泄される.
http://www.kanwacare.jp/medicine/pdf/11.pdf


“わが国をはじめとするアジア人では、この分子種のPM頻度は0・2%前後と低いので、CYP2D6の遺伝子診断がルーチン化される可能性は対費用効果関係から考えて当面はあり得ないだろう”
http://www.e-clinician.net/vol48/no504/pdf/tailor_504.pdf



英国ではOTCとして、コデイン関連成分は禁止されている。
 (英国MHRA:コデイン・ジヒドロコデインOTC販売規制 ・・・ 日本でも強化が必要では?  2009年 09月 05日
日本では、相変わらず、“ジヒドロコデインリン酸塩”など含有が許可されており、小児用では“デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物”を代替にしているが、そのあきらかな峻別困難な状況が続いている。 

たとえば、パブロンゴールドA微粒”は同成分含有しているが、1歳以上の服用の用法用量記載がある。

こんな危険な状況を放置して、ネット販売ごり押ししようとしている業界団体および政府・・・

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