2012年9月4日火曜日

USPSTF推奨: 健康食・運動推進のための行動カウンセリング介入

臨床整形外科学会がやってる“ロコモティブ症候群”ってのは、選択しているようだが、個別化考慮に乏しいと思う。ひろくとらえれば、これに該当すると思うが、日本の行政が推奨しがちな“ユニバーサルな健康行動カウンセリング”・・・これに対し、USPSTFは否定的で、選択的介入が必要と推奨。


有害性に関しても記載がなされている。


Behavioral Counseling Interventions to Promote a Healthful Diet and Physical Activity for Cardiovascular Disease Prevention in Adults: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement

 Clinical Guidelines  Ann Intern Med. 4 September 2012;157(5):367-372

健康的食事、運動、CVDの頻度間の関連性は強いが、プライマリケアでの行動に関わるカウンセリング開始の医療ベネフィットは少ない。
医師は、一般の成人全員に対しカウンセリング導入するより、選択的に、カウンセリング患者を選択した方が良い。

CVDリスクの他の要素を含め考慮が必要で、患者の受け入れ準備、利益性を補償する社会的サポート・地域資源、他の医療施設・予防サービスなどを考慮すべき

有害性:より健康上効果のある、他のサービスを失う可能性





Ann Int Med.誌:オーガニック食品 栄養面で優秀性認めず(vs 通常食品) 危険な面も多い

表題のごとく、オーガニックは栄養成分上も優秀とはいえないというのが見解だが、ゼロ・リスク信者の多い日本では相手にされないだろうなぁ ・・・


高い野菜を少数とるよりは、 安い野菜を大量に接種する方が体に良い等とは考えず、農薬成分がちょっとでも少ない方を選ぶ“ゼロ・リスク教”が多いと思う。


Are Organic Foods Safer or Healthier Than Conventional Alternatives?: A Systematic Review
Ann Intern Med. 4 September 2012;157(5):348-366
登録クライテリア合致ヒトの研究17、栄養素・混合成分研究223

ヒト研究の3つのみが臨床的アウトカム検討し、アレルギー性アウトカム(湿疹、喘鳴、アトピー感作)やCampylobacter感染症状に対する食品別のヒトへの影響有意差認めず

2つの研究で、対通常食のオーガニック製品使用で、子供の尿中殺虫剤濃度有意な減少の報告有り、しかし、血中・尿中・授乳中・精液のバイオマーカー研究・栄養素研究では臨床的意義ある差は認めなかった。

食品の栄養素・混入物の分散推定値はかなりばらつきが有り、例外はリンであり、オーガニック食品ではリン成分が多い。ただ、この差は臨床的有意ではない。

殺虫剤残留今夕リスクはオーガニックで少ない (リスク差, 30% [CI, −37% to −23%])。しかし、許容下限を越えるリスクとなる、データのばらつきは少ない。
大腸菌混入リスクはオーガニックと通常食品で差は認めない。
鶏・ポーク小売細菌学的混入は多く見られるが、農法との関連はない。
しかし、3つ以上の抗生剤低抗性分離リスクはオーガニック鶏やポークより通常農法の方がリスクが高い(リスク差, 33% [CI, 21% to 45%]).


新聞解説記事
Stanford Scientists Cast Doubt on Advantages of Organic Meat and Produce
http://www.nytimes.com/2012/09/04/science/earth/study-questions-advantages-of-organic-meat-and-produce.html

オーガニック食品と通常の食品の40年間の比較研究

結論としては、通常食品に比べ、“オーガニック”とラベルされたフルーツ・野菜が栄養分豊かとは言えない。そして、価格ははるかに高く、大腸菌などの危険な最近含有が少ない等とは決して言えずむしろ危険な場合が多いかもしれないというもの。オーガニック肉食品に関しても同様の結論。通常の野菜・果物には殺虫剤残留物は多いが、ほぼ安全域内である。EPA設定レベルを超える状況ではない。




オーガニック食品に関しては、以前も、栄養的要素に関して、否定的報告がなされている。
オーガニック(有機)食品に栄養的優秀性みとめず 2009年 07月 30日




予想通りだが、NYTimesに、反論が寄せられている。
http://www.nytimes.com/2012/09/07/opinion/why-organic-is-better-never-mind-the-study.html

1) オーガニック食品は少ないながら化学物質、EPA基準以下ながら農薬が検出されている。
2)食品の味を無視している
3)生物多様性の減少、環境悪化への言及欠如
4)独立系の農業サポートを軽視
 
・・・と言ったところか

2012年9月3日月曜日

各肺疾患:6分間歩行距離(6MWD)の有効変化量感知可能最小差異:MID

6分間歩行距離の minimal important difference (MID)についてだが・・・

MID(Minimally Important Difference):「対象者が有効な変化があったと感じる最小の差異」
CID(Clinically Important Difference):「臨床上有用な差異」
・・・と、訳されてるようだ。


MID:は、最小有効感知差異とでも呼んだ方が良さそう・・・

呼吸器系疾患で、6分間歩行距離のMIDの検討が進んでいる。



COPDでは、25m
Updating the Minimal Important Difference for Six-Minute Walk Distance in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease
Archives of Physical Medicine and Rehabilitation Volume 91, Issue 2 , Pages 221-225, February 2010


特発性肺線維症では、 24–45 m
Six-minute-walk test in idiopathic pulmonary fibrosis: test validation and minimal clinically important difference.
Am. J. Respir. Crit. Care Med. May 1, 2011 vol. 183 no. 9 1231-1237
特発性肺線維症:6分間歩行距離は信頼性、再現性、治療評価、予後評価の上で重要な指標、MCIDは24-25m 2011年 04月 30日

では、原発性肺高血圧症:PAHでは?ほぼ 33 m
The Minimal Important Difference in the 6-Minute Walk Test for Patients
with Pulmonary Arterial Hypertension
Stephen C. Mathai, Milo A. Puhan, Diana Lam, and Robert A. Wise
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2012;186 428-433
http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/abstract/186/5/428?etoc




Minimally Important Changes (MICs) は、分布に基づく方法と、anchorに基づく方法に分けられる。これらの方法の根本的違いを考察し、MICを、たとえば、標準誤差値(SEM)の標準偏差0.5や標準誤差とする著者らもいれば、種々anchorに基づく、MICの多様性、疾患特性を強調する場合がある。分布に基づく方法論では単に最小検知変化量(MDC:minimally detectable change)に基づくのみである。MIC評価に関して、anchor-based methodが望ましく、最小的意義のある定義によるもので、たとえばChronic Respiratory Disease Scaleなどの健康状態指標インスツルメントのスケールに基づくベンチマークを利用する。測定手段のMDCで、MIC検知可能かどうかの判断も可能となる。
Health Qual Life Outcomes. 2006; 4: 54. Published online 2006 August 22. doi:  10.1186/1477-7525-4-54

糖尿病性ニューロパシーと閉塞型無呼吸の関連 ・・・ 病因的にも関連明らか

新しく、糖尿病性ニューロパシーとOSAは独立的関連が示された。nitrosative/oxidative stressと微小血管調整がこのメカニズムと関連することも示された。前向き・介入研究が必要となるだろう。

Obstructive Sleep Apnea and Diabetic Neuropathy: A Novel Association in
Patients with Type 2 Diabetes
Abd A. Tahrani, Asad Ali, Neil T. Raymond, Safia Begum, Kiran Dubb, Shanaz
Mughal, Biju Jose, Milan K. Piya, Anthony H. Barnett, and Martin J. Stevens
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2012;186 434-441
http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/abstract/186/5/434?etoc

2型糖尿病に於ける、閉塞型無呼吸症候群(OSA)と末梢性神経障害の関連性

末梢性神経障害をMichigan Neuropathy Screening Instrumentで評価。
無呼吸指数評価。血中nitrotyrosine(ELISA)、 lipid peroxide(spectrophotometer)、microvascular function (laser speckle contrast imaging)評価

2234名(平均年齢[SD] 57[12]歳)

OSAを65%(AHI中央値 7.2; 0-93)、40%が中等症から重症

神経障害頻度はOSAありの患者の方が多い (60% vs. 27%, P < 0.001)

寄与要素候補補正後、OSAはやはり独立して、糖尿病性神経障害と関連性残存 (odds ratio, 2.82; 95% confidence interval, 1.44–5.52; P = 0.0034).

Nitrotyrosine と lipid peroxide 値 (n = 102, 74 with OSA) はOSAで高値で、hypoxemia severityと相関する。
皮膚微小血管機能もOSAで障害 (n = 71, 47 with OSA)


ニトロチロシン:ニトロチロシン(3-nitrotyrosine: 3-NT)は、パーオキシナイトライトによる主要なタンパク質ニトロ化修飾物の一つであり、 ニトロ化ストレス(nitrosative stress)マーカーとして広く用いられています。
http://www.jaica.com/products_protein_nitrotyrosine_kit.html



結核患者同居子供発症抑制:栄養要素などの環境要素の重要性



適切な栄養などPapworth社会介入は、結核感染は減少できず、しかし、活動性結核患者とともに同居している小児の結核発症は減少。この結果は活動性結核である両親と同居している小児の結核予防に関して、特に、多剤耐性結核患者の子供の予防対策に重要な示唆を与える報告。

Can Social Interventions Prevent Tuberculosis?: The Papworth Experiment
(1918-1943) Revisited
Anurag Bhargava, Madhukar Pai, Madhavi Bhargava, Ben J. Marais, and Dick
Menzies
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2012;186 442-449
http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/abstract/186/5/442?etoc

1918-1943年間の、安定雇用、適切な居住、栄養介入(Papworth social intervention)による活動性結核両親同居小児の結核菌感染発生頻度と疾患記載

村内誕生及びコホート参加での年次感染リスクは20、24%

結核発症24名のうち、1人が村内誕生者。

5歳以下の子供内で、村内生まれ結核発症頻度ゼロ、対し村外誕生者では5名(1,217/100,000 人年)

コホート参加者の内、13歳以上のうち、Papworth居住前での結核発症は 5,263/100,000 人年、一方、Papworth内居住者は 341/100,000 人年



結核:微小飛沫核(エロゾール)中結核菌培養3割程度 ・・・ 再現性高い

結核患者の少数になるが28%程度で、微小飛沫核(エロゾール)は結核菌培養となり、施設は限られるだろうが、再現性が高い検査となり得る。

Variability of Infectious Aerosols Produced during Coughing by Patients
with Pulmonary Tuberculosis
Kevin P. Fennelly, Edward C. Jones-Lopez, Irene Ayakaka, Soyeon Kim,
Harriet Menyha, Bruce Kirenga, Christopher Muchwa, Moses Joloba, Scott
Dryden-Peterson, Nancy Reilly, Alphonse Okwera, Alison M. Elliott, Peter G.
Smith, Roy D. Mugerwa, Kathleen D. Eisenach, and Jerrold J. Ellner
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2012;186 450-457
http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/abstract/186/5/450?etoc


ウガンダで結核疑い例を集め、臨床的・レントゲン・微生物データ収集と共に、38名の微小飛沫核培養データを2-3日連続検討。

微小飛沫核培養で結核菌陽性 28/101 (27.7%; 95% 信頼区間 [CI], 19.9–37.1%) subjects with culture-confirmed TB, with a median 16 aerosol cfu (range, 1–701) in 10 minutes of coughing.
培養粒子はほぼ全部(96.4%)で、0.65-4.7μmのサイズ
微小飛沫核培養陽性はKarnofsky performance score増加 (P = 0.016)、喀痰抗酸菌スメア陽性度増加(P = 0.007)、liquid culture陽性日数低下 (P = 0.004)、咳嗽強度 (P = 0.016)、結核治療日数の短さ(P = 0.047)と関連

多変量解析にて、微小飛沫核培養は、喀痰中の唾液/粘液唾液を伴う場合(膿性/粘液膿性と比べ)(odds ratio, 4.42; 95% CI, 1.23–21.43) 、陽性までの日数が少ない場合と関連する (per 1-d decrease; odds ratio, 1.17; 95% CI, 1.07–1.33)。

検査内 (kappa, 0.81; 95% CI, 0.68–0.94) と 日内検査 (kappa, 0.62; 95% CI, 0.43–0.82) の再現性は高い。


検査として行うには、検査立ち会い者に負担が多い検査になりそう。

2012年9月1日土曜日

グラスの形で飲酒量影響を受ける

曲面グラスより、ストレートグラスの方がアルコール摂取60%遅い。
この影響はフルグラスでのみ見られ、ハーフグラスでは見られず、非アルコール飲料でも見られない現象。
被験者はストレートグラスより、曲面が大きい曲がったグラスと誤った判断をし、このご判断の程度は飲酒量と正相関する。



Glass Shape Influences Consumption Rate for Alcoholic Beverages
Attwood AS, Scott-Samuel NE, Stothart G, Munafò MR (2012)
PLoS ONE 7(8): e43007. doi:10.1371/journal.pone.0043007


曲面グラスでビール飲みすぎて 、体型がビール腹になるわけですね・・・



注)
グラスのシェープ名調べたのだが、よくわからなかった。故に、 straight=ストレート、curved=曲面グラスと訳した。正式名称があるのかもしれない・・・

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