2013年12月31日火曜日

不安は卒中発症のリスク要素;うつ要素と独立して検討

 いままでは、うつに関連した不安ということで、独立して不安が卒中リスクと関連することは示されてなかった。この報告では、前向きコホート要素補正にて独立要素として示された。


Prospective Study of Anxiety and Incident Stroke
Maya J. Lambiase, et. al.,
STROKEAHA.113.003741
Published online before print December 19, 2013,
doi: 10.1161/​STROKEAHA.113.003741

不安レベルと卒中発症の直接の関連性を示した初めての報告とのこと

the National Health and Nutrition Examination Surveyは、6019名を対象に、うつ、不安に関してインタビュー、検査、心理学的評価を行った。22年間追跡。
症例:卒中発症419名(退院記録・死亡証明確認)

ベースライン不安症状多いほど、標準化生物学的・行動的心血管リスク要素補正後卒中リスク増加 (ハザード比, 1.14; 95% 信頼区間, 1.03–1.25)

これらの関連性所見はうつにて追加補正後も維持


寄与因子 vs pathway変数考慮検討分析にて、卒中リスクに関連する不安に関しては、行動的要素が鍵となることが示唆された。


2013年12月30日月曜日

State-of-the-art:高血圧実地診療3問題中心に・・・ 

 糖尿病のメトホルミン使用制限してきたことは、日本の医療・医学の恥だとおもうが、高血圧診療においてもクロロサリドンを無視しヒドロクロロサイアザイド併用を推奨するスポンサーサイド優先の医療がなされてきた。→ 参考:エビデンスに基づく利尿剤使用と異なる血圧治療の現状:米国医者も日本同様アホ 2011年 04月 02日

 日本なんてALLHAT発表以降にクロロサリドン(ハイグロトン)使用不能になったわけで、日本の厚労省と関係学会のアホぶりは、ここでも強調しておきたい!

 日本の教授様たちは、製薬会社のための新薬利益誘導に便宜のため浅学医師たちに誤った方向性を示してきたのだ。GSKショックが彼らの脳天とかれらの懐を直撃することを私は望む。


欧州の学会は、日米ほど製薬会社の意向が行き届かないところがあり、糖尿病や高血圧診療のガイダンスにおいて、妥当な示唆をあたえてくれることが多い。


 

State-of-the-art treatment of hypertension: established and new drugs
Eur Heart J (2013) doi: 10.1093/eurheartj/eht465 
First published online: November 11, 2013


市場利用可能な降圧薬を適正に使用することは重大な問題である。降圧剤のクラス分け使用における具体的懸案

ACE阻害剤は、ARBより優秀か?

カルシウム拮抗剤における末梢性浮腫頻度軽減の可能性?

ヒドロクロロサイアザイドは併用治療として最善薬剤か?

これらの疑問議論のための臨床研究・メタアナリシスのレビュー

結論としては、ACE阻害剤とARBは、ARBの良好耐用性以外は同等ということが示唆、3世代カルシウム拮抗剤は末梢性浮腫軽減に役立つ。そして、クロロサリドンが確実にヒドロクロロサイアザイドより有効


最後に、薬剤アドヒアランスと長期持続性が現時点では最大の臨床実地上のテーマ。

高血圧患者:自宅ヨガで降圧効果・自己評価QOLも改善 vs 教室・インストラクター介入では効果認めず

 おもしろい結果がでてるようだ。ヨガ教室でインストラクター介入のヨガでは血圧や自己評価QOLで効果をみとめないが、自宅でのヨガ施行では降圧効果を認めるというもの。


 少なくとも、今回検討の短期的ヨガ介入においては、選択バイアスの問題とともに、心理的影響があるようだ。その内容はやや複雑で、自宅ヨガにおける最大肯定群の存在が心理的ポジティブ効果をかさ上げしている。一方、中間的肯定的評価群では、ヨガ教室介入の方がやや多い。

 なんにしろ、導入期に教室に通うのは良いが、降圧効果を目的にするなら自宅ヨガが基本と考えるべきなのかもしれない。現時点での考察をしろと言われれば・・・


高血圧診断一次医療機関患者でのヨガ介入の血圧・QOL研究2つでその効果を研究。


スイス南部地域の一次医療機関電子カルテ調査高血圧診断:20−80歳、総数83名、ベースライン血圧 120〜179/109 mmHg以下
ベースラインで、標準化血圧測定と自己報告QOL(WHOQOL-BREF)調査

介入:
1)ヨガ教室:ヨガインストラクター(n=28)
2)自宅ヨガ(n=28)
3)対照群(n=27)

介入12週後、評価


Impact of yoga on blood pressure and quality of life in patients with hypertension – a controlled trial in primary care, matched for systolic blood pressure

Moa Wolff, et. al.
BMC Cardiovascular Disorders 2013, 13:111
 doi:10.1186/1471-2261-13-111

ヨガ教室介入では、血圧改善せず、自己評価QOLも改善せず
自宅ヨガ群では、拡張期血圧4.4mmHg低下(p<0 .05="" font="">
さらに、自己報告QOL改善



介入後血圧と血圧補正値
BP after intervention and adjusted mean change in BP

Intervention group 1 Intervention group 2 Group 3
Yoga class group Yoga at home group Control group
OC PPS OC PPS OC PPS
n=28 n=21 n=26 n=20 n=26 n=23
Mean (SE) Mean (SE) Mean (SE) Mean (SE) Mean (SE) Mean (SE)
SBP (mmHg) 144.1 (2.6) 144.3 (3.1) 137.0 (2.7) 138.4 (3.2) 141.5 (2.7) 142.6 (3.0)
Change from baseline 0.3 (2.6) -0.2 (3.1) -6.8 (2.7) -6.1 (3.2) -2.3 (2.7) -1.9 (3.0)
P-value 0.917 0.954 0.013** 0.061 0.381 0.527
Difference vs. control 2.6 (3.7) 1.7 (4.3) -4.4 (3.8) -4.2 (4.4)


P-value 0.482 0.693 0.241 0.341


DBP (mmHg) 89.4 (1.6) 89.5 (1.9) 84.7 (1.6) 85.3 (1.9) 89.9 (1.6) 90.2 (1.8)
Change from baseline 0.2 (1.6) 0.3 (1.9) -4.4 (1.6) -3.9 (1.9) 0.8 (1.6) 1.01 (1.8)
P-value 0.889 0.890 0.008** 0.045** 0.612 0.571
Difference vs. control -0.6 (2.5) -0.8 (2.6) -5.2 (2.3) -4.9 (2.6)


P-value 0.794 0.771 0.025* 0.064


Yoga sessions during intervention† 47.2 52.7 63.9 72.6




*Significant difference compared to control (p < 0.05).

**Significant change from baseline (p < 0.05).

†According to yoga calendar (yoga class sessions and yoga at home sessions).

OC, observed cases; PPS, per protocol set; SE, standard error of the mean; SBP, systolic blood pressure; DBP, diastolic blood pressure.

The PPS consists of all patients who (1) practiced yoga at least once a week for nine weeks or more and (2) had no change in medication during the study period.

Wolff et al.

Wolff et al. BMC Cardiovascular Disorders 2013 13:111   doi:10.1186/1471-2261-13-111 




ヨガ:自宅ヨガとヨガ教室における患者視点
a. How did you experience the yoga practice emotionally? b. How did you experience the yoga practice physically? c. Will you continue practicing yoga after this study?

2013年12月28日土曜日

POTS(体位性起立性頻拍症候群)子供は、ビタミンB12欠乏と関連する

 

 ビタミンB12は、ノルアドレナリン → アドレナリン産生に関与。カテコラミン消費に関与するcofactorであり、ミエリン合成にも関与する。

POTS(体位性起立性頻拍症候群): 血圧はさほど変化しないにもかかわらず, 起立時に心拍数が異常に増加し, 失神前駆症状・運動不耐性・疲労・ふらつき・眩暈などの起立性不耐性を発現する大きな患者群


 青年期のpostural orthostatic tachycardia syndrome (POTS)とビタミンB12状況の関連性が以下の比較的小規模症例対照研究で明らかになった。


Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome (POTS) and Vitamin B12 Deficiency in Adolescents
Taliha Öner, et. al.,
Pediatrics Published online December 23, 2013 (doi: 10.1542/peds.2012-3427)

血中ビタミンB12値は、患者群で低値 (47.2% vs 18%, P < .001)
患者群では、POTSパターンの子供では、POTS反応無しのこどもに比べ、ビタミンB12低値  (P = .03)。



飲酒と持続血圧・高齢者住民ベース研究  →極軽度飲酒は昼間血圧変動改善、重度飲酒は拡張期血圧高値 へ

 高血圧業界では、血圧変動が今トピックスのひとつのようだ。アルコールとの関連しての報告深い。週1回から月1回の飲酒って、飲酒といえないくらいの量であり、このために飲酒を勧めるってことはないだろう。故に、健康のため飲酒アドバイスなんてあり得ないはず。

 重度アルコール摂取は、高血圧と関連するが、より軽度のアルコール摂取による血圧への影響は議論のあるところ。軽度飲酒による心血管疾患防御効果は以前の研究によれば一部には血圧のアルコールへの効果を介するとするものもあるが、高血圧による合併症増加するはずの高齢者での研究が少ない。故に、この報告では、アルコール摂取量と24時間ABPMの関連性を住民ベース高齢者研究でおこなったもの

中等度飲酒から重度飲酒(1ドリンク/日以上)は、拡張期血圧高値 と関連
極軽度(1ドリンク/週1回から月1回)では昼間の血圧変動は、極軽度飲酒者ではその減少をもたらす。

Alcohol Consumption and Ambulatory Blood Pressure: A Community-Based Study in an Elderly Cohort
Marie-Perrine Jaubert, et. al.
Am J Hypertens (2013) doi: 10.1093/ajh/hpt235 First published online: December 21, 2013

 寄与共役因子補正後 、昼間拡張期血圧、夜間拡張期血圧、24時間拡張期血圧は、中等度・高度飲酒者では参照群より高値 。収縮期血圧は消費量群横断的に有意な差を認めず。

 参照群に比べ、昼間の収縮期血圧・拡張期血圧変動とも、極軽度飲酒者では有意に減少し、寄与可能因子の影響と独立した現象である。


血圧への影響は上記ごときかもしれないが・・・がんでは安全閾値は存在しない可能性

飲酒は少量でもがん死亡リスク増加する ・・・ 適量ならOKとはいえない;無閾値の可能性 2013/02/18 


にしても・・・  「オーストラリア、ニュージーランドは10g、デンマークは12g、英国は8gです。 わが国の場合、近年、1ドリンク = 10gという基準量」という国毎のバラバラぶり・・・飲酒医学がユニバーサルでないという証拠では?・・・まず、統一しろよ!



e.g.) イギリスではユニット=8g:http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/12/blog-post_8767.html




データマイニング技術:SSRIはセロトニン取り込み阻害作用つよいほど入院死亡率増加;ジェイゾロフト・パキシル


データマイニング技術利用により、SSRIの悪しき側面が明らかになった。


Leveraging a critical care database: SSRI use prior to ICU admission is associated with increased hospital mortality
Marzyeh Ghassemi ,et. al.,
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1722 

【背景】
最近の観察研究では、SSRI服用患者において、出血、卒中のような副事象リスク増加、死亡率増加との関連性が見られる。これらの薬物を使用してた場合の結果として、重症患者のアウトカムへのインパクトは検討されてない。この報告は、後顧的研究で、入院前SSRI使用が死亡率に関連するか、ICU入室患者で死亡率の差を検討。

【方法】
publicly available MIMIC 2.6 databaseに適応される修正data mining techniqueを後顧的研究として行い、患者記録14,709、SSRI/SNRI群 2,471、対照群 12,238を解析。アウトカムは、入院死亡率。

【結果】
 年齢、Simplified Acute Physiology Score、昇圧剤使用補正後、SSRI/SRI使用は、入院死亡率増加と有意に関連する (OR 1.19, 95% CI 1.02 – 1.40, p = 0.026)
 患者サブグループにおいて、リスクは急性冠症候群患者で最も高く (OR 1.95, 95% CI 1.21 – 3.13, p = 0.006)、Cardiac Surgery Recovery Unit (OR 1.51, 95% CI 1.11 – 2.04, p = 0.008)患者で高い。
 死亡率は、特異的SSRI使用により死亡率別ばらつきあり、セロトニン抑制率が高いほど高率。

【結論】
入院前SSRI/SNRI使用患者は対照と比較し、ICU患者での入院滞在死亡率有意増加する。
死亡率はセロトニン再取り込み阻害率が高い薬剤ほどSSRI/SNRI薬剤服用患者で死亡率増加する。研究は、臨床的データベースをより詳細に、さらに増大することで、データベース検討技術を進化させ、薬品のデジタル化利用にいかしていきたい。





Citalopram:セレクサ
Escitalopram:レクサプロ
Fluoxetine:プロザック
Sertraline:ジェイゾロフト(ゾロフト)
Paroxetine:パキシル
特に、ジェイゾロフトなんて、取り込み阻害率が高いことが宣伝文句だったわけで・・・
レクサプロ(シタロプラムのS体)はセロトニン再取り込み阻害が弱いのが特徴で、口渇・便秘・眠気なども弱く、効果発現も早いので比較的使いやすい薬剤ではある。
いずれにせよ、SSRI長期使用というのは全てに問題だとは思うが・・・




肺炎入院患者での閉塞型無呼吸患者の特性:入院しやすく、病状重症化・医療資源利用悪化に寄与

 入院患者の7%近くに閉塞型無呼吸が存在する。さて、この疾患合併をどう取り扱うかが今後の問題だろう。手術との関連性は議論の対象だが、一般の内科入院ではどうか?

 以下の報告である肺炎入院患者では、入院死亡率への影響は少なかった。これは、OSA合併により、より軽症で入院となった因果律の逆転なのかもしれない。

Prevalence, Treatment and Outcomes Associated with Obstructive Sleep Apnea Among Patients Hospitalized with Pneumonia
Peter K. Lindenauer,et.al.,
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1544 

【背景】閉塞型無呼吸:Obstructive sleep apnea (OSA)は、手術後の呼吸器合併症リスク増加と関連するが、入院内科患者のアウトカム関連性報告は未知。

【方法】347の米国病院・肺炎患者後顧的コホート施行。OSA診断有無患者両群において、特性、治療、合併症と死亡リスクを他の患者・病院特性を補正比較。

【結果】 250,907名の患者の家、OSA診断 15,569(6.2%)。
OSA患者は寄り若年  (63 vs. 72 years)、より男性に多く (53% vs. 46%)、既婚者が多い(46% vs. 38%)、肥満頻度が高い (38% vs. 6%)、慢性肺疾患率が高く (68% vs. 47%)、心不全率も高い (28% vs. 19%)。

OSA患者は、入院必要性と関連する侵襲性人工呼吸(18.1% vs. 9.3%)、非侵襲性人工呼吸  (28.8% vs. 6.8%) となりやすい。

多変量解析後、OSAの存在は、入院日3日目以降の集中治療へのtransferリスク (OR 1.54, 95% CI 1.42 – 1.68)、挿管リスク(OR 1.68, 95% CI 1.55 – 1.81)となりやすく、入院長期化しやすい(RR 1.14, 95% CI 1.13 – 1.15)、そして高コスト (RR 1.22, 95% CI 1.21 – 1.23) だが、死亡率は低い  (OR 0.90, 95% CI 0.84 – 0.98)。


【結論】肺炎入院患者において、OSAは、初期人工呼吸必要性増加し、臨床的悪化・医療資源高度利用のリスク増加するが、入院死亡率に関するリスクはさほどかさ上げしない。

noteへ実験的移行

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