2012年2月14日火曜日

ビタミンB and/or 不飽和脂肪酸サプリメント がんへのベネフィット認めず;女性におけるω3とがんリスク増加の関連?

ONLINE FIRST
B Vitamin and/or ω-3 Fatty Acid Supplementation and CancerAncillary Findings From the Supplementation With Folate, Vitamins B6 and B12, and/or Omega-3 Fatty Acids (SU.FOL.OM3) Randomized Trial
Valentina A. Andreeva, PhD; Mathilde Touvier, PhD; Emmanuelle Kesse-Guyot, PhD; Chantal Julia, MD; Pilar Galan, MD; Serge Hercberg, MD

Arch Intern Med. Published online February 13, 2012. doi:10.1001/archinternmed.2011.1450



心血管疾患生存者のビタミン B and/or ω3脂肪酸のがんアウトカムへの影響検討

Supplementation With Folate, Vitamins B6 and B12 and/or Omega-3 Fatty Acids (SU.FOL.OM3) secondary prevention trial (2003-2009)


2501 (45 ~ 80 歳)を 2 x 2 factorial designで以下の4つに割り付け
(1) 5-methyltetrahydrofolate (0.56 mg), pyridoxine hydrochloride (vitamin B6; 3 mg) and cyanocobalamin (vitamin B12; 0.02 mg)
(2) eicosapentaenoic and docosahexaenoic acid (600 mg) in a 2:1 ratio
(3) B vitamins and ω-3 fatty acids
(4) placebo


がんアウトカムに対する全体・性別ハザード比(HRs)及び95% CIsをCox比例ハザードモデル推定 

5年間サプリメントにて、がん発生はサンプル群で7.0%(男性 145、女性 29)、がん死は2.3%

がんアウトカムとビタミンB and/or ω3脂肪酸サプリメントの相関認めず  (HR, 1.15 [95% CI, 0.85-1.55]、HR, 1.17 [95% CI, 0.87-1.58])

性別により、治療の統計学的に有意な関連を認めるが、がんリスクでの治療の影響を男性では認めず、女性ではω3脂肪酸サプリメントでがんリスク増加を認める(HR, 3.02 [95% CI, 1.33-6.89])
ビタミンB and/or ω3脂肪酸サプリメントはがんへのアウトカムにベネフィット認めず、 それどころか、 女性ではω3脂肪酸サプリメントでがんリスク増加と関連する可能性がある。








ビタミンや不飽和脂肪酸などサプリメント及びその成分の有害性情報は多く存在するが、情報との不均衡目立つ。則ち、有益性情報は些末なものでさえマスメディアで情報伝達されるが、死亡や癌など重大な副作用に関する情報は伝達されがたい。“ビタミン”=“ありがたいもの”=“正義”という刷り込みも有害性情報伝達の足かせになっていると思う。
 
SELECT研究: ビタミンE 前立腺がんリスク増加  2011年 10月 12日

マルチビタミンと前立腺癌リスク 2007年 05月 29日
 

葉酸+ビタミンB12により癌・死亡率増加をもたらす・・・葉酸が特に問題、肺がんとの関連  2009年 11月 18日

Multiethnic Cohort Study:人種横断的にマルチビタミンは死亡、がんに影響与えず 2011年 03月 25日
ビタミンによる癌予防・治療のシステミック・レビュー 2006年 07月 05日 


抗酸化物質だけを大量にとると酸化促進物質として溜まる 2011年 06月 09日

0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note