しかし、医療コスや患者のアウトカムトを俯瞰的に見れば、”患者満足度高ければすべてが良し”なのだろうか?
患者満足度が高い 場合は、救急医療使用は少ないが、入院に関わる医療資源、医療全般・処方薬剤消費量を増加させ、しかも、死亡率増加するという皮肉な話。
ONLINE FIRST
The Cost of Satisfaction
A National Study of Patient Satisfaction, Health Care Utilization, Expenditures, and Mortality
Arch Intern Med. Published online February 13, 2012. doi:10.1001/archinternmed.2011.1662
“患者満足度”は、“医療の質”の測定項目として用いられている。しかし、患者満足度と医療機関利用度、支出、アウトカムとの関係は不明。
前向きコホート研究(2000-2007年の米国民Medical Expenditure Panel Survey調査)
社会住民統計学的・保険状況・通常診療利用度・慢性疾患状況・健康状況・1年間医療利用・支出費用補正後、患者満足度回答最高四分位群は、
・救急医療受診オッズ比が低い(補正オッズ比 [aOR], 0.92; 95% CI, 0.84-1.00)
・入院オッズ比が高い (補正オッズ比, 1.12; 95% CI, 1.02-1.23)
・医療総消費量が高い : 8.8% (95% CI, 1.6%-16.6%)
・薬剤消費量が多い : 9.1% (95% CI, 2.3%-16.4%)
・死亡率が高い (補正オッズ比, 1.26; 95% CI, 1.05-1.53)
患者満足度を高めることのコスト=入院数増加+医療費増加+薬剤処方増加+死亡率増加
患者満足度最優先による弊害と単純に言ってはいけないのだろうが、公的医療保険制度下での医療システム構築は他のサービス業と異なる特性があるということだけは認識されなければならないだろう。
医療利用度・医療消費量・処方薬剤消費量
死亡率との関連
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