Meta-analysis of Randomized Controlled Trials
Arch Intern Med. 2012;172(4):312-319. doi:10.1001/archinternmed.2011.1484
メタアナリシスでも、安定冠動脈疾患(CAD)治療アウトカム関し、PCI(経皮的冠動脈インターベンション) vs 薬物療法比較で、異なる結果が示されている。
しかし、以前のシステマティック・レビューの多くは、バルーン血管形成を薬物療法と比較し、現行のインターベンションや薬物療法を反映していない。
初期治療として、冠動脈ステント挿入と、薬物療法を比較した全ランダム化臨床トライアルのメタアナリシスを施行し、死亡への影響、非致死的心筋梗塞、計画にない血管再建、狭心症持続を評価。
結果は、8つのトライアル7229名。
3つのトライアルは心筋梗塞(MI)後安定、6研究は負荷試験安定狭心症/虚血症例。
平均荷重フォローアップ期間4.3年、ステント挿入と薬物治療の死亡イベント率は、8.9%、9.1% (OR, 0.98; 95% CI, 0.84-1.16); 非致死的MI 8.9% 、 8.1% (OR, 1.12; 95% CI, 0.93-1.34); 計画にない血管再建 21.4% 、 30.7% (OR, 0.78; 95% CI, 0.57-1.06); 狭心症持続 29%、 33% (OR, 0.80; 95% CI, 0.60-1.05)
結論としては、安定CADに対し、初期治療としての薬物療法と比較して、初期治療としてのステント挿入は、死亡予防、非致死的MI、計画にない血管再建、狭心症予防へのベネフィットエビデンス認めず。
非専門家の解析で、ステントのベネフィットを見逃されていると主張もある。しかし、現行ガイドラインには、上記メタアナリシスの主張が採用され、アスピリン、スタチン、ACE阻害剤/ARBをライフスタイル介入と共に推奨されている。
死亡率・狭心症改善を示した以前の報告とは反しているが、高齢者を含む以前の解析ではその薬物治療の有効性が低く、PCIが大きな役割を果たしたと考えられる。
解説:http://www.medpagetoday.com/Cardiology/PCI/31402
Stents Overused in Stable Heart Patients
Study Finds No Benefit of Stents Over Using Medications First
USで、安定狭心症患者の待機的冠動脈形成術・ステント過剰治療が問題になっている
日本での現状は、安定狭心症へのステント過剰治療問題、議論さえ見聞きできないのだが・・・私の情報収集能力不足?
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