2012年2月29日水曜日

FDA:スタチン副作用として記憶障害を警告

ほんとに稀なのかどうか?一応2%未満ではあるとされるが・・・


FDA announces safety changes in labeling for some cholesterol-lowering drugs
FDA NEWS RELEASE
For Immediate Release: Feb. 28, 2012
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm293623.htm
 スタチン服用患者では、投与前肝酵素検査と、定期的肝酵素モニタリングを推奨し、重篤な肝障害は稀だが、予測不能。稀な副作用完治のための定期的モニタリングは有効ではないと矛盾した記載。疲労感・全身倦怠、虚弱、食欲低下、上腹部痛、尿濃黄染、皮膚・目の黄染などあれば即医療関係者相談


認知機能への影響が、特定の患者に認められることも警告。記憶喪失と混乱で、スタチン中止で改善するが、医療関係者に警告されている。

他、血糖増加、ロバスタチンの場合の筋障害(myopathy/rhabdomyolysis)に警告。




Statin-Associated Memory Loss: Discussion
http://www.medscape.com/viewarticle/458867_4


別のスタチンと異なり、アトルバスタチンは脳脊髄関門を通過しないという報告があるが、記憶・認知症に影響があるなら、スタチンによる防御的あるいは逆の副事象的悪影響をニューロンに与えることになるということで、関心が向けられた。

"statin-associated memory loss"という状況は、短期記憶障害で蟻、スタチン服用後2-3ヶ月、投与量増加後出現との報告。

MedWatchからの頻度推定は困難だが、全レポートの2%程度、或いはそれ以下とも推定。稀ではないとも考えられる。


「リピトール」添付文書を見ると

精神神経系
0.1~5%未満 
めまい、不眠(症)、四肢しびれ(感)
精神神経系
0.1%未満 
眠気
精神神経系
頻度不明 
勃起障害、健忘症
 ・・・とある。
日本ではほとんど報告されてないようだ。用法用量・実際の処方量が違うせいかもしれないが、高用量の時には注意が特に必要だろう。



・・・にしても、後発だらけになると、こういう副作用情報ますます入手しがたくなりますねぇ。
後発品促進というなら、後発メーカーへの製品薬剤情報提供強制化すべきだと思うのだけど・・・
優遇してるメーカーにはとことん甘くなる日本の行政。それから利益を得ようとする役人・OB・・・そういうのがエルピーダ破綻にもつながったと思う。

昨今の経済状況により、長期処方・採血検査回避を患者側が希望することがある。 スタチンに関わる副作用チェック受けにくくなっている現状がある。受診時は、定期的採血を進めることと、記憶障害エピソードなど聞き取ることが必要。




Wall Street Journal(http://well.blogs.nytimes.com/2008/02/13/do-statins-make-you-stupid/)で報道された症例
69歳女性は、物忘れが過ぎて、アルツハイマー病検査を娘から求め、孫娘の世話をするのさえ拒否されていた。 スタチン服用をやめると、8日で、正常となり、劇的な変化であった


新聞やテレビは、スポンサーシップを配慮して、ファイザーやアストラゼネカや塩野義などに遠慮して日本では報道しないのかな?

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