2012年2月8日水曜日

入れ墨・ピアスによるC型肝炎ウィルス感染伝播


Transmission of Hepatitis C Virus Infection Through Tattooing and Piercing: A Critical Review
Clin Infect Dis. (2012) doi: 10.1093/cid/cir991 First published online: January 30, 2012


入れ墨は、職業的になされる場合と友人・家族・刑務所内で施される場合がある。
職業的になされているのが合法的なのかどうか分からないが、職業的になされた場合にC型肝炎感染リスクがないというエビデンスはないと書かれている。
米国内新規HCV感染は1万8千名で、多くは共有ヘロイン注射によるものだが、20%が原因不明で、リスク要素候補として、入れ墨がある。
特に、刑務所内の入れ墨、prison tatooの存在について関心が向いている。

上記報告は、入れ墨とともに、ピアスについても記載されている。

入れ墨とピアスは若年者のうちに特に増加しているが、C型肝炎ウィルス(HCV)感染リスクについて評価及び文献上の知見が少ない。
Meta-analysis of Observational Studies in Epidemiology (MOOSE) guidelineを用いてHCV感染リスクを検討。
professional parlorから入れ墨・ピアスを受けたときにHCV感染リスク増加するかどうかの明確なエビデンスは、入れ墨and/orピアス特異的には存在しない。
しかし、HCV感染リスクは重要で、特に高リスク群においては、補正オッズ比 2.0-3.6で、刑務所あるいは友人からの処置によるものではリスクが高い。
予防的には、刑務所、自宅、他の衛生的でない場所での入れ墨やピアス作成によるHCV感染伝播を防ぐ必要性がある。

入れ墨、ピアスに関し、若年者に、HCV感染防御のための衛生的環境下での施行必要について教育する必要がある。





 いわゆるエステティックサロンにおいて医師免許をもたない従業員が行う、医療用レーザー脱毛機器を使用した脱毛処理、アートメイク、ケミカル・ピーリングにつき、これを業としてなすことは医師法上、医業にあたるとの見解を示したもの
 厚生労働省通知「医師法上の疑義について」の送付について 日医発第488号(法25) 平成12年8月11日 (pdf)

入れ墨で医師法違反の容疑 兵庫県警、彫師を逮捕へ

 医師免許なしで他人に入れ墨をしたとして、兵庫県警明石署が医師法違反の疑いで、同県明石市の暴力団組員で彫師の男(35)=傷害罪で起訴=を近く再逮捕する方針を固めたことが9日、同署への取材で分かった。
 明石署によると、美容目的以外の入れ墨への医師法違反容疑適用は全国初。厚生労働省は皮膚に針で色素を注入するのは医療行為で、医師免許が必要としている。
 同署によると、彫師の男は2008年5~8月、医師免許がないのに、自宅マンションで無職の男性(44)ら2人の腕などに入れ墨をした疑いが持たれている。同署は入れ墨の際に使用したとみられる針や麻酔薬を押収した。
 暴力団組員が入れ墨を見せて市民を威圧することがあり、県警は暴力団の取り締まり強化の一環として立件した。

2010/07/09 13:11   【共同通信】
 ”入れ墨”を入れるには医師免許が必要で、摘発実態がなかったのは、医師法違反を行政が野放しにしているということ。

比較的交通量の多い国道から見える場所に、“入れ墨”看板を見ることがあるが、警察は、不作為を続けるのだろうか?逆に、行政が本気で入れ墨を容認するなら、管理下に置いて、感染症リスク軽減のため、法制化すべきだろう。

日本という国の、本音と建て前、事なかれ主義・・・この方面でも・・・


今、ピアス作りは合法的になされているのだろうか?

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