2012年3月19日月曜日

喘息:ゾレア26週間プラシーボ対照化RCT ;ACT、IGETで有意差認めず

あくまで個人的意見だが、ゾレアに効果ある一群は確かに存在するという臨床的な印象がある。その値段と比べあまねく効果があるかというとやはり疑問がある。

26週間というやや長期の検討結果でも、持続性アレルギー性喘息すべての人に有効という分けではなさそう。有効性を示すサブグループ選別にはベースラインでのACTスコアが一つの目安かもしれない。



オマリズマブ26週ランダム化二重盲検対照化多施設研究

A 26-Week, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Multicenter Study to Evaluate the Effect of Omalizumab on Asthma Control in Patients with Persistent Allergic Asthma

Bardelas, Jose et. al.
Journal of Asthma, Volume 49, Number 2, March 2012 , pp. 144-152(9)

NHLBI step 4以上の持続性アレルギー性喘息コントロール不良例での効果

二重盲検プラシーボ対照化で、12年以上の患者で、 24週間で2-4週毎omalizumab(n-136)、プラシーボ(n=135)に割り付け

プライマリ有効性変数は、ACT総スコア、Investigator's Global Evaluation of Treatment Effectiveness (IGETE, secondary efficacy variable) のベースラインからの変化

ACTスコアはomalizmabでプラシーボより改善  (最小2乗法 [LSMs]: 5.01, 4.36);しかし、その差は有意差無し  (p == .1779)

同様に、 IGETEでも有意差なし  (p == .1177)、しかし、IGETE "Excellent"該当とされたのは、omalizumab  (26/127, 20%%) vs placebo (19/131, 15%%)

有意ベネフィットが見られたのは、ベースラインACTスコア15点以下のvery poorly controlledの状態のサブグループで、 24週目 ACT score (LSMs: 6.66, 5.27; p == .0334) 、 IGETE (p == .0321)。

ベースラインでのFEV1予測 80% サブグループでは有意差無し

薬物関連副作用・死亡を含め 副事象は両群同様


効果確定的なサブグループの存在をしめさなければ、意義が問われるのは必須なはず。
サブグループを付記した論文発表になった訳も分かる。


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