2012年3月10日土曜日

体温: 測定部位・測定方法・測定値判断について・・・

インフルエンザ症の検査を行う時の判断材料の一つは、発熱の有無だろう


インフルエンザの診断キットを使うかどうか迷うことがある。

たとえば、クラスでインフルエンザが数名いて欠席しているという状況で腋下体温測定 朝方37.5℃と夕方37.5℃の場合どう評価するか?


pyrexia:発熱について、あらためて、成書を参照した。体温測定法毎の信頼性に関し、書籍により違いがある。


「ゴールドマン・セシル内科学 第24版」には
 「成人体温は、口腔電子体温計測定とする。直腸体温は口腔体温より0.4℃高い。鼓膜体温はばらつきが大きく(口腔体温と-1.2℃から+1.6℃と違う)、入院患者に対しては信用できない」


「Clinical Infectious Disease」(Clinical Infectious Disease 2012 (The Clinical Medicine Series) )には、pyrexia(発熱)とは、「熱もしくは高体温症による体温の異常上昇。熱は炎症反応を促進し、細菌増殖を抑え感染にとって生理的環境に好ましくない影響を与える状況。熱はすべての代謝過程の副産物として産生され、体の熱の70%は伝達に伴い失われ、30%は蒸散する。体温調整は、視床下部前部視索前野で行われる。 C=0.5(F-32)、 F=(1.8C)+32」

さらに
直腸温(核体温 > 華氏 100.4度 (38.0℃):口腔体温より-0.6℃高い 
口腔体温 > 華氏 99.5度(37.5℃)
腋下体温 > 華氏 98.6度(37.0℃):腋下体温は信頼性低いが、重症者で用いられやすい
鼓膜体温 > 華氏 100度(37.8℃):舌下測定より0.4℃低い

意外と、記載ばらばら
当方は、腋下電子体温計を標準として用いているが・・・


個体内ばらつきに関して
ばらつきは、1.3℃程度有り、底は午前4-8時で、正常体温では36.1℃、ピークは午後4-6時で、37.7℃、視床下部が調整している。 いわゆる“正常内変動”範囲は個体差がある

熱型:abrupt onset and remission、 remittent(弛張熱)、  intermittent(間欠熱)、 undulant(波状熱)、 relapsing(回帰熱)


院内での発熱に関する画像診断として、超音波あるいは造影CT、白血球分類
血管グラフト発熱にはCT診断困難で、fFDG-PET評価を迅速に・・・
(日本の公的医療保険なら画像診断認められない可能性大)




病院内だけでなく、夕方駆け込んできた中学生、体育の授業後37.8℃だったから、病院に行けと養護教諭から言われたとか・・・時にクビをかしげることもある。

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