2012年4月4日水曜日

FDA:過活動性治療薬ベタニス ベネフィット・リスク議論 ・・・血圧・心拍増加・肝障害・・・

"Reproductive Health Drugs Advisory Committee"会合にて、過活動性膀胱(OAB)治療薬としての、mirabegronのベネフィットがリスクを上回るかという議論がなされた。

Overactive Bladder Drug Risks Highlighted

By Emily P. Walker, Washington Correspondent, MedPage Today
Published: April 03, 2012
http://www.medpagetoday.com/OBGYN/UrinaryIncontinence/32002


アステラスのmirabegron(ミラベグロン;商品名 ベタニス)は、選択性が高く、β3アドレナリン受容体に作用する薬剤で、膀胱のdetrusor muscleに作用し、膀胱充満蓄積を促進する薬剤。

12週間ランダム化プラシーボ化対照化トライアルで、50mg治療にて、尿失禁エピソード・排尿減少(P<0.001)
患者関連アウトカム(治療満足度、bothersome symptome、OAB特異的健康関連QOL)は有意に改善

FDAレビューアーたちは、重大リスクを示唆するものはないようだと述べている。

しかし、血圧増加、心拍増加、肝機能異常、尿路感染、新生物、過敏性反応などさらなる考慮が必要。

mirabegrom 1日1回 50mg投与で、約1mmHgの収縮期血圧、拡張期血圧増加をもたらし、心拍も1回/分増加する。

重篤な肝毒性3例の報告、過敏症(Stevens Johnson症候群)、尿路感染、緑内障・眼圧増加、新生物報告もなされている。




TRABSCENDトライアルなど、ミカルディス(テルミサルタン)治験では、2mmHg程度の差で、重大臨床アウトカムを議論していることと矛盾する話にも思える

さぁ、医療情報担当者たちはどう現場で説明する?

日常臨床において、過活動性膀胱は、愁訴だけを頼りに薬剤処方意思決定がなされることの多い薬剤である。その分、利用者である患者に対する副事象への十分な説明が必要だろう。



過活動性膀胱と生命予後の相関性を示す報告を利用して、まるでOAB治療が生命予後改善効果があるようなミスリード資料を見たが、“男性更年期”診断・治療に対する批判をものともしない泌尿器系学会の先生たちらしいアホな主張であった。

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