2012年5月8日火曜日

反社会性人格障害:サイコパシーの有無は、脳の灰白質構造に違いが存在

反社会性人格障害(Anti-social Personality Disorder:ASPD)犯罪者において、精神病質(psychopathy)の有無で、脳の灰白質(GM)構造差が存在する




ASPDP(精神病質ありのASPD)は、ASPDP(精神病質なしのASPD)とは脳の構造が異なるのである。前者は正常者とも異なる。


The Antisocial Brain: Psychopathy Matters
A Structural MRI Investigation of Antisocial Male Violent Offenders
Sarah Gregory, et. al.
Arch Gen Psychiatry. Published online May 7, 2012. doi:10.1001/archgenpsychiatry.2012.222
横断的症例対照構成的MRI研究

英国ロンドンインナーシティー保護観察サービス及び神経画像研究ユニット

66名を検討
・ASPD+P:17名の暴力犯罪者
・ASPD-P:27名の暴力犯罪者
・22名の健康非犯罪者

ASPD-P犯罪者および非犯罪者に比べ、ASPD+P犯罪者は、前吻側前頭前野:anterior rostral prefrontal cortex (Brodmann area 10) 、側頭極:temporal pole (Brodmann area 20/38)のGM容積減少

この減少は、薬物使用疾患は寄与せず。

ASPD-P犯罪者は、GM容積としては、非犯罪者と同等。


結論:共感プロセシング、道徳的推論、罪悪感や羞恥心などの向社会的感情のプロセシングにかかわる灰白質がpsychopathyにおける社会的行動の重大異常に関係している。

psychopathyが異なる発現型を示すエビデンスに、psychopathyの有無で常習的暴力犯罪男性における脳の構造差があることがエビデンスが加えられた。この知見は、持続的な暴力行為の病因研究を促進することになるだろう。


暴力的犯罪者の中に、小グループだが、常習性犯罪ASPD男性が存在する。多くは真の精神病質を有さないが、情緒的不安定、衝動性、感情・不安疾患レベルとして高度であり、脅威や降らす手レーション感覚に敏感で攻撃的な手段を用いる。この状況の1/3にASPD+Pが存在し、共感や自責の情に乏しく、ほしいがままに計画化した攻撃・犯罪を行う。ASPD+Pでは脳の構造異常をともなうことが明らかになったことは画期的とのこと。

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