高温・高湿度空気吸入で、喘息患者は、気道れん縮・咳嗽悪化を生じる。
そして、それは、コリン作動性経路の関与と思われ、抗コリン剤が有効と推定。
Bronchoconstriction Triggered by Breathing Hot Humid Air in Patients with
Asthma: Role of Cholinergic Reflex
Don Hayes, Jr., Paul B. Collins, Mehdi Khosravi, Ruei-Lung Lin, and Lu-Yuan
Lee
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2012;185 1190-1196
http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/abstract/185/11/1190?etoc
暖かい湿気のある空気を過換気することで、一過性の気道れん縮が生じる。
このメカニズムは不明だったが、気温増加が迷走神経性気道血管C線維感覚神経を活性化し、これにより気道れん縮反射が出現するということが示されてきた。
この実験は、気道内の温度増加による気道れん縮が気道感覚神経活性化によるコリン作動性反射を介するか、その検討実験。
HA:49度加湿空気(HA)と、20-22度室温(RA)による等炭酸ガス過呼吸による気道反応測定:Specific airway resistance (SRaw) と pulmonary functionを測定
二重盲検
喘息患者において、SRawは、HA過換気後112%増加、RA後は38%増加
HA呼吸は患者の咳嗽トリガーとなるが、RA呼吸はならない。
反対に、喘息の無い健常者では、HA過換気は咳嗽の原因とならず、22%のみSRaw増加。
HAとRA暴露によるSRaw反応の差は健常者で認めず。
ipratropiumによる前治療で、喘息患者のHA誘発気道れん縮予防可能であった。
テレビなどをみると加湿器礼賛だが、喘息患者においては、過剰な高温・多湿状態は気道れん縮をもたらすこととなり、注意が必要。
高温多湿環境による喘息悪化に抗コリン剤が効果有る可能性がある。
秋・春先に多い喘息発作は気温の高低差が関連すると思うのだが、この実験も実は空気の気温差及び湿度差によるものという考え方はできないのだろうか・・・と思いつきを書いたが・・・気にしないで下さい。
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