2012年7月6日金曜日

発熱:発熱児の年齢群別体温毎の呼吸数参照値は下気道感染予測に役立つ

有熱児の下気道感染スクリーニングとして、年齢層毎の体温に対する呼吸数参照値を求め、それ以上なら、気道感染の可能性がたかいという報告


Derivation and validation of age and temperature specific reference values and centile charts to predict lower respiratory tract infection in children with fever: prospective observational study
BMJ 2012; 345 doi: 10.1136/bmj.e4224 (Published 3 July 2012)


目的: 年齢・体温ベースの呼吸数の参照値・センタイルチャート作成
発熱児の下気道感染存在予測に役立つか? 
デザイン: 前向き観察研究

被験者: 1ヶ月から16歳までの熱性疾患の子供 (derivation population, n=1555; validation population, n=671):小児救急・病院アセスメントユニット

セッティング:
2006-2008年のオランダ一病院 (derivation population)
2003-2005のオランダの一病院と2005-2006 UKの一病院(validation population).

介入: derivation populationで呼吸数センタイル・チャートを作り、特異的体温毎の50、75、90、97タイル呼吸数計算
多変量回帰解析で、呼吸数、年齢、体温の相関;validation populationにて評価確認;診断的パフォーマンス、zスコア、肺炎LRTI診断の子供のセンタイル対応 (as confirmed by chest radiograph)、同様に非肺炎 LRTI、非non-LRTI評価

主要アウトカム測定: 年齢、呼吸数(回/分)、年齢、呼吸数(回/分)、体温(℃)、LRTIの存在

結果:
体温1℃増加毎、呼吸数 2.2回/分増加(年齢・体温モデル補正後)

年齢、体温、呼吸数で相互影響認めず

年齢と体温の97タイルでのカットオフ値はLRTIでの"rule in"として、Advanced Pediatrics Life Support valueの呼吸数閾値存在より、陽性尤度が高い (specificity 0.94 (95% 信頼区間 0.92 ~ 0.96 vs 0.53 (0.48 ~ 0.57)、 陽性尤度  3.66 (2.34 ~ 5.73) vs 1.59 (1.41 ~ 1.80))

しかし、センタイルカットオフでは、肺炎LRTIと非肺炎LRTIを鑑別できず。



結論:小児発熱に対し、年齢別・体温依存的チャートで呼吸数の新しい参照値を作成。
97センタイル・カットオフ値は呼吸回数閾値よりLRTIの存在検知に有用。

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