2012年10月5日金曜日

DIRECT研究:低炭水化物食 vs バランスのとれたダイエット食 vs 低脂肪食

いわゆるAtkinsダイエットを今更ながらとりたてて、極端な食事を推奨している主張が目立つ。循環器の医者までが低炭水化物食を患者に勧めているのを見掛けるがあまりにアホすぎて・・・開いた口が・・・

テレビで得た情報をそのまんま患者指導に利用する医者・・・ テレビなどの風評におどらされ、自らが情報リソース確認を怠っている医者のことだが、有害な存在である。
関連: 低炭水化物・高蛋白食は心血管疾患リスク増加をもたらす 2012/6/28
低GI食は、低脂肪食、低炭水化物食(Atkins食)より負の影響が少なく体重維持効果的 2012/6/27
 本来、挟雑要素の少ない治験デザインでの、“低炭水化物食 vs バランスとのとれた食事 vs 低脂肪食”比較の長期フォロー成績がまたれる。

 DIRECT研究後のフォローアップ成績は参考になると思う。

低炭水化物食、Mediterranean食が長期的には、動脈硬化特性上は良好な食事指導ということになるだろうと考える。
しかし、上記報告を合わせ考えると、やはり、バランスの良いMediterranean食をベースにした食事指導が妥当だろう。



2年間のワークアップ研究であったDietary Intervention Randomized Controlled Trial (DIRECT)研究後さらに4年後の検討


Four-Year Follow-up after Two-Year Dietary Interventions
N Engl J Med 2012; 367:1373-1374
October 4, 2012DOI: 10.1056/NEJMc1204792

比較的肥満322名を3つに割り付け
・  低脂肪・カロリー制限
・ Mediterranean、カロリー制限
・ 低炭水化物、カロリー制限なし

 低炭水化物食やMediterranean食は、維持性が良く、ベースラインから比較で-1.7kg、-3.1kgの減量効果がみられていた。
トリグリセリドもともに減少、総コレステロールも減少継続

下図は、わざと画質悪化させたもの
右上:体重、左上:LDD:HDL比、右下:TG、左下:総コレステロール

体重減少としては、低脂肪食が一番もとに戻りやすい、Mediterranean食が最も維持性が高い

介入直後のフォローアップ2年後
  • 低脂肪: 2.9 kg (6.39 lbs.)
  • Mediterranean 食: 4.4 kg (9.70 lbs.)
  • 低炭水化物: 4.7 kg (10.36 lbs.)
フォローアップ6年後
  • 低脂肪: 0.6 kg
  • Mediterranean 食:  3.1 kg
  • 低炭水化物: 1.7 kg
 低脂肪食とMediterranean食とは有意差認める


6年後のLDL/HDL比は3群同等だが、低炭水化物での変化量が大きい(0.16 ,p=0.04)

TG減少はMediterranean群と低炭水化物群で有意 (21.4 mg/dL [0.24 mmol/L], P=0.03、11.3 mg/dL (0.13 mmol/L], P=0.02)、ただ、3群間有意差なし(P=0.12)

総コレステロールに関して、包括的に、3群の有意な継続的減少がみられる
低脂肪群 7.4 mg/dL (0.19 mmol/L) (P=0.03)
Mediterranean群 13.9 mg/dL (0.36 mmol/L)(P=0.001)
低炭水化物群 10.4 mg/dL (0.27 mmol/L)(P=0.02; P=0.71 for all comparisons)








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