2012年12月6日木曜日

高用量vs低用量スタチン : 高用量では糖尿病発症増加させるが、臨床的ベネフィットはそれを上回る

糖尿病専門家の座談会とか見ると、HbA1cがすべてであるかのごとき内容で、かれらは重要なことを忘れてるのではないかといつも思う

大事なことは、死亡率や合併症であり、糖尿病そのものの検査値では無いはずなのに・・・

だから、メトホルミン処方の仕方がおかしいのは 、日本の糖尿病診療について指導的な地位に就いてる人たちのせいだとホントに思う、それに疑問を持たなかった実地医療の医師たちも同罪ではあるが・・・


高用量スタチンの糖尿病発症頻度増加はたしかに存在するらしい、だが、臨床的アウトカムから考えれば、そのベネフィットが有害性を上回るという話。

Cardiovascular Event Reduction Versus New-Onset Diabetes During Atorvastatin TherapyEffect of Baseline Risk Factors for Diabetes ONLINE FIRST
David D. Waters, MD; Jennifer E. Ho, MD; S. Matthijs Boekholdt, MD, PhD; David A. DeMicco, DPharm; John J.P. Kastelein, MD, PhD; Michael Messig, PhD; Andrei Breazna, PhD; Terje R. Pedersen, MD, PhD
J Am Coll Cardiol. 2012;():. doi:10.1016/j.jacc.2012.09.042


新規発症糖尿病( new-onset diabetes (NOD))リスク要素:
・空腹時血糖>100mg/dL
・空腹時TG>150mg/dL
・BMI>30kg/m2
・高血圧病歴


TNT (Treating to New Targets) (n = 7,595)
IDEAL (Incremental Decrease in Endpoints Through Aggressive Lipid Lowering) (n = 7,461) trials
以上の15,056名の冠動脈疾患有り・糖尿病無し群のトライアルのNOD 発症頻度・CVイベント

ベースラインNODリスク要素0-1 8825名では
NOD発症 
アトルバスタチン80mg群 142/4407 vs アトルバスタチン10mg/シンバスタチン20-40mg群 148/4418(3.22% vs 3.35%; ハザード比 [HR]: 0.97; 95% 信頼区間 [CI]: 0.77 to 1.22)

NODリスク要素数2-4 6231名では
アトルバスタチン80mg 368/3103 vs 低用量群 368/3,103 (14.3% vs. 11.9%; HR: 1.24; 95% CI: 1.08 to 1.42; p = 0.0027)

CVイベント数は有意にアトルバスタチン80mg群でリスク減少


新規発症糖尿病( new-onset diabetes (NOD))に関し、低用量スタチンに比べ、アトルバスタチン80mg/日は、NODリスク0-1の患者のNOD増加させないが、NODリスク要素2-4の場合は24%増加させる

ただ、CVイベント数は、NODリスク高低両群とも、アトルバスタチン80mgで、減少。

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