2012年12月6日木曜日

医療従事者結核菌暴露後評価:QFTなど変動激しく信頼性乏しい

Monthly Follow-ups of Interferon-γ Release Assays Among Health-care Workers in Contact With Patients With TB

CHEST. 2012;142(6):1461-1468. doi:10.1378/chest.11-3299
背景:  Interferon-γ (IFN-γ) release assays (IGRAs)、最近の結核感染検知のためのTST(ツベルクリン検査)の限界を補う可能性のため、臨床の場でのルーチン使用がなされている。しかし、IGRAsは、ダイナミックな検査で有り、T細胞の反応が時間経過により変動する。中程度感染国家である韓国に於ける結核患者接触医療従事者内の1年間の次毎のIGRAの陽転化・陰転化を評価。

方法:  活動性肺結核接触の49名の医療従事者を登録。活動性結核患者との接触歴を問診、理学所見、QuantiFERON TB Gold In-Tube assay (QFT-GIT)を月毎施行

結果:  48名のうち、25(52%)が連続検査で一定の結果を示さなかった。
<0 .35=".35" br="br" iu="iu" ml="ml">QFT-GITの一致した結果は、年齢、医療従事期間、ベースラインのIFN-γ値に相関するが、被験者の職業とは関連せず、結核暴露の程度とも関連せず、N95マスク装着とも関連せず
5名では、IFN-γ値の変動が、2回以上 >0.70 IU/mLとなった

結論:結核患者接触医療従事者のにおいて、IGRA所見の月間変動は普通。
このことから考えれば、このアッセイ・の再現性は低く、反復感染、真の転換、周期的抗原分泌などの様々な結果と考えられる。


結核感染流布のて度は、韓国はほぼ日本同様と思われる。その状況で、IGRAの変動激しく、その信頼性に疑問を呈した報告・

故に、入職時や暴露歴ありのQFT検査陽性医療従事者に対し、予防内服を実施すべきかどうか、議論がなされるべきである。

果たして以下の提言が正しいかどうか・・・


医療施設内結核感染対策について
日本結核病学会予防委員会
H22.3
http://www.kekkaku.gr.jp/hp/commit/commit7/Vol85No5P477-481.pdf


<見解:1 > QFT検査によるベースラインの意義
 ベースラインのQFT 検査が陰性であった者が結核患者と接触してから3 週間以後に行ったQFT で陽性になった場合,結核感染を受けたと判定する。但し,確実に診断するには8 ~12 週後に検査するのが適切である。
<見解:2 > 定期QFT検査
 結核患者と常時接触する職場(結核病棟など)では,雇入れ後も定期的なQFT 検査の実施が勧められる
<見解:3 > 実習生等に対するQFT検査
 医療職教育・養成機関の学生等が病院等にて実習をする場合,実習は定常的でなくかつ比較的短期間であることよりQFT 検査は必ずしも必要ではない。QFT を行わない場合,年齢を考慮すればほとんどの学生が未感染者であると考えられるので,結核既往のある者・明らかに結核患者と接触歴がある者以外のベースラインはQFT 陰性とみなす。

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