2012年12月21日金曜日

アルツハイマー病:“アミロイド仮説” EXPENDITIONトライアル実質失敗と その他の動き

ちょい数年前まで、“アルツハイマー病はβアミロイド対策ですべて解決”などと医師向け講演会でしゃべっている医師がいた。だが、最近の報告をみていると、むしろ、“アミロイド仮説”、“βアミロイドをターゲットとする治療”の方が終焉を迎えてるのではないかと思える。


Year in Review: Alzheimer's Disease: Amyloid 'Proponents' Soldier On
By John Gever, Senior Editor, MedPage Today
Published: December 20, 2012
http://www.medpagetoday.com/Neurology/AlzheimersDisease/36562

イーライリリーの、8月のEXPEDITIONトライアル(抗アミロイド薬:solanezumab)は有意なベネフィットを示せなかった。モノクローナル抗体であるBapineuzumab もまた、rogue proteinターゲット薬だったが、結果が得られてない。
Eli Lilly and Company Announces Top-Line Results on Solanezumab Phase 3 Clinical Trials in Patients with Alzheimer's Disease
August 24, 2012
http://newsroom.lilly.com/releasedetail.cfm?releaseid=702211


かりに仮説が正しくても、巣でのプラークが広汎となってる状況では、抗アミロイド治療は有効では無いのかもしれない。治療ターゲットを間違えてることには違いないが・・・

だが、イーライリリーは、薬が不発だということを認めてない。 二次解析にて、中等度アルツハイマーに希望を託しているようだ。

そして、MK-8931。
メルクは前駆物質からβアミロイド蛋白をcleaveする、(γセクレターゼとは別の主成分)の酵素であるβsecretase、BACEの経口阻害剤で、βアミロイド産生減少効果を示す薬剤。
第1相では、健常者で、MK-8931は髄液中βアミロイド蛋白を90%減少。これを期にPII/IIIトライアルと進んでいる。1700名もの大規模研究へ。


やはり、βアミロイドは疑いなくアルツハイマー病の病理要素であるが、これのみをターゲットとするのではなく、多くの要素を治療ポイントとして考慮すべきだろうと・・・過リン酸化としてのτ蛋白のが次のターゲットになるのかもと。


 そして、乳がんをたとえにして、HER2のみが乳がんの原因ではないと・・・



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