2013年2月28日木曜日

梅毒point-of-care検査は検査室検査に匹敵するようになった

Research Institute of the McGill University Health Centre (RI-MUHC) のチーム開発

梅毒は、信頼性のある迅速診断方法が、さし迫り必要な疾患

POC(point-of-care)検査の開発し、通常の検査室検査と同等の正確性が示されたと報告

Are Treponema pallidum Specific Rapid and Point-of-Care Tests for Syphilis Accurate Enough for Screening in Resource Limited Settings? Evidence from a Meta-Analysis
Yalda Jafari, et. al.
PLoS ONE 8(2): e54695. doi:10.1371/journal.pone.0054695

血清サンプルで、TP特異的標準ポイント推定値に対する評価'95%信頼区間(Crl)

一般の検査の感度
i) Determine, 90.04% (80.45, 95.21)
ii) SD Bioline, 87.06% (75.67, 94.50)
iii) VisiTect, 85.13% (72.83, 92.57)
iv) Syphicheck, 74.48% (56.85, 88.44)
 特異度
i) Syphicheck, 99.14% (96.37, 100)
ii) Visitect, 96.45% (91.92, 99.29)
iii) SD Bioline, 95.85% (89.89, 99.53)
iv) Determine, 94.15% (89.26, 97.66)

全血サンプル、感度
i) Determine, 86.32% (77.26, 91.70)
ii) SD Bioline, 84.50% (78.81, 92.61)
iii) Syphicheck, 74.47% (63.94, 82.13)
iv) VisiTect, 74.26% (53.62, 83.68)

特異度
i) Syphicheck, 99.58% (98.91, 99.96)
ii) VisiTect, 99.43% (98.22, 99.98)
iii) SD Bioline, 97.95%(92.54, 99.33)
iv) Determine, 95.85% (92.42, 97.74)
 迅速あるいはPOCのトレポネーマ検査は感度特異度とも検査室結果と同等で、これらの検査により検診や治療のしやすさにつながる可能性がある。
ラボアクセスの悪い状況では有用



2008年のガイドラインでは
T.p.の検出は、初期硬結や硬性下疳の表面をメスで擦るなどして得られた漿液をスライドグラスにとり、パー カー社製ブルー・ブラックインクと混ぜて薄く延ばし、 乾燥後、顕微鏡の油浸で観察するパーカーインク法が用 いられる。長さ 6~20 μm で 8~20 のらせんを持つ病原体を確認し確定診断する。
梅毒血清反応は、カルジオリピンを抗原とするSTS法 (serologic test for syphilis )であるガラス板法RPRカードテスト(rapid plasma reagin card test )、凝集法のうちの一法および T.p.を抗原とするTPHA法(treponema pallidum hemagglutination test )あるいはFTA-ABS法(fluorescent treponemal antibody absorption test)の定性を施行し、陽性の場合にはSTS法の定量を行う。しかし、感染後約4週間は陽性を示さないので、陰性でも梅毒の疑いが強い場合には再検査を 行うべきである。

2011年のガイドライン(http://jssti.umin.jp/pdf/guideline2008_new/01.pdf)の梅毒血清反応以降の記載
梅毒血清反応は、カルジオリピンを抗原とする非特異的なRPRカードテスト(rapid plasma reagin card test )、塗抹(コメント1参照)を行い、陽性の場合には、T.p.を抗原とする特異的なTPHA法(treponema pallidum hemagglutination test )FTA-ABS法(fluorescent treponemal antibody absorption test)あるいは新規のT.p.抗原とする検査法を施行し、陽性の場合にはSTS法の定量を行う。しかし、感染後約4週間は陽性を示さないので、陰性でも梅毒の疑いが強い場合には再検査を 行うべきである。
※コメント
1)ガラス板法の抗原は、2010年に発売中止し、検査できなくなった。

 上記、POCTは、「新規のT.p.抗原とする検査」に当たるのだろうか

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