2013年3月7日木曜日

スポーツ:反復軽度頭部打撃→血液脳関門破壊→自己抗体出現→認知機能低下の可能性



脳震盪に至らない、軽度の頭部打撲を繰り返すスポーツでも、認知機能への影響があるという報告はかなり前からなされている。
フットボールにもボクシングのような反復頭部外傷による認知機能、軸性障害など・・・遅発性明らかに 2010年 09月 24日
頭をつかうスポーツは頭が悪くなる? 2004年 05月 12日
AAN: スポーツ脳しんとう疑い・既往時はスポーツ参加禁止、復帰時は事前訓練された医師の許可必要 2010年 11月 02日

疫学的データだけでは共役要素関与の懸念捨てきれない。できるだけ、そのメカニズムを説明できるものがほしい。

血液脳関門破壊と、自己抗体関与の可能性、画像診断の関係など 、さすが、Cleaveland Clinicの研究といえるきれいな報告。

"Consequences of repeated blood-brain barrier disruption in football players"
Nicola Marchi, et al
PLoS ONE 2013; DOI: 10.1371/journal.pone.0056805.

アメリカのフットボールプレイヤー頭部外傷リスク認識により、sideline concussion診断、神経学的障害のための評価に関する研究を促進している。脳震盪が神経学的後遺症スペクトラムの疫学的要素と認識されてきたが、脳震盪下のレベルでも後遺症があるかは不明であった。
血液脳関門破壊(BBBD)仮説を検討し、アストロサイト蛋白S100Bの血中急激増加により、自己抗体産生と関連する免疫応答が生じる可能性を検討。
これらのイベントがdiffusion tensor imaging(DT) scanにおける白質の 破壊所見を生じるかを決定する目的。
3つの大学フットボールチームからのプレイヤー登録(総計 67のボランティア)
いずれのプレイヤーも脳震盪経験せず、血液サンプルをゲーム前後採取(n=57)
全プレイヤーのhead hit数を動画視聴でモニター、試合後インタビューと合わせ評価
S100B血中値とS100B自己抗体を測定し、direct及びreverse immunoassayで補正(n=15プレイヤー; 5ゲーム数)
DTIスキャン施行プレイヤーサブセットをセッション前後、6ヶ月間隔にて行う(n=10)

認知・機能評価も施行。脳震盪下レベルの頭部打撲数の最も多いプレイヤーでのみ、ゲーム後、血中S100B測定BBBダメージ一過性に増加。
抗S100B自己抗体増加は、BBBDによる特徴的な繰り返しの脳震盪未満頭部打撲後でのみ増加。
S100B自己抗体の血中濃度は、また、認知機能変化と相関性のあるMRI-DTI異常持続を予測する変化である。
脳震盪の存在無い場合でも、フットボールプレイヤーは、繰り返し脳血液関門ダメージを受け、有害性と関連する自己抗体S100Bの急激な出現機会に遭遇するだろう。
血中S100B、自己抗体、DTI変化の相関は、繰り返す血液脳関門障害との関連性を示唆性、将来の認知機能への影響リスクを表す 

解説:Non-concussion football head hits can cause brain changes, Cleveland Clinic-led study finds
http://www.cleveland.com/science/index.ssf/2013/03/non-concussion_football_head_h.html

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