先に、解説
・pureプラシーボ:pure placeboとは、"substances with no pharmacological effect, e.g. sugar pills: 薬理学的効果のない薬物使用(e.g. sugar pill)
・impure プラシーボとは、"substances with pharmacological effect but not on the condition being treated, e.g. antibiotics in viral infections or vitamins":薬理学的効果はあるが、治療対象には効果の無い薬剤(e.g. ウィルス感染への抗生剤、ビタミンなど)
イギリスのGPに対するWebベースアンケート
1715名のGPに対し、回答率46%、783で、他の米国登録医師でのアンケートも同様だったので一般化を正当化
回答者のうち
12%(95%信頼区間 [CI], 10-15%)で、pureなプラシーボ使用
97%(95%CI, 96-98%)では、 impure なプラシーボを一度は使用
pureプラシーボ使用を回答した1%、 impure なプラシーボ使用を回答した77%(95%CI, 74-79%)で週1回以上使用していると回答。
特定の状況ではプラシーボ使用は倫理的であると多くが回答
Placebo Use in the United Kingdom: Results from a National Survey of Primary Care Practitioners.
Howick J, Bishop F, et al. (2013)
PLoS ONE 8(3): e58247. doi:10.1371/journal.pone.0058247
まともな治験がなされてない大多数の漢方薬全体が impureプラシーボだと思うし、その他の薬剤でも同様に治験上あいまいなものが上梓され続けている日本の薬剤事情を考えれば、英国のプラシーボ使用を非難はできまい。いわば官制正当化プラシーボ。
その上、上気道炎への抗生剤使用やインフルエンザへのクラリスロマイシン投与も、上記定義なら impure placeboと考えれば、日本では、英国より、プラシーボ使用がかなり広汎に行われていとも思われる。
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