2013年4月12日金曜日

私の聞き違い? メタボリックメモリーの解説

たまたま偶発的に見た某国営放送の糖尿病解説、"metabolic memory"を私と異なる理解で説明している場面に出くわした。
「一度、糖尿病のコントロールを良くすると、将来的に、動脈硬化への防御作用は継続する。これをメタボリックメモリーといい、血糖コントロールをがんばってください」という内容に聞き取れた。


metabolic memoryって、「過去の高血糖暴露の痕跡が、かりに血糖正常化しても、その後の糖尿病血管合併症に影響を与える」という悲観的なものとおもってたけど・・・違う解説を聞いてしまった。

調べてみた。


The concept of a “metabolic memory,” that is of diabetic vascular stresses persisting after glucose normalization, has been supported both in the laboratory and in the clinic and in both type 1 and type 2 diabetes.

血糖改善後も糖尿病血管性ストレスは持続することは、検査レベルでも、臨床レベルでも、1型でも、2型でも、支持される。
The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism February 1, 2009 vol. 94 no. 2 410-415

ひょっとしたら、メタボリックメモリーという現象があるから、気を引き締めて、常に厳格な血糖コントロールしてくださいという意味だったのかもしれない。その場合でも、ACCORD studyの知見に反することとなるけど・・・


テレビ局側でカットされ、誤解を与える番組になった可能性があるが、糖尿病患者さんたちが多く見る番組 ・・・ 医学監修まともにやってはどうだろうか?

NHKの解説は、政治的におかしいことは周知の事実だが、ためしてガッテンだけでなく、E-TVでやられている番組でも変。



本日放送分で確認した・・・ NHKはこの放送なんども繰り返しているらしい

やはり、薬の効果として、「メタボリック・メモリー」を紹介している。





「メタボリック・ドミノ」は説明としてうまいなぁ・・・と思ってただけに、なんだか残念。

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