2013年4月4日木曜日

HIV患者・クリプトコッカス髄膜炎:導入療法:AmphB+フルシトシン2剤併用が良好

クリプトコッカス髄膜炎はHIV感染上重要な疾患で、髄膜炎診断上も予後から考えれば、除外診断しなければならない重大項目

 治療上のガイドラインでは3つの重要ポイントを明示している

 IDSA GUIDELINES : Clinical Practice Guidelines for the Management of Cryptococcal Disease: 2010 Update by the Infectious Diseases Society of America
http://www.uphs.upenn.edu/bugdrug/antibiotic_manual/cryptorx.pdf
(1) induction therapy :導入療法は、ポリエンやフルシトシンなどの殺真菌薬剤で行い、その後、フルコナゾールを用い、suppressive regimenを続ける
(2) 頭蓋内圧増加 and/or IRIS( immune reconstitution inflammatory syndrome )の早期発見と対処の重要性
(3) 腎障害患者でのアンホテリシンBのlipid formulation使用

 この1番目の導入療法に影響を与えそうな報告。

Combination Antifungal Therapy for Cryptococcal Meningitis
Jeremy N. Day, et. al.
N Engl J Med 2013; 368:1291-1302April 4, 2013

HIV感染者クリプトコッカス髄膜炎への導入療法
ランダム化3群オープンラベル

全てに、アンホテリシンB 1mg/kg体重
Group 1 : 4週間投与
Group 2 : フルシトシン 100mg/kg体重を2週間同時投与
Group 3 : フルコナゾール 400mg×2回 2週間同時投与


総計299名登録

アンホテリシンB+フルシトシン群は、アンホテリシン単独治療群より、14日目死亡数減少 
(15 vs. 25 死亡/日 14; ハザード比, 0.57; 95% 信頼区間 [CI], 0.30 〜 1.08; 非補正 P=0.08; and 30 vs. 44 死亡/日 70; ハザード比, 0.61; 95% CI, 0.39 〜 0.97; 非補正 P=0.04)

フルコナゾール併用療法では、アンホテリシン単独治療群比較で生存率有意差無し (ハザード比 14日までの死亡あたり, 0.78; 95% CI, 0.44 〜 1.41; P=0.42; 70日までの死亡あたり, 0.71; 95% CI, 0.45 〜 1.11; P=0.13)

アンホテリシンB+フルシトシンは有意に脳脊髄液イーストクリアランス率増加
 ( −0.42 log10 コロニー形成単位 [CFU] /ml/日 vs. Group 1 : −0.31 、 Group 3−0.32 log10 CFU /ml/日; 両群比較とも P < 0.001)
副作用イベント率は全群同様、好中球減少だけが併用群で多かった。



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