2013年5月22日水曜日

ICU人工換気患者:患者志向音楽にて不安軽減、ノイズキャンセラ・ヘッドホンでも一部効果

人工呼吸患者にとって、鎮静剤の代わりに、音楽などで不安が改善できるか?

呼吸不全のため急性換気サポートを受けてるICU患者で、PDM(患者志向音楽)は、通常ケアに比べ、不安を大いに減少させるが、ノイズキャンセラ・ヘッドホン(NCH)に比べれば、差は認めない。
また、PDMは、通常ケアやノイズキャンセラ・ヘッドホンに比べ、鎮静回数激減させる。鎮静強度も通常ケアに比べ減少させられる。しかし、ノイズキャンセラ・ヘッドホンとは差は認めない。

Effects of Patient-Directed Music Intervention on Anxiety and Sedative Exposure in Critically Ill Patients Receiving Mechanical Ventilatory Support
A Randomized Clinical Trial
 Linda L. Chlan,  et. al.
JAMA. 2013;():1-10. doi:10.1001/jama.2013.5670.

【デザインセッティング・被験者】5病院、12のICU、373名で、呼吸不全のための急性人工換気補助受けてる患者へのランダム化対照トライアル 
白人 86%、女性 52%、平均年齢(SD) 59(14)歳
APACHE III スコア 63(21.6)、研究平均(SD) 5.7(6.5)日間 
【介入】人工呼吸管理中音楽療法士による好み選択をテーラー化した自己開始患者志向的音楽(PDM)  (n = 126)
ノイズキャンセリングヘッドホン自己使用開始 (NCH; n = 122)
通常ケア (n = 125) 
【主要アウトカム】不安連日評価(100-mm VAS)と2つの鎮静剤暴露の2項目 
【結果】 PDM群患者において、音楽聴取時間平均(SD) 79.8(126)(中央値 [レンジ], 12 [0-796])分/日
NCH群患者では、ノイズキャンセリングヘッドフォン装着時間 平均(SD) 34.0 (89.6)(中央値 [レンジ], 0 [0-916]) 分/日
mixed-models analysisでは、どの時点においても、PDM群では、通常ケア群より、不安スコア 19.6点低く(95% CI, -32.2 〜 -6.8) (p = 0.003)
研究第5日目までに、不安は、PDM患者で36.5%減少
治療x時間相互作用で、PDM有意に、鎮静剤数値減少。
通常ケア比較で、PDM群は、鎮静強度減少  −0.18 (95% CI, −0.36 〜 −0.004) 点/日 (P = .05)、回数減少 −0.21 (95% CI, −0.37 〜 −0.05) 点/日 (P = .01)
PDM群は、NCH群比較でも、鎮静回数減少 −0.18 (95% CI, −0.36 〜 −0.004) 点/日 (P = .04)
第5病日までに、PDM群では、2回ほど鎮静量少なく、鎮静強度36%減少

個室を作れない場合、ノイズキャンセラ・ヘッドホンが代用?



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