2013年5月30日木曜日

NSAIDS 血管・上部消化管悪影響 :従来型NSAIDsもコキシブ系も悪影響

連日 ジクロフェナック 150mg、 イブプロフェン 2400mg投与にて、喫煙・肥満と同様の影響をあたえるという話

ジクロフェナク、イブプロフェンなど、従来のNSAIDsに関しても、新規NSAIDsに負けず、重篤な副事象が警戒される。


2004年コキシブ系選択性COX-2阻害剤であるVioxx(rofecoxib)は心発作リスクを高めるということで自主回収したが、その後、FDAは販売許可のスタンスをとっている。セレコキシブ(セレコックス)が日本では発売されている。

心血管への悪影響は、コキシブ系だけの問題なのだろうか?

従来のNSAIDSでも、実は、重大血管イベント、冠動脈疾患イベントに悪影響を与えていたという報告。


NSAIDsの血管・胃腸への影響は、COX-2阻害剤や従来のNSAIDSを含め、詳細不明
ランダム化トライアルのメタアナリシスからの検討

Vascular and upper gastrointestinal effects of non-steroidal anti-inflammatory drugs: meta-analyses of individual participant data from randomised trials
Coxib and traditional NSAID Trialists' (CNT) Collaboration
The Lancet, Early Online Publication, 30 May 2013
doi:10.1016/S0140-6736(13)60900-9

重大血管イベント増加
コキシブ系 (rate ratio [RR] 1.37, 95% CI 1.14—1.66; p = 0.0009)
ジクロフェナク  (1.41, 1.12—1.78; p = 0.0036) 
主に、重大冠動脈イベントによるもの(coxibs 1.76, 1.31—2.37; p=0.0001; ジクロフェナク 1.70, 1.19—2.41; p = 0.0032). 
イブプロフェンも、重大冠動脈イベントを有意増加  (2.22, 1.10—4.48; p=0.0253)するが、重大血管イベントは増加示さず (1.44, 0.89—2.33) 
プラシーボ比較で、1000名あたり1年間割り付け毎、コキシブ系とジクロフェナクによる超過事例は、重大血管イベント 3症例以上、致死例は1例 
ナプロキセンは、重大血管イベント有意には増加せず  (0.93, 0.69—1.27) 
血管疾患死は、Coxibsx(1.58, 99% CI 1.00—2.49; p = 0.0103) 、ジクロフェナク (1.65, 0.95—2.85, p=0.0187)有意増加。イブプロフェンは有意性は示さず  (1.90, 0.56—6.41; p=0.17)、ナプロフェンでは増加せず (1.08, 0.48—2.47, p = 0.80) 
重大血管イベント比例効果は、血管リスクを含むベースライン特性に非依存。
心不全リスクは、雑に言えば、NSAIDS全部からみると、2倍 
全てのNSAIDsレジメンは上部胃腸合併症増加  (coxibs 1.81, 1.17—2.81, p = 0.0070; ジクロフェナク 1.89, 1.16—3.09, p = 0.0106; イブプロフェン 3.97, 2.22—7.10, p < 0.0001; ナプロキセン 4.22, 2.71—6.56, p < 0.0001)




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