2013年7月26日金曜日

マウス:長寿薬は機能的若返りには役立ってない

ラパマイシンは、マウスで寿命延長効果があるわけだが、加齢現象にともなう身体的特性や行動機能へ改善はみられないようだ。


ラパマイシンは、FDA承認ほ乳類TOR(mTOR)阻害剤
e.g.)http://www.tmig.or.jp/J_TMIG/genome300/TOR.html
mTORはラプターなどとともにTORC1、TORC2と呼ばれるタンパク質複合体を形成し、細胞増殖因子、アミノ酸、細胞内ストレス、エネルギー状態な どのシグナルによって制御されている。mTORC1は下流にあるS6K、4E-BP1などをリン酸化することにより、mRNAの翻訳やタンパク質合成の制 御などを行っている。mTORC2はAktをリン酸化することにより細胞周期の調節などを行っている


Rapamycin extends murine lifespan but has limited effects on aging
Frauke Neff ,et. al.,
J Clin Invest. doi:10.1172/JCI67674.  

加齢は大多数の疾患・機能障害への大きなリスク、加齢プロセスへの治療ターゲット化が、新たな広汎に有効な加齢関連疾患に対する有効治療に関する革新的戦略となるのかもしれない。 FDA承認mTOR抑制剤 rapamycin治療マウスの寿命延長報告は、ほ乳類の中で最大寿命延長が薬剤範疇で示された最初の薬剤。
Rapamycin の寿命延長効果は、特異的な原因、例えばがんなどへの効果かもしれないが、この成分が実際にほ乳類で加齢進行速度を減少させているかは不明。構造的、機能的加齢phenotypeの包括的大スケール評価の結果、rapamycinが、C57BL/6J雄マウスの加齢速度を減少させてるか検討した。

加齢特性サブセットでは、rapamycinにより回復しているようにおもえる。Rapamycinは若年動物でのこれら特性に多く効果を示すが、これらの作用は、加齢へのmodulationではなく、加齢と無縁の薬物の効果の作用のようだ。 
故に、これらのデータからは、rapamycinの寿命延長効果と加齢そのものへの影響とは乖離した現象と説明。 

ラパマイシンの寿命延長効果


加齢関連神経行動phenotype


学習・記憶関連(escape latency実験など)






単純に寿命延長、すなわち、長寿効果とは言えない 「Extension of lifespan does not necessarily indicate effects on aging.」・・・っての序文は象徴的。

神経機能、身体機能改善も伴わなければ、長寿効果として意味が無い。

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