2013年7月3日水曜日

心不全:BNP判断によるプライマリケア・専門機関共同診療により左室収縮期・拡張期機能障害、心不全発生頻度低下



Natriuretic Peptide–Based Screening and Collaborative Care for Heart Failure:  The STOP-HF Randomized Trial    
Mark Ledwidge,  et. al.
JAMA. 2013;310(1):66 doi:10.1001/jama.2013.7588


重要性  心不全予防戦略必要性

目的      新規診断心不全減少と有意な左室収縮期 and/or拡張期機能障害頻度減少目的としたBNPとリスク状態患者共同ケア使用によるスクリーニングプログラムの有効性決定

デザイン、セッティング、被験者      St Vincent’s Screening to Prevent Heart Failure Study は、 平行群ランダム化トライアルで、アイルランドの1374名の心血管リスク要素保有者(平均年齢 64.8歳 [SD, 10.2])、39のプライマリケア施設から登録(2005年1月から2009年12月(で、2011年12月までフォローアップ(平均フォローアップ、4.2 [SD, 1.2]年間)

介入      ランダム割り付け
・通常プライマリケア (対照として; n=677)
・BNPを用いたスクリーニング  (n=697)
BNP  50 pg以上の介入群登録者は心臓超音波検査、共同ケアをプライマリ医師と専門心血管施設で行う

主要アウトカム・測定項目      プライマリエンドポイントは、無症状左室機能障害(新規診断心不全有無問わず)頻度
セカンダリエンドポイントは、不整脈、TIA、卒中、心筋梗塞、末梢・肺血栓・塞栓、心不全のための緊急入院

結果      介入群総数263名(41.6%)は少なくとも1回は BNP 50 pg/mL以上の検査値を有する。
介入群では、心血管検査頻度多く (対照, 496 / 1000 人年 vs 介入, 850 / 1000 人年; 発生率比, 1.71; 95% CI, 1.61-1.83; P<.001)、 フォローアップ時RAASベース薬剤を多く服用  (対照 49.6%; 介入, 56.5%; P=.01)
プライマリエンドポイント(左室機能障害、心不全有無両方とも)は、対照群 59/577(8.7%)、 介入群 37/697(5.3%) (オッズ比 [OR], 0.55; 95% CI, 0.37-0.82, p= 0.003)
無徴候左室機能障害は、対照群 45/677 (6.6%)、介入群 30/697 (4.3%) (OR, 0.57; 95% CI, 0.37-0.88; P = .01)
心不全発生 対照群 14/677 (2.2%) 、介入群 7/697 (1.0%) (OR , 0.48 ; 95% CI, 0.20-1.20; p = 0.12)
重大心血管イベント緊急入院発生比率は、 対照群 40.4/100人年  、介入群 22.3/1000人年(発生頻度比 0.60 ; 95% CI, 0.45-0.81 ; p =0.001)

結論・知見      心不全利リスク患者において、BNPベース篩い分け、プライマリケア・専門施設共同診療は左室収縮期機能障害、拡張期機能障害、心不全の複合的イベント発生減少

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