2013年8月9日金曜日

システマティック・レビュー:H.ピロリ除菌:連続治療が基軸だが、未だ不十分な治療効果の現状

連続治療と訳されることが多いようだ。

Sequential therapyとは、同時ではなく、連続性に抗菌薬を投与する新しいレジメン
当初5日間 PPI+アモキシシリン1gを1日2回投与 → 5日間 3剤(PPI、クラリスロマイシン(CAM) 500mg、ニトロイミダゾールをそれぞれ1日2回)投与する方法

以下のシステマティックレビュー・メタアナリシスによると、最善と思われる治療プロトコールは既存・新規治ともに認められず、地域的な菌抵抗性状況が治療方針の手助けになるとしかいえないようで、新規薬物が期待されるという結論。


Global eradication rates for Helicobacter pylori infection: systematic review and meta-analysis of sequential therapy
BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f4587 (Published 7 August 2013)

46のRCTレビュー、5666名の連続治療への割り付け、7866名の確立・新規治療への割り付け

Sequential therapyの包括除菌率 84.3% (95% 信頼区間 82.1% to 86.4%)

Sequential therapy は、7日間3剤治療より優れている (相対リスク 1.21, 95% 信頼区間 1.17 to 1.25; I2=29.3%; number needed to treat 6 , 95% 信頼区間 5% to 7%)



さらに、10日間3剤治療に対しては境界的有意性  (1.11, 1.04 to 1.19; I2= 67.2%; NNT 10, 7 to 15) 
しかし、14日間3剤治療に対しては優越なし(1.00, 0.94 to 1.06; I2=54.3%)
ビスマスベース治療  (1.01, 0.95 to 1.06; I2=21.1%)、非ビスマスベース治療(0.99, 0.94 to 1.05; I2=52.3%)でも同様。 
治療前抗菌剤感受性による除菌データは8つの研究にて利用可能で、sequential therapyはCAM耐性菌で72.8%除菌可能(61.6% to 82.8%)


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