PE療法:Prolonged Exposure Therapy :参考 → https://www.jspn.or.jp/journal/journal/pdf/2011/02/journal113_02_p0214.pdf
オピオイド拮抗薬ナルトレキソンは日本未発売で、1995年FDAではアルコール依存治療薬として承認されている。低用量にてがん治療、エイズ、MS、パーキンソン関連で効果が話題になっている。
PTSDを伴うアルコール依存に関して、ナルトレキソンは飲酒日数比率減少に効果あるが、PE療法は効果みとめなかった。介入後の飲酒復活を意味する飲酒日数比率では若干PE療法に効果があるかもしれないが、効果比で考えれば意味がないのかもしれない。
Concurrent Naltrexone and Prolonged Exposure Therapy for Patients With Comorbid Alcohol Dependence and PTSD
A Randomized Clinical Trial
Edna B. Foa, et. al.
JAMA. 2013;310(5):488-495. doi:10.1001/jama.2013.8268.
PTSDに伴うアルコール依存は治療抵抗性である。
介入として、
(1) prolonged exposure therapy plus naltrexone (100 mg/d)
(2) prolonged exposure therapy plus pill placebo
(3) supportive counseling plus naltrexone (100 mg/d)(4) supportive counseling plus pill placebo
2x2介入
prolonged exposure therapyは12週間×2週間毎 6回
単盲検ランダム化臨床トライアル 165名被験者
主要アウトカムは、Timeline Follow-Back Interview と PTSD Symptom
Severity Interview を用いて、アルコール摂取日数比率とPTSD重症度をそれぞれ評価し、Penn Alcohol Craving Scale を用いてアルコールcravingを評価。
治療前、治験終了後(第24週)、6ヶ月後
4治療群被験者ともに、飲酒日数比率減少変化平均
・PE療法+naltrexone ; −63.9% [95% CI, −73.6% to −54.2%]
・PE療法+プラシーボ ; −63.9% [95% CI, −73.9% 〜 −53.8%]
・支持カウンセリング+ naltrexone : −69.9% [95% CI, −78.7% 〜 −61.2%]
・支持カウンセリング+プラシーボ ; −61.0% [95% CI, −68.9% 〜 −53.0%]
しかし、naltrexone被験者では、プラシーボ被験者に比べ飲酒日数比率低下
(平均差, 7.93%; p = .008)
4治療群ともPTSD症状も改善、しかし、PE療法の主効果は統計学的に有意でない
治療終了後6ヶ月で、4群すべての被験者で、飲酒日数比率増加。
しかし、 PE療法 plus naltrexone群ではその増加が最も少ない。
日本のアルコール依存診療では、ナルトレキソン使用できない
久里浜の国立施設、ネット依存を病名に仕立て上げる前に、目の前のアルコール依存診療をしっかりしたらどうだろうか?
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