2013年10月11日金曜日

Oxford Vascular Study:TIA及び卒中後後年QOL評価

効用:Utilityを分析、健康子庵連QOL評価尺度、すなわち、質調整生存率(QALY:Quality-adjusted Life Year)として包括的健康尺度とするもの。さらには疾患毎の尺度も存在し、その病態毎の指標とされている。

遅きに失していると思うが、日本でもUtility分析が医療分野で検討され、中医協でQALY指標などを検討しているのは良い方向性だと思う。一部声のでかい団体に偏る医療費再配分の補正に役立つのではないかと思う期待の一方、官僚たちの詭弁に用いられる懸念はあるが・・・


一過性脳虚血発作(440名)と卒中(748)後5年を超えてのQOL評価
卒中、TIA後5年間
EQ-5D (EuroQol-5 Dimensions)を用い、英国住民valuationを用い、完全健康:1から、−0.59(死亡より悪い状態)まで評価

TIA後5年で、Utilityは約0.78
卒中後1ヶ月 0.64から、6ヶ月で 0.70まで改善 (p = 0.006)だが、それ以降 0.70のまま。対して、マッチ化対照は、卒中・TIAよりやはりutility値高い (0.85, p < 0.001)
イベント重症及び再発性卒中では、長期Utility減少する。


5年QALYは、TIA後 3.32(95%信頼区間:3.22−3.48)、卒中後  2.21 (2.15–2.37)
重症度によりばらつき(minor: 2.94; moderate: 1.65; severe: 0.70)

Quality of life after TIA and stroke
Ten-year results of the Oxford Vascular Study
Ramon Luengo-Fernandez,  et. al.
For the Oxford Vascular Study
Published online before print October 9, 2013, doi: 10.1212/WNL.0b013e3182a9f45f
Neurology 10.1212/WNL.0b013e3182a9f45f


EQ-5Dには日本語版も存在
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002mpa7-att/2r9852000002mpe0.pdf

換算表の日英比較も掲載されている。


アウトカム評価におけるQOL研究 (2001年)
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2001dir/n2429dir/n2429_01.htm

包括的尺度というのは,その測定対象を特定の疾患を持つ患者に限定しないQOL尺度です。しかも,病気を持っていない,いわゆる「健康人」を対象にしても利用可能であることも大きな特徴です。これまで,臨床家は患者さんを「病気の人」と「病気でない人」という2つのカテゴリーに分類することを学び,実践してきたと言えます。しかしQOLの観点からは,はたしてこういう二元的な考え方が妥当かどうかという疑問があると思います。すなわち,「健康人」にも「病気を持っている人」にも適用が可能な包括的尺度を使うことによって,健康状態を連続的に捉えることが可能になりました。これは包括的尺度の特徴の1つで,SIP(Sickness Impact Profile),NHP(Nottingham Health Profile),WHOQOL,SF-36(MOS-Short Form 36)などの指標があります。 

「効用理論」とは?・・・医療費の高騰という中で,一定の医療費をできるだけ効率的に使い,できるだけ多くの健康を得るために医療技術を選択する際の政策決定に用いる

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