2013年11月15日金曜日

メタボリックシンドロームは虚血性心疾患・心筋梗塞予測に役立たない

体重増加傾向(過体重:overweight)と肥満ともに、メタボリックシンドローム有無にかかわらず、心筋梗塞・虚血性心疾患リスクである。

Copenhagen General Population Study 71527名の検討
フォローアップ3.6年間、心筋梗塞発症 634、虚血性心疾患 1781
以上の検討の結果、2013年ACC/AHA関連ガイドライン:動脈硬化疾患・コレステロール治療、心血管疾患リスク・ライフスタイル、肥満・体重過多 2013/11/13 で、「(心血管系リスク)指標として、BMIを、まず優先。ウェスト系測定はその後」という表現どおり、メタボリックシンドロームの価値は少ない


Myocardial Infarction and Ischemic Heart Disease in Overweight and Obesity With and Without Metabolic Syndrome
JAMA Intern Med. Published online November 11, 2013. doi:10.1001/jamainternmed.2013.10522 

心筋梗塞について
正常体重・メタボリックシンドローム無し症例に対し、多変量補正ハザード比は
過体重 1.26 (95% CI, 1.00-1.61)
肥満 1.88 (95% CI, 1.34-2.63)

メタボリックシンドロームありでは
正常体重 1.39 (95% CI, 0.96-2.02)
過体重 1.70 (95% CI, 1.35-2.15)
肥満 2.33 (95% CI, 1.81-3.00)

虚血性心疾患について
結果は同様だが、その程度は少ない。

正常体重 vs 過体重 vs 肥満、そして、メタボリックシンドローム有無では、心筋梗塞、虚血性心疾患のリスクに相互作用認めず (P = .90 and P = .44).

メタボリックシンドローム有無ともに、心筋梗塞・虚血性心疾患累積頻度は、正常体重から、過体重、肥満ととなるにつれ増加する (log-rank trend P = .006 to P < .001).


心筋梗塞に対する、メタボリックシンドローム有無に対する多変量補正ハザード比は、BMIカテゴリー横断的に、1.54 (95% CI, 1.32-1.81) 

多変量解析モデルで、BMIと他の臨床的特性に、 メタボリックシンドロームという要素を加えても、心筋梗塞のリスク予測改善にはほんの少ししか役立たない(comparison P = .03) し、虚血性心疾患に対しては全く役立たない( for IHD (P = .41).


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