COPDの薬物治療ってのも、製薬会社や各種講演会講師がのたまうほどのエビデンスはない! 主要参照TORCH研究ですら、プライマリアウトカムである全原因死亡率に関して有意差認めてない(0.825 (95%CI 0.681 ~ 1.002; P=0.052)で、相対的リスク減少として17.5%)。循環器系薬剤なら、有意差無しってことで無視されてもおかしくないトライアル結果。
Cochraneレビューにしては、結論甘いのではないかと思うのだが・・・
COPD治療に対する合剤治療に関して、主に、TORCH研究による部分が大きい。プラシーボに比べ、COPD急性増悪を4分の1減少させる。全死亡率減少は有意だが、TORCH研究のみで、より長期検討が必要だろう。肺炎リスクが問題;急性増悪・入院・死亡増加に関連せず。
現行エビデンスでは、効果問い意味で重大な差は認めないが、全てが同等というわけでもない
医療・臨床の世界って、どうも、スッキリしたものが少ない。
最近発売のCOPD合剤だって、薬剤vs薬剤比較研究だけでエビデンス有りと・・・インチキ宣伝が多い
Editorial Group: Cochrane Airways Group
Published Online: 10 NOV 2013 Assessed as up-to-date: 26 JUN 2013
DOI: 10.1002/14651858.CD003794.pub4
19の研究が登録クライテリアに合致(ランダム割り付け、4−156週間、平均42週間)
フルチカゾン/サルメテロール、ブデソニド/ホルメテロール、モメタゾン/ホルメテロール配合剤
盲目化バイアスリスクは低いが、被験者ドロップアウトのためattrition biasは不明か高リスク
プラシーボ比較で、FUL/SAL、BUD/FOR共に急性増悪率減少
MOM/FORは、急性増悪1回以上患者数を減少
プール化解析にて、併用療法は、プラシーボ比較で、急性増悪回数減少を示唆 (発生率比 0.73; 95% CI, 0.69 to 0.78、7研究、7495名)
GRADEクライテリアを中等度とratingした場合エビデンスの質は中等度
これらのトライアルでの急性増悪は、年間1,2回で、結果的には、これらの患者へ2−4年毎に1回の急性増悪減少効果に相当。
包括的死亡率減少効果も見られるが、これらアウトカムは、F/SAL(TORCH研究)の一つのみ
一般的に、死亡に関しては、小規模研究ほど、短期間研究ほど包括的にはその寄与度が少ない。BUD/FORと、MOM/FORは広く観察されることか明確にする必要がある。
TORCH プラシーボ群からのベースライン死亡率15.2%では、1例の死亡を予防するためのF/SAL投与症例である、3年間ベネフィットNNT(NNTB)は 42 (95% CI, 24 to 775)
これら3つの配合剤治療で有意に健康状態測定値有意に改善するも、MMCIDに対してかなり小さな効果しか認めていない。
さらに、症状・肺機能は併用治療にて良好。肺炎リスク増加は、吸入ステロイド併用剤で、プラシーボ比較して多い (OR 1.62, 95% CI 1.36 to 1.94)、そして、このエビデンスの質は中等度ratingであり、量依存性は認めない。
TORCHプラシーボ群での肺炎リスクは12.3%に基づくと、1例の肺炎回避のための3年間NNTHは17。併用治療群での、副作用、有効性梨のための中断例は少ない。
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