治療抵抗性高血圧の70%超に閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)が存在するとされる。高血圧・循環器系の医師たちは真正面からとらえようとしない。特に、製薬会社関連の講演会など行くと胸くそが悪くなるなるほど、アンジオテンシン系とからめてくる。故に、一般医家へ、閉塞型無呼吸と治療抵抗性高血圧の関連の知識は広まってないのではないかと思う。
さらに、CPAPがらみは、小規模研究が多い、100前後症例数の報告はあまりみない。小規模トライアルと言いながら、以下の報告は比較的多い検討数。
nocturnal dipperパターンを示す患者に関し、HIPARCOトライアルという小規模研究で、夜間血圧パターンの改善を示した。
Effect of CPAP on blood pressure in patients with obstructive sleep apnea and resistant hypertension.
Martinez-Garcia MA, Capote F, et al.
スペインの2の教育病院に於けるエンドポイント盲目化
オープンラベルランダム化非盲験多施設臨床トライアル・平行群研究
194名の治療抵抗性高血圧とAHI 15以上の患者
介入:CPAP治療 vs 無治療、 通常の血圧コントロール下
主要アウトカム測定:
・プライマリエンドポイント:12週間後24時間血圧変動
・セカンダリエンドポイント:血圧値の他の指数、夜間血圧パターンの変化
結果:194名を、CPAP治療 n=98、CPAP治療無し n=96にランダム割り付け
平均AHIは、40.4(SD, 18.9)、平均降圧薬剤数 3.8
ベースラインの24時間平均血圧 103.4 mm Hg; 収縮期血圧 (SBP), 144.2 mm Hg; 拡張期血圧 (DBP), 83 mm Hg
ベースラインにおける血圧変動パターンとして、dipperパターン(平均夜間血圧が平均日中血圧より10%以上低下パターン)は25.8%。
1日あたり4時間以上CPAP治療のアドヒアランス良好患者の比率は72.4%
研究期間中の且つ圧変動をITTにて群間比較したところ、CPAP治療群は、24-時間平均血圧 (3.1 mm Hg [95% CI, 0.6 to 5.6]; P = .02) 、 24-時間 DBP (3.2 mm Hg [95% CI, 1.0 to 5.4]; P = .005)は大きく減少したが、24-時間SBP (3.1 mm Hg [95% CI, −0.6 to 6.7]; P = .10) は対照群と比べ減少せず。
さらに、夜間血圧dipperパターンを示す患者の比率は、12週後、CPAP治療群で増加した (35.9% vs 21.6%; adjusted odds ratio [OR], 2.4 [95% CI, 1.2 to 5.1]; P = .02)
CPAP使用時間数と、24時間平均血圧、収縮期血圧、拡張期血圧との間に有意相関 (r = 0.29, P = .006、r = 0.25; P = .02、r = 0.30, P = .005)
結論:閉塞型無呼吸と治療抵抗性高血圧併発患者において、CPAP治療は12週後24時間平均血圧・拡張期血圧を減少、さらに、夜間の血圧パターン改善をもたらす。さらに長期アウトカムへの影響を検討する必要がある。
一般医師向け高血圧の講演会とか行くとおもしろいのは、ほぼ全ての講師がこの無呼吸症候群の存在を無視か軽視して話をする。 少なくとも閉塞型無呼吸症候群の有病率を考えれば、無視なんてできないと思うのだが・・・
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